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台湾で、同性婚を祝う「合同披露宴」。2000人近くが、総統府前で喜びを分かち合う(画像)

披露宴に集まった人たち

5月24日に、同性カップルの結婚登録が始まった台湾。一夜明けた25日に、台北・総統府の前で同性婚の実現を祝う合同披露宴が開かれた。

会場となったのは、台北・総統府前の凱達格蘭(ケタガラン)大道。

台湾の政治のシンボルである総統府をバックに作られた、1600人が入れる披露宴会場には、夕方近くになるとたくさんの人々が集まり始めた。

披露宴のために並べられたテーブル。左奥に見えるのが総統府

合同披露宴は、同性婚の実現を祝う場として開催された。

実際に結婚した同性カップルらに加えて、平等な婚姻のための闘いを支持してきた人たち1600人が参加した。

「幸せをシェアし、勝利を祝うために披露宴を開きました」と、披露宴を開いた団体「台湾伴侶権益推動連盟(伴侶盟)」の許秀雯さんは語る。

 「同性カップルの結婚、そして平等な権利に賛成し、サポートしてくれる人は誰でも歓迎です!」

来場者と写真を撮影する許秀雯さん(左から二番目)。左はパートナーの簡至潔さん

会場の外には、入りきらなかった人たちが集まって、ピクニックをする光景も広がった。

彼らや100人を超えるボランティアと合わせると、2000人に近いと思われる人たちが集った会場は、お祝いムードと喜びのエネルギーに包まれた。

伴侶盟のメンバーとボランティアの人たち会場の外で、ピクニックを楽しみながら喜びの時間をシェア参加者で、会場は満員に

「絶対、ここに戻ってくる」

伴侶盟は、同じ場所で5年前にも披露宴を開いている。

「2013年、伴侶連は平等な婚姻を求める法案を作って立法院に提出しました。その時に法案提出を祝って、同じ場所で同じような披露宴を、1200人のゲストを招いて開きました」と、許さんは振り返る。

「その時に『いつか法案が通って同性カップルが結婚ができるようになったら、必ずこの場所に戻ってこよう』と、私たちは誓ったのです」

「だから私たちにとって、ここで披露宴を開くことは、象徴的な意思表示でもあります」

準備た料理は、鶏肉やエビの料理、餅など、台湾の伝統的な披露宴で出されるお祝いの食事だ。結婚したカップルや招待者の幸福や長寿を願って、一品一品に縁起の良い名前がつけられているという。

熱気と喜びに包まれた

披露宴は19時にスタート。

人気シンガーソングライターのアイ・イーリャンさんによるライブパフォーマンスや、ドラァグ・クイーンやゴーゴーボーイよるダンスが、会場の空気を熱くした。

アイ・イーリャンさんのライブ参加者たちは、レインボーの旗を振りながら楽しんだ

メインイベントの一つとして行われたのが、20組の同性カップルの合同結婚式だ。

ウェディングドレスやタキシード、着ぐるみなど思い思いの衣装を着たカップルが、会場の人たちが見守られながらレッドカーペットを歩き、指輪を交換して愛を誓った。

これまで、望む相手との結婚が認められていなかったレズビアンやゲイの人たち。

愛する人と結婚ができるようになり、抱き合うカップルや涙ぐむカップルに、集まった人たちから大きな拍手や祝福の言葉がかけられた。 

同性婚運動を、たった一人で始めたレジェンド

喜びの涙を流すカップルを会場で見守っていた一人が、台湾のLGBTQムーブメントの先駆者、祁家威さんだ。

祁さんは1986年、たった一人で同性婚実現の運動を始めた。

祁さんを動かしたのは、「同性愛者たちの完全な人格(人としての資格、人間性)を社会で認めてもらうには、同性間の結婚を実現させるしかない」という強い思いだった。

祁さんによると、1986年当時、同性愛者たちは社会から隠された存在だった。

昼は異性愛者であるかのように振る舞い、ゲイの男性は夜になると公園やサウナなどで人目を忍んで会っていた。レズビアンの女性に至っては、出会う場所もなかった。

男性同士が結婚することは、30年前にはとんでもない考えと思われていた

同性愛者が、一人の人間として尊厳を持って生活できる社会にしたいと活動を始めた祁さん。

しかし「同性同士の結婚」は、当時ではとんでもない考えと思われた。当事者の中でも変人扱いされて、誰も見向きもしないような時代が約10年続いた。

心折れることはなかったのかと尋ねると、祁さんは笑いながら「実現できると思っていましたから。もし実現できると思わなければ、やらないよ」と答えた。

「孤独感もつらさも、感じませんでしたよ。自分では、楽しんでやっていました」

「物事は、1日では変化しません。だけど10年続けていると、徐々に変化が見えてくるものです」

活動を続けるうちに、祁さんに続いてカムアウトする男性が出てくるようになった。さらに、同性愛者の悩みを聞くためのホットラインができるなど、少しずつ社会が動き始めた。

