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元AV女優の大塚咲さん、出演作の販売停止を求めるも「壁」にぶち当たる。

大塚咲さん

元AV女優の大塚咲さんは2012年に引退して以来、写真家・アーティストとしての活動を続けている。

2017年に発売された自叙伝『よわむし』(双葉社)のなかで大塚さんは、15歳でレイプ被害に遭ったことを告白。性犯罪被害者は恐怖心を飛び越えようと、性の世界に飛び込むことがある。

大塚さんも性が怖いからこそ、荒療治のつもりで性の世界に自分の身を投じたという。

私はAV業界が嫌いではありません。たくさんの感謝もあるし、愛情もあります。現場に関わる人たちへの思いは、特にそうです(『よわむし』より)

こんな言葉で、AV業界への愛情と感謝の気持ちを述べていた大塚さん。

しかし今、AV女優の過去と決別しようとしている。アーティスト活動の継続のために、名前を変えようというのだ。一体、何が彼女をそうさせたのか。

 

思っていた以上に煩雑な手続き

「やっと私たちの肖像権が認められた。今までの奴隷のような状況から変わっていくんだと、販売停止は希望の持てる明るいニュースだと感じました。だからずっと前から、過去作品の販売停止申請をしようと考えていました。6月に個展を開く今が、そのタイミングだと思ったんです」 

大塚さんが販売停止の申し立てをしたのは、2017年10月にAV業界の改善を目指して発足した、AV人権倫理機構だ。

著作権侵害や無修正など違法な作品を監視するIPPA(NPO法人知的財産振興協会)などが会員になっている。

同機構は発売後5年が経過した作品を対象に、出演女優やその関係者から申請があった場合、作品の販売停止をメーカーに依頼している。2019年5月31日時点で259件・6339作品の申請があり、判断を経た211件中187件・5588作品の販売が停止された。

タレントの蒼井そらさんや、作家の森下くるみさんも元AV女優として申請し、過去作品の販売がストップした。

大塚さんも引退して7年経っていることから、申請さえすれば容易にネット上から作品を消せると思っていた。

しかしいざ着手してみたら、想像していたよりもはるかに煩雑だったと語る。

「動画配信サイトに大塚咲名義で約600作品がアップされていますが、すべての作品名を申請書に書かなくてはならないんです。しかもメールではなく、郵送での申し込みなのでプリントアウトしなくてはならなくて。また中には大塚咲から別の名前に変えられてしまった作品もあって、すべてを探すのが困難な状況です」

申請しても、すべてを販売停止できるわけではない

大塚さんは現在フリーランスで活動しているため、申請は自身で行わなくてはならない。そこでAV制作メーカーに勤務する友人に相談したところ、「申請しても100%消せるわけではない」と言われ、愕然としたそうだ。

「権利者が機構側に『これはまだ売れるから販売停止したくない。残したい』と言われたものやAV人権倫理機構の会員となっている団体に加盟していなかったり、潰れてしまったメーカーの作品は販売停止ができないと聞きました。私はもう引退しているのに、新作を装った作品やオムニバス作品が未だに自分の知らないところで発売されています。それがもし今年発売されたとしたら、申請まであと5年待たなくてはならない。この先いつまで、申請を続ければいいんでしょうね?」

販売申請の判断についてAV人権倫理機構事務局に問い合わせると、「停止の依頼があればメーカーに伝えてはいるものの、最終的にはメーカーなど、作品の権利を持つ者の判断」という答えが返ってきた。また2018年4月から加盟団体が使用しているAV出演契約書には撮影から5年6か月、販売から5年で停止申請ができることが盛り込まれているものの、それ以前の契約については期間が提示されていないケースが一般的だ。

また同機構の作品販売停止申請ページには、「当機構に賛同する枠組み内のAVメーカーやプロダクションを対象としております。それ以外のメーカーや無修正などのAV作品の場合、当機構では対応が出来ません」と記載されている。

2019年2月20日の「作品販売に関する報告会」席上でも、記者からネットでの動画拡散対策について質問された際に以下のように答えている。

「ネット内の問題は承知しているが、我々のスキームに参加しているメーカーを止めることができても、二次的にコピーされたものは何の権限もないと言うのが実態。どこかに映像が残るのを何とかしてほしいという話は聞いているけれど、それは我々の権限では今のところ能力的に無理」(河合幹雄理事)