たくさんのレズビアンカップルも、喜びを分かち合った

一方で、レズビアンの人たちが社会で見える存在なったのは、2000年代に入ってからだったという。

それには、女性の権利獲得の運動が大きく関係している、と祁さんは話す。

2000年代になって、台湾で女性の権利獲得運動が盛り上がりを見せるようになり、その中に同性愛の権利獲得も盛り込まれた。その流れで、女性団体のリーダーの中から、レズビアン運動の活動家も出てきた。

結婚登録初日の5月24に婚姻届を出したのは、女性カップルが341組、男性カップルが185組。女性カップルが男性カップルを大きく上回った。

「女性は強く抑圧されていた分、抑圧がなくなった時に強く跳ね返す力がありました」と祁さんは話す。

祁さんが一人で闘い始めてから、33年の月日を経て実現させた台湾の同性婚には、アジア初という誇らしい勲章がついてきた。

闘ってきた月日の長さをどう感じているのか尋ねると、祁さんはこう答えた。

「30年というと長いようでもあるけれど、世界の中では台湾は26カ国目。30番目に入っているから、早いとも言えます」

「実現して嬉しいです。だけどホッとしてはいません。今の法律はまだ不十分。また次の訴訟を起こすつもりです」

今回成立した法律で、同性カップルは結婚できるようになったものの、真の平等という意味ではまだまだ課題が残る。

カップル両者に血縁関係のない子供の養子縁組はできないし、国際カップルの場合は、パートナーの国で同性婚が認められていなければ、台湾でも結婚できない。

祁さんはそういった問題の一つ一つを解決していくつもりだという。

「諸葛孔明の精神で頑張ります」と、闘い続ける祁さんは笑顔を見せた。

最後に写真をと向けたカメラに、お茶目な表情で応じてくれた祁さん

喜びと決意

闘いを続けるのは、祁さんだけではない。

「絶対戻ってくる」という5年前の約束を実現させて開かれた披露宴は、お祝いの場であると同時に、真の平等を実現させるための決意をする場所でもあった。

許さんにとって次のゴールは、同性カップルが異性婚と全く同じ法律で結婚できるようになること。結婚以外でも、LGBTQの差別問題など解決しなければいけない問題は残っている。

披露宴の後半、ステージにたった許さんはマイクを握ってこう叫んだ。

「あと2年で民法を改正します!」

「あと10年したら、結婚以外の不平等もなくします!」

アジアで初めて同性同士の結婚を実現し、歴史を作った台湾。記念すべきお祝いの写真を、スクロールしてお楽しみください。

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「私は生きることを選んだの」ハワイの森林で行方不明になった女性 2週間生き延び、無事に見つかる

1人の女性が、絶望から“奇跡の生還”を果たした。

米・ハワイ州のマウイ島の森の中で行方不明となった女性が、2週間以上を自力で生き延びて、無事発見された。CNNなどのアメリカのメディアが5月25日、相次いで報じた

ヘリコプターでの捜索で発見され、電話で生存を誰かに報告しているものと見られるアマンダ・エラーさん(写真中央)と捜索協力者(写真右、左)

CNNによると、発見されたのはセラピストでヨガ講師のアマンダ・エラーさん。

アマンダさんは5月8日、ハワイ島のマカワオ森林保護区で怪我をし、それ以降行方が分からなくなり、翌日には捜索届けが出されていた。

捜索チームが24日、ヘリコプターで捜索していたところ、2つの滝の間を裸足で歩くエラーさんを発見。その後、近くの病院へ搬送した。

エラーさんの母・ジュリアさんによると、エラーさんの体重は半月で約6.8キロ減り、骨折した片足は治療が必要だが、それ以外は「驚くほど元気」だという。

発見されたアマンダーエラーさん(写真右)と捜索協力者

エラーさんの捜索に加わったジャビエ・カンテロープさんによれば、彼女は自身が持ち合わせていた知恵と、セラピストとヨガ講師としての経験で生き延びることができたという。

彼女が植生についての知識持っていたことに加え、十分な量の水があり、温暖な天候だったことも生存を後押しした。

彼女が失踪したあと、彼女の発見を支援するFacebookが立ち上がっていた。

そのページには、搬送された病院で「とてつもない恐怖と喪失感に見舞われ、諦めてしまいたいと思った時もあって、生と死のどちらかを選ばなきゃいけなかったけど、私は生きることを選んだの」と、アマンダさんが自らの言葉で当時のことを語る様子が掲載されている。


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ゲーム障害とは? 新たな依存症としてWHOが認定 2022年1月に施行

世界保健機構(WHO)は5月25日、日常生活に支障をきたすほどゲームに没頭する「ゲーム障害」を、新たな依存症として正式に認定した

「国際疾病分類(ICD)」の中で「依存症」と位置付けられ、WHOの年次総会で採択された。2022年1月から施行される予定で、アルコールやドラッグと並び、治療が必要な疾病となる。

ゲーム障害は、具体的にはどんな症状をさすのか。 WHOは、「ビデオゲームやオンラインゲームなどを継続的、または繰り返しプレイするゲーム行動のパターン」と定義している。

特に、次のような症状が認められるという。

・頻度や時間など、ゲームをプレイする上で制御がきかない

・ゲームの優先度が増し、ゲームをプレイすることが他の興味や日常生活よりも優先される。

・ネガティブな影響が出ても、ゲームを継続・やりこむようになる。 ゲームの行動パターンが重度になり、その結果、自分自身や家族、社会、教育、職業といった他の重要な生活機能に支障をきたす。

こうした症状が少なくとも12カ月続いた場合に、依存症と診断されるという。

ゲーム障害が原因とみられる死亡事故はすでに起きており、CNNによると、台湾人の男性が2015年、3日間のゲーム漬けの後に死亡した。台湾でのゲーム中の死者は、その年で2人目だったという。

日本国内でもここ数年、eスポーツが盛り上がりを見せ、ビデオ・オンラインゲームが注目されている。ゲーム障害が依存症として認定されたことにより、日本も対策が必要となりそうだ。


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台湾で、アジア初の同性婚スタート。婚姻届を出したカップル「とてもハッピー。でもこれは最初の一歩」

(左から)許秀雯さん、簡至潔さん、邱亮士さん、曹朝郷さん

「配偶者」の欄に互いの名前が書かれたIDカードを手にして、許秀雯さんと簡至潔さんは、弾けるような笑顔を見せた。 

5月24日、台湾で同性同士の結婚登録がスタートした。アジアで初めて、同性カップルが結婚できるようになったのだ。

許さんと簡さんは、24日の朝8時半に台北中心部にある戸籍担当窓口に婚姻届を提出した。

IDカードを手にする許秀雯さんと簡至潔さん。台湾では14歳以上の市民は、父親や母親、配偶者、居住地などの情報が書かれたIDカードを持つ。

この日からちょうど2年前の2017年5月24日、台湾の司法最高機関にあたる司法院大法官会議が「同性同士での結婚を認めない民法は違憲だ」という判断を下した。そして、同性カップルが結婚できるよう、2年以内に法整備するよう政府に要請した。

この期限を迎える直前の2019年5月17日、同性カップルが結婚できる法案が成立した。

大勢のメディアに囲まれ、婚姻届を提出する許さんと簡さん

 ■ 許さんと簡さん「とても幸せ。だけどこれは最初の一歩です」

許さんと簡さんは、LGBTQの人たちの平等な婚姻の権利を訴える団体「Taiwan Alliance to Promote Civil Partnership Rights(TAPCPR)」の立ち上げを通して10年前に出会った。

ソーシャルワーカーの簡さんが団体のコーディネーターを、弁護士の許さんが法律部分を担当しながら、多くの人たちとともに平等な婚姻の権利獲得運動を進めてきた。

婚姻届を提出した24日も、TAPCPRの仲間たちが多数駆けつけて、結婚を祝福した。

結婚して家族になった気持ちを聞くと、許さんと簡さんは「とてもハッピーです」と笑顔で答えた後、こう付け加えた。「だけど、今の法律はまだ十分ではないんです。これは最初のステップ。まだやらなければいけないことがあります」