「インターネットに拡散した動画は国家権力をしてもなかなかどうにもならないところがある。場合によっては著作権侵害という形で DMCA(デジタルミレニアム著作権法)で削除要求を送るなど、出来る範囲でやっていくしかない。画像が拡散してしまうとどうにもならない」(山口貴士理事)

つまり機構が発足する前に解散したり、加盟していないメーカーの作品は消すことが難しい。また個人がアップした動画や、まとめサイトなども手の施しようがないのが現状だ。

自分名義のアダルトグッズの「新作」が

大塚さんを悩ませているのは、過去の映像だけではない。かつて自身の写真をパッケージに冠したアダルトグッズを制作したことがあるが、そのメーカーが今年に入り、「新作」として大塚咲のアダルトグッズを発売したのだ。

SNSでそのことを知った大塚さんは全身の力が抜け、半泣き状態になったと語る。

「あまりにも好き勝手に私を利用していると思いました。グッズメーカーは『権利はこっちにある』と主張するかもしれませんが、一生こうしてAV女優時代を蒸し返されるのかと思うと、大塚咲でいることに疲れました。せめて事前に連絡をもらって、私が発売の判断ができればまだしも、そもそも何の連絡も来ていません。所属していたプロダクションはもう存在していない上に、これまで契約書を渡されることはありませんでしたが、このグッズに関しては無断で作られた二次使用商品です」

大塚さんが所属していたプロダクションは、2016年6月に当時の社長ら3人が20代女性にAV出演を強要したとして逮捕され、翌年解散している。

AVに出演する際に女性と交わされる応諾書には、撮影済みのテープやデータは二次使用権も含め制作者側が所有すること、女優側は著作権人格権および肖像権を行使しないことなどが明記されていることが多い。

しかしだからといって、引退した後もずっと商品化されて良いものなのか。AV女優には、忘れられる権利はないのか。

第二の人生を阻害する重大な人権侵害

マイノリティをはじめとする人権問題に取り組む、武蔵小杉合同法律事務所の神原元(かんばら・はじめ)弁護士は、大塚さんの置かれている状況を「重大な人権侵害」と話す。

「たとえ契約書に肖像権を行使しないとあっても本人の同意なく半永久的に裸の映像を見られてしまうのは、重大な人権侵害にあたる。プライバシー権をはじめ次の人生を送る権利が侵害されているのではないか。確かに作品に命はある。しかし生きている人間の権利を侵害してまで作品の命は守られなくてはならないものなのか、法規制がなされていないことも含めて大いに疑問がある」

しかしその人権侵害は、現在も堂々と行われている。映像やグッズ販売の利益は、大塚さんには一切還元されていない。ただ大塚さんはお金が欲しいのではなく、「大塚咲という存在を傷つけたくない」と言う。

「引退しても使うことを勝ち取ったこの名前には、自分自身だという思いと自分が作った作品だという思いの両方があって。でも大塚咲は人格がある作品だけど、今のようなことが続くなら過去と決別したい。もうこれ以上、誰かに汚されたくない。だから未来のために、私が私を捨てようと思っています」

AV人権倫理機構の会員で、出演強要問題を機にAV女優を守り、AV業界の改善を目的に設立された日本プロダクション協会は、2018年2月におこなわれた発足イベントでメディアに対し、以下のように書かれた資料を配布した。

一人の女性が、様々な理由やきっかけでAV女優となり、そしていつか卒業していくわけですが、卒業後にこの業界にいたことを笑顔で思い出し、良い経験だったと思ってもらえるような働く環境作りが私たちの使命だと思っています。

大塚さんがかつて所属した事務所は消滅しているので、同協会に加盟しているわけではない。しかしかつて同じ事務所に所属していた女優たちの多くが、同協会所属のプロダクションに所属している。決して、無関係とはいえないだろう。