指輪の交換

今回成立した法律は、同性カップルの結婚を実現させた一方で、異性カップルの結婚と全く同じ権利を認めたわけではない。

例えば、血の繋がりのない子供は養子縁組できない(カップルのどちらかと血のつながりがあれば、養子縁組できる)。

また国際カップルの場合は、台湾国籍ではないパートナーの国で同性婚が認められていなければ、台湾でも結婚できない。

他にも、異性婚のカップルは結婚すると互いの親や親戚との間に姻戚関係ができるのに、同性カップルの場合は相手の親や親族とは法的な姻戚とはならない。

許さんは「結婚の権利を獲得するために妥協しなければならない面はあった。だけどこれは最初の一歩」と強調する。

「別々であるということは、平等ではないということです。私たちのゴールは、誰もが同じ結婚ができるようになること。本当の意味での平等を実現することです」

「同性カップルが男女のカップルと、同じ法律で結婚できるようするため、これからも活動を続けます」

 ■ 邱さんと曹さん「同等な結婚の権利がないのはおかしい」

許さんと簡さんカップルに続いて婚姻届を提出したのは、邱亮士さんと曹朝郷さん。ふたりもまた、平等な結婚の権利を手にするために闘ってきた。

婚姻届の提出。笑顔が弾けた

 邱さんと曹さんがLGBTQの婚姻の権利を求める活動に携わるようになったのは、6年ほど前だ。

自分たちが結婚したかったからというより、LGBTQの当事者たちに平等な権利がないのはおかしいと思う気持ちが原動力になった。

「その頃、社会的にもそして私たちの中でも、LGBTQの人たちに同等な結婚の権利がないのはおかしい、という気持ちが強くなり始めていました。『同性カップルも結婚する権利がないのはおかしいのでは』という議論が、社会の中で広まりつつあったのです」とふたりは話す。

2014年、邱さんと曹さんを含む30組の同性カップルが、戸籍担当窓口に婚姻届を一斉提出した。しかし提出された婚姻届が受理されることはなかった。

「受理されないことはわかっていました。でも社会にもっとこの問題に目を向けて欲しいと、私たちはアクションを起こしたのです」と、曹さんは語る。

それから5年。その時に婚姻届を受け取ってもらえなかったのと同じ戸籍担当窓口で、二人の婚姻届は受理された。「ホッとしました」「夢が叶いました」と二人は嬉しそうな笑顔で語った。

曹朝郷(左)と邱亮士さん

 ■他のアジアの国でも実現できる

これまで、世界25カ国で同性同士の結婚が認められてきた。台湾は26カ国目になる。アジアで初めて同性同士を実現させた背景には、許さんや簡さん、邱さん、曹さんたちをはじめ、闘い続けてきた大勢の人たちがいる。

日本でも、2019年2月に13組の同性カップルが平等な婚姻の権利を求めて国を訴える訴訟を起こした

台湾の同性婚が他のアジアの国々にどのような影響を与えると思うか尋ねると、許さんはこう答えた。

「台湾が実現したということは、他の国でもできるということです。他の国の人たちも『台湾でできるなら自分たちの国でも』と思うでしょう。次は『それはいつか?』という話になりますね」

「アジアには、素晴らしい伝統や文化があります。そこには“多様性”と”平等”も含まれています。そのことに多くの人に気づい欲しい。私たちLGBTQの人たちは、存在しています。それは現実。その現実に目を向けてほしい」

邱さんと曹さんは、こう訴える。

「どうか闘い続けて下さい。諦めないで。だって平等な権利は、全ての人が与えられるべきものなのですから!」

<動画:これまで同性カップルの結婚を法制化してきた国、2001年から振り返ります>

今日から台湾で同性婚を認める法律が施行され、世界で同性婚を認めている国の数は26になりました。これまで同性カップルの結婚を法制化してきた国を、2001年から振り返ります。 pic.twitter.com/q85dEJDM6c

— ハフポスト日本版 (@HuffPostJapan) May 24, 2019

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ノルウェーの「女の子が内側からすてきになるためのルールブック」

Det øverste billede på denne side er fra Politiken.dk

13歳の女の子の3人に1人が体重を減らしたい。

15歳の女の子の半数がダイエットをしているか、以前していたことがある。

52%の女子高校生が、自分が太りすぎだと思っている。

ダイエットをしている10%がその後拒食症を発症する。

10万人の若者が摂食障害を患い、そのうち90%が女性である。

15-16歳の女の子4人に1人が鬱のような症状を経験し、3人に1人が自分自身に満足していない。

拒食症は、10代の女の子にとって事故と癌の次に多い死亡原因である。

このデータは2014年のノルウェーのもの(最後の死亡原因はヨーロッパ全土におけるデータ)。ノルウェーの人口は約520万人なので、摂食障害を患っている若者がいかに多いかが想像できる。

思春期の女の子たちが平和な幼い子ども時代を過ぎ、身体の成長とともに性に関して様々な方面から求められる役割とそれへの違和感、そして時にそれが深い傷として心に突き刺さるという体験は、多くの女性が経験的に知っていることではないか。

“JENTELOVEN” (北欧の「出る杭は打たれる」的なニュアンスのある「ヤンテの掟」“JANTELOVEN”をもじったもの)と名付けられたこの本は、女の子たちに、フェミニズム的な視点から伝えておきたいことが様々な形でまとめられている。

作者は、ノルウェーの超人気ドラマ「SKAM」 やインスタグラムでもよく知られ、拒食症の経験もあるUlrikke Falchと、教員資格をもつコメディアンで、トゥレット障害のあるSofie Frøysaaの2人。

彼女たち自身の経験談を交えながら、様々なアプローチで、若い女性を取り巻く「女性であること」に関する思い込みや性的役割観を打ち砕き、新しい女の子(Jente)のための掟(lov)を作り出したのがこの作品だ。

 

内容は「学校」「身体」「セックス」という三大柱の構成。ページをぱらぱらとめくると、日記のようなページがあるかと思えば、格言的なもの、クイズやビンゴなどゲームのようなものなど、まるでコラージュのような作りになっている。

 

もう少し具体的に紹介すると、「男子のタイプ分け」「女子的あるある」など、女の子たちが学校生活で投げかけられるさりげない言葉、期待されている態度、男女の偏見などを描写しているページ、有名な女性歌手や女優が語る言葉、「性差別者」「フェミニズム」などの言葉の定義、また、ノルウェーの女性史上大きな役割を果たした人々についての情報などもある。

また、女性の理想の体型が歴史的にどう変化してきたかや、インスタグラムでポージングしている女性の姿勢がどれほど不自然かについて分析していたりと、思春期の女の子たちが日常的にメディアやSNS、周りの環境から与えられる情報を、一旦立ち止まって考えてみるためのきっかけがたくさん紹介されている。

 

さらに、“Body-shaming” つまり人の身体的な部分を否定的に評価することを止めようと提言し、それに代わって“Body positivity”(これはUlrikkeが自身のインスタグラムでもモデルや有名人のポージングと同じことをして見せている)を紹介したり、「自分を形作っている目に見える部分ではなく、目に見えない部分にも注目しよう」という提案から、「創造性」「批判的思考」「好奇心」「ユーモア」「謙虚さ」「共感力」「自発性」「協力的」など、個人の特徴にも目を向けて、違う角度から自分自身について考えることも提案している。

 

そしてUlrikkeとSofieそれぞれの思春期の体験談もとても印象的だ。

摂食障害に至るまでの幼い頃の様子から、抑うつ症状や拒食症の日々を赤裸々に綴っているUlrikke。

Sofieは肌に問題があり、それがもととなった酷い虐めと自信のなさ、不登校、引きこもり、そしてトゥレット障害など辛い日々について綴っている。

どれも思春期の女の子たちにとっては身近な問題であり、実際にノルウェー社会でよく知られている女性2人が、自分自身の言葉で10代の苦しく生きづらかった日々から、どのような心境や考え方の変化を経て、今、自分自身を強く持てるようになったのかを描いた部分はとても強いメッセージとなっている。

 

さらに現代的だと感じられるのが、セックスについてのページ。

「準備ができたっていえるのはいつ?」など、10代の知りたいことに答えるページや、作者2人の悲しい性体験談はもちろん、男の子からペニスの写真が送られてきた時(!)の対応策、さらに、リベンジポルノについても具体的な対応策が示されている。

そして以前ツイッターでも話題になった、性行為の同意を紅茶を飲むという行為で伝えるイギリスの動画についても触れている。インターネットやSNSが生活の大前提となっている女の子たちが晒される様々な危険について具体的に踏み込み、冷静な判断を促しているところもとても良い。