AV業界に感謝と愛情を述べていた女性を、良い経験どころか笑顔を奪い「過去を捨てたい」と思うほど追い詰めたのは、一体誰たちなのか。現在女優活動を続ける女性を守るのは当たり前だが、引退した女性の第二の人生を毀損しない配慮も、AV関係者には求められている。

6/26〜7/9に東京・西麻布の清アートスペースで開催されている写真展「さようなら大塚咲」

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YOSHIKI、エリザベス女王にスカーフが直撃 微笑ましすぎるハプニングが激写される

イギリスのエリザベス女王と、ロックバンドX JAPANのYOSHIKIさんとの間に起こった”ハプニング”が話題になっている。

現地時間6月23日、YOSHIKIさんはイギリス・サリー州で行われたポロの試合に招待され、貴賓席で観戦した。

試合後、ショッキングピンクのコートや帽子に身を包んだエリザベス女王が階段を降りようとしたところ、YOSHIKIさんのスカーフが風になびき…

女王の右肩あたりをスカーフが直撃してしまった。

動画はこちら。

Actress Gillian Anderson, among the guests in the royal box at the polo, could not hide her shock as the end of Yoshiki’s scarf landed on the Queen’s shoulder. pic.twitter.com/NvzSlMIlDb

— Press Association (@PA) June 23, 2019

海外メディアは、YOSHIKIさんがあわててスカーフを戻す様子と、同席した女優のジリアン・アンダーソンの驚き顔を激写。ほほえましいハプニングとして報じた。

YOSHIKIさんはその後、TwitterとInstagramを更新。「ごめんなさい、突風が吹いてしまったんです。その後エリザベス女王と話しましたが、陛下は本当に優しかったです」とコメントした。

I’m so sorry it happened, but a gust of wind blew up. I talked to the Queen afterwards and Her Majesty was very sweet.

“Yoshiki’s scarf came into contact with the monarch during a gust of wind.”https://t.co/QxQMCutcyghttps://t.co/W6XLYAvHMy#QueenElizabeth#polo#yoshikipic.twitter.com/0pD27cvgcl

— Yoshiki (@YoshikiOfficial) June 25, 2019


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なでしこジャパン、オランダに1-2で敗れ8強ならず。後半終了間際のPKが決勝点に

後半の終了間際、PKからの悔しい失点が決勝点になった。

6月25日(日本時間26日)に開かれた、FIFA女子ワールドカップ・フランス大会決勝トーナメント1回戦で、日本はオランダに1-2で敗れた。

世界ランキングは、日本が7位でオランダは8位。日本の方が1つ上だが、2017年の欧州女子選手権で優勝したオランダは今大会の1次リーグを3連勝で勝ち上がっており、手強い相手と見られていた。

前半、同点で折り返す

前半17分に、オランダのマルテンス選手にコーナーキックからゴールを決められ0-1と先制された日本。

しかし前半終了間際の43分、長谷川選手のゴールで1−1の同点に追いついた。

ゴールを決めた長谷川選手同点ゴールをチームメートと喜ぶ日本チームを応援するサポーター

後半、終了間際のPKが決勝点に…

後半は日本がチャンスを作る場面が多かったが、ゴールを決められないまま後半43分、オランダのミーデマ選手が蹴ったシュートが熊谷選手の手に当たったとの判定で、オランダがペナルティーキックを獲得。

このペナルティーキックをマルテンス選手が決めて、オランダが1-2と勝ち越した。

PKを決めて喜ぶ、オランダの選手たち

その後、両チーム得点のないまま日本は1-2で敗退。2011年ワールドカップ以来の優勝を目指していた日本だったが、ベスト16で敗退した。

試合後のインタビューで、高倉麻子監督は「身体的な部分や技術的な部分、勝負強さがまだ足りなかった」と今大会で感じた課題を挙げつつ、「非常に残念だが、下を向くことなく来年に向かって立ち上がって行きたい」と来年の東京オリンピック、そして4年後のワールドカップに向けての抱負を語った。