 

多様な視点からリアルに、時にユーモラスに読者に語りかけながら、既存の女性性のあり方を批判的に検証しているこの作品。

作者たちがノルウェーでよく知られた女性であり、彼女たち自身の体験等を通して、フェミニズム的視点を思春期の女の子たちの現実にうまく当てはめ、多様な視点から、彼女たちの感じる生きづらさや違和感を紐解いていて、とてもよくできた作品となっている。

 

敢えて難点を言えば、例えば男の子たちのふざけ行為への対応策があまり建設的には感じられないこと。

でも、これはもしかしたら役に立つ解決法として示しているというよりは、読者である10代の女の子たちのリアルな日常と、彼女たちのフラストレーションに寄り添ったものとして示されているのかもしれない。

また、この本の問題提起すべてが、そもそも読者である女の子たちだけの問題ではなく、同世代の男の子たち、大人など男女ともに考えていかなければいけないことであり、女の子だけに訴えかける作品ではなく、むしろ“Menneskelov” (人間の掟)として、男性も含めた読者向けに作ることもできたのでは?とも思う。ちなみにこの考えは、作者たち自身も新聞等のインタビューでよく指摘されている。

 

男女平等が進んだ北欧でも、思春期の女の子たちの生きづらさがこの作品を通して共有されている(この作品はちなみにデンマークでも高評価)。

これはなかなかリアルで興味深い。普段あまり語られることのない、でもまだそこに「ある」、女性に関する問題の根深さ。

でもそれをもう終わったこととせず、あるいは理想論を語るだけでもなく、違和感に率直に向き合い、自分たちで内側から現実を変えていこうというアプローチを提示しているところにもまた、北欧らしい実直さ、誠実さが表れている。

(3月29日掲載のさわぐりさんのnote「女の子が内側からすてきになるためのルールブック」 より転載)


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日本の「日傘男子」キャンペーンが中国で話題に。男が日傘をさすのは「娘(にゃん)」なのか?

2019年は5月から気温がぐんぐん上昇し、「近年にない厳しい暑さ」になる見込みだ。

そんな中、熱中症のリスクを低減するため、環境省が男性も日傘を利用するよう促すキャンペーンを始めたが、意外にも隣国・中国で注目の的に。ネット上で議論が勃発している。

とにかく日傘が似合わない筆者

 ■「日傘男子」キャンペーン

環境省の発表によると、2018年は記録的な酷暑の影響もあり、5月から9月にかけての熱中症が原因の救急搬送人数は統計開始以来最多を記録。暑さの国民生活への影響が「重大性・緊急性が高い」ものとして位置付けられている。

これを受けて環境省では、暑さ対策の一環として、男性に対しても日傘を活用するよう推奨している。帽子をかぶっただけの状態と比べて、日傘を使うと汗の量が約17%減ったという。

この環境省の日傘推奨キャンペーンは、日本のメディアに取り上げられた。

■中国で話題に

このニュースが、日傘をさす原田義昭・環境大臣の動画とともに中国のSNSで紹介されると、「#日本政府が男性も日傘をさすように推奨」というハッシュタグが拡散。

5月24日昼現在で、関連する書き込みの閲覧は2億回を突破し、「男の日傘は有りか無しか」を巡って議論が勃発した。

中国では伝統的な価値観が一部では根強く残っているとされ、「男らしくない」振る舞いはマイナスの意味を込めて「娘(にゃん)」と表現されることもある。

そのため、「男の日傘なんて、男も女も『娘』と感じる。それが日傘が広まらない原因だ」とか「実際恥ずかしいからね」などと指摘する声が上がっている

一方で、女性と見られるユーザーの意見は違うようだ。

「本当に男の考えって変わらないんですね。周りからすればどうでも良いのに、メンツばっかり大事にして肌にダメージを受けても我慢している」

「周りの女性は男の日傘なんて気にしないのに、勝手に『娘』だと思い込んでいる」などといったコメントが寄せられ、いずれも1万を超える「いいね」がつけられている。

今回のように、日本人の生活に根ざした話題が中国のネットで話題になることは珍しいことではない。日本で「日傘男子」が広まれば、中国でも「娘」の概念が変わっていくかもしれない。

 

 


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テリーザ・メイ首相、あす24日に辞任表明と英タイムズ紙が報道

イギリスのタイムズ紙は5月23日、テリーザ・メイ首相が24日に辞任表明する見通しであると報じた

タイムズ紙によると、メイ首相は22日夜に辞任要求には応じない姿勢を見せ、今月23日から投票が始まる欧州議会選挙のキャンペーンをすると訴えていた。ところが、保守党議員でつくる「1922年委員会」のグラハム・ブレイデ委員長と面会後に、退任を表明する見通しであると、関係者の話として報じている。

メイ首相の辞任表明には、政権幹部の辞任などにより、自身への辞任圧力が高まったことが影響しているとみられる。

メイ政権は21日、6月に審議を予定しているEU離脱案に修正を加えると発表したが、支持が得られなかった。

BBCによると、メイ首相を支えてきたアンドレア・レッドソム下院院内総務が22日、欧州連合(EU)離脱を巡るメイ首相の方針に反発し、辞任していた。

メイ首相は当初、6月に予定していたこの法案の下院投票の後、自身の辞任時期を表明すると約束していた


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ボーイング社に中国「3大航空会社」が損害賠償請求。「737 MAX」の相次ぐ死亡事故で運航停止になっていた

中国の「3大航空会社」が5月22日までに、相次いでアメリカのボーイング社に対し損害賠償請求を起こしたことが分かった。中国の国営テレビ「CCTV」などが報じた。

エチオピアの事故で墜落した残骸(2019年3月)

訴訟を起こしたのは「中国東方航空」「中国国際航空」「中国南方航空」の3社。ボーイング社の「737 MAX」の関係する一連の事故の影響で同機を所有する3社に損害が発生したとしている。

東方航空が5月21日、賠償請求を行ったことを明らかにしたのに対し、国際航空と南方航空が続いた形だ。

「737 MAX」をめぐっては、2018年10月にインドネシアで墜落事故を起こし、乗員・乗客の189人が死亡していた

さらに2019年3月には、エチオピアの首都、アディスアベバ郊外でエチオピア航空が運航する同型機が墜落し、乗員・乗客157人全員が死亡した。中国当局は一連の事故を受けて、国内の航空会社に当該機の商業運航を停止するよう命令していた

現地メディア「中国経済週刊」によると、3社はいずれも、この影響で飛行機が予定通りに運航できなかったり、購入した「737 MAX」が納期までに引き渡されなかったりしたなどとしている。

中国はボーイングの「お得意様」で、中国の会社は「737 MAX」を96機所有していて、今回請求を行った3社だけで半数以上を占めるという。

 

 


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トラビス・スコットがグッズ売り上げで妊娠中絶を請け負うNPOへの寄付を発表。アラバマ州の中絶禁止法成立に抗議の声

Travis Scott

アメリカの人気ラッパー、トラビス・スコットが、アラバマ州の中絶禁止法成立に抗議の声をあげた。

アラバマ州では5月15日、性犯罪や近親相姦などによって妊娠させられた場合などでも人工妊娠中絶を禁止する法案が成立した

中絶を禁止する思想を持つ、キリスト教保守系が多く所属する共和党が、過半数の議席をもつアラバマ州。

法案では、母体の生命に危険があったり、胎児が致死的な状態にあったりする以外の状況で中絶を施した場合、医師に最大で99年の禁錮刑が科される可能性がある。

全米で最も厳しい中絶禁止法としてアメリカ国内で大きな話題になっていた。

トラビス、グッズの売り上げを人工妊娠中絶や避妊薬の処方をするNPO団体へ寄付

トラビスは5月16~19日にかけて法案が成立したアラバマ州で開かれている「ハングアウト・ミュージック・フェスティバル」に出演した。

SZAの「Love Galore」を歌ったトラビスは、今回の法案成立を受け自身でできる行動を示した。フェスの期間中、彼のグッズの売上金をすべて、人口妊娠中絶や避妊のための経口薬やインプラントの処方を行うNPO団体Planned Parenthoodに寄付することを発表した。

そしてファンに向けて「アラバマにいるすべての人と、俺たちは苦しみを共有している。みんなを愛してる。愛が俺たちの持てる最も強いものだって知ってほしいんだ」と語った

レディー・ガガやリアーナらも法案に反対の声をあげている

性的虐待や強姦被害を受けた女性から中絶する権利を奪いとる法案に対し、アメリカではセレブたちが次々と声をあげている。

自身も性被害に遭っていたことを告白しているレディー・ガガは、法案成立の翌日に「手術を行った医師たちに、大半の強姦犯よりも重い罰が科せられるということ?茶番だ」と強い憤りを示した。

#AlabamaAbortionBan#Alabama#AlabamaSenate#NoUterusNoOpinion#PlannedParenthood#ProChoice I love you Alabama prayers to all women and young girls here are my thoughts: pic.twitter.com/LqmVyV8qsA

— Lady Gaga (@ladygaga) May 15, 2019

アラバマ州で中絶が禁止されたことは非道な行為だ。レイプされた場合や、同意の有無に関わらず、近親相姦の被害も除外していることは、より悪質と言える。それに、これらの手術をした医師たちに、大半の強姦犯よりも重い罰が科せられるということ?茶番だ。この制度によって苦しむことになる、すべての女性や若い女の子たちのために祈る。(レディー・ガガ)

ハリウッド俳優のクリス・エヴァンスは、人工妊娠中絶を規制するアメリカ国内の法のほとんどを違憲無効とし、人工妊娠中絶合法化のきっかけとなった1973年「ロー対ウェイド事件」のアメリカ合衆国最高裁判所の判決を引き合いに出し、投票の重要性を訴えた。

This is absolutely unbelievable. If you’re not worried about roe v wade, you’re not paying attention. This is why voting matters!! https://t.co/gZ5lrj7tQ1

— Chris Evans (@ChrisEvans) May 15, 2019

これは本当に信じられない…。もしあなたがロー対ウェイド事件について心配がないというなら、この件についても注目していないだろう。だから投票するのは重要なことなんだ!!(クリス・エヴァンス)

ピアニストで歌手のジョン・レジェンドは州議会を「女性の生と性に関する決定権に全面的な戦争を仕掛けている」と批判。

These statehouses are waging all-out war on women and their right to control their reproductive decisions. This is awful. https://t.co/noOY2pEsqX

— John Legend (@johnlegend) May 15, 2019

州議会は、女性の生と性に関する決定権に対し、全面的な戦争を仕掛けている。これはひどい。(ジョン・レジェンド)

世界中のティーン世代に絶大な知名度を誇るリアーナも、公式Instagramで反応。

中絶法案に賛成を表明した25人の白人男性の共和党議員たちの写真を並べ、「州知事のケイ・アイヴィー…恥を知れ!」と強い口調で法案反対のコメントを寄せた。

見て。こいつらがアメリカの女性たちのための決定を下したバカどもだよ。州知事の ケイ・アイヴィー…恥を知れ!


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ファーウェイ製品、Androidのサポート中止か。Googleが検討中とロイター通信が報道

ファーウェイを事実上の貿易ブラックリストに加えた米大統領令を受けて、Googleが同社に対して自社サービスや技術サポートの提供および協力の停止を検討していると報じられています。

これによりファーウェイが中国国外で販売しているAndroid端末につき、今後はAndroid OSのアップデートやGoogle Playストア、Gmail、YouTubeアプリといったGoogle製アプリが利用できなくなり、同社のスマートフォンビジネスを大きく狂わせる可能性があります。
米Reutersの匿名情報筋によると、ファーウェイはオープンソース版のAndroidしか使用できなくなり、Googleが提供するアプリやサービスにアクセスできなくなるとのこと。Googleの広報担当者は詳細は明らかにせず「大統領令を遵守し、その影響を検討する」と述べるに留めています。

さらに情報筋によると、Googleは社内でどのサービスを停止するのか協議しているとのこと。米Engadgetは本報道につき同社に問い合わせ、しばらくGoogle Playストアやアプリのアップデートは引き続き行われるが、OSとセキュリティのアップデートは厳密に禁止されたことを確認しています。

中国国内ではもともとGoogle Playストアなどは提供されていないため影響は少ないと思われますが、中国国外では深刻な波紋が予想されます。ファーウェイはP30 Proなど優れた端末を販売してはいるものの、その機能やユーザビリティはGoogle提供のサービスやアプリストアに掛かっているところが大きいと言えます。

すでに流通・販売されているファーウェイ製のスマートフォンにどのような制限がおよび、また同社の新たな端末はOSやアプリ面でどういった対応をするのか、推移を見守りたいところです。

(2019年5月20日Engadget 日本版「GoogleがファーウェイAndroid端末へのアプリおよびサービス提供中止を検討か(Reuters報道)」に」より転載)

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