フランスで悔し涙を流したなでしこジャパンのメンバーたち。しかしまたここから、次に向けて新たな闘いが始まる。

ボールを奪い合う、菅澤選手とスラフト選手試合を見つめる、高倉監督ゴールに向かってボールを蹴る、籾木選手ボールを持って走る、杉田選手試合に敗れ、たたずむ日本の選手たち落胆した表情を見せる岩渕選手芝生の上に座り込む、鮫島選手熊谷選手を抱きしめる、オランダのサンデン選手岩渕選手の肩を抱いて話しかける、オランダのミデマー選手試合後のフルーネン選手と横山選手試合後、ファンに向かって一礼する日本の選手たち


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ヨドバシカメラが転売対策で「日本人にしか売らない」という情報拡散 ⇒ 本社は否定

人気アニメ「エヴァンゲリオン」のグッズを巡り、ヨドバシカメラが転売防止のため「日本人にしか売らない」という対策を取ったという情報が6月25日、出回った。

ヨドバシの対応には「差別的だ」との声も寄せられたが、同社は誤りだと否定した。

ヨドバシカメラ マルチメディア京都

 ■転売対策に賛否の声

話題となった対策が行われたのは6月24日。「ヨドバシカメラ マルチメディア京都」で人気アニメ「エヴァンゲリオン」のフィギュア「METAL BUILD エヴァンゲリオン2号機」の予約が開始された時のことだった。

ヨドバシカメラには予約をしようと多くの人が押しかけたが、ヨドバシ側は転売目的の客にフィギュアを販売しないため、「商品名が言えること」「商品の画像をスマホで見せられる」ことを条件に予約を認め、できなかった客については、転売目的とみなして予約を受け付けなかった。

この対策をめぐって、ヨドバシ側が「転売防止で日本人にしか売らない」と発言したと紹介するツイートが拡散し、一部のネットユーザーから「ヨドバシよくやった」などと賞賛の声が上がった。一方で、日本語が十分に話せない外国人への差別だとして、非難するコメントもあった。

また、このことを伝えるニュースサイトの記事を転載したライブドアニュースは一時、『「転売防止のため日本人にしか売らない」京都ヨドバシの転売対策に称賛』という見出しを付けていた(その後修正)。

ライブドアニュースの画面(現在は修正)

 

■ヨドバシ「日本人にしか〜は誤報」

ハフポスト日本版がヨドバシカメラ本社に取材したところ、ヨドバシはこうした情報の一部は誤りだとして否定した。

ヨドバシによると、商品名や画像で転売目的かどうかを判断する対策は、実際に実施されたという。

しかし、実際には英語や中国語を話せる店員が外国人の予約客に対応し、それぞれの言語で商品名を伝えられれば予約可能だったとし、「日本人にしか売らない」という情報は誤りだったと否定した。

『「転売防止のため日本人にしか売らない」京都ヨドバシの転売対策に称賛』とした見出しは、外国人への販売を拒否したようにも読み取れる。これに対しヨドバシの広報担当者は「記事を読んでいただければ、誤りだとわかります」と話した。


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ドイツのトウモロコシ畑に巨大な穴が出現 ⇒ 第二次大戦中の不発弾が原因だった(画像集)

ドイツのアールバッハに出来た巨大な穴(6月24日撮影)

ドイツの田園地帯にあるトウモロコシ畑に突然、巨大な穴が空いた。

CNNによると、爆発が起きたのはドイツ中央部のヘッセン州にあるアールバッハという郊外の街。

現地時間6月24日の午前4時ごろ、人々が寝静まった時間に突如爆発は起きた。畑には空いた穴は、直径10メートル、深さ4メートルもあったと警察は報告している。幸いなことに負傷者はいなかった。

地元テレビ局のヘッセン放送協会によると、専門家が2日間に渡って調査したところ、第二次大戦中の不発弾が爆発したことが「ほぼ確実」となったという。不発弾の重さは約250キロとみられ、起爆装置が長年地中に埋まっていたことで化学変化して爆発したようだ。

ヘッセン放送協会に対して、近隣のリンブルフ市の広報担当者は「この周辺には以前、列車の車庫があったことから、第二次大戦の終わりごろに爆撃の標的になっていた」と説明している。 

■毎年2000トン以上の不発弾がドイツの地中から発見

スミソニアン協会の調査によると、第二次大戦中に連合軍がドイツに投下した爆弾は135万トン近くに及び、そのうち1割は不発弾だった。70年以上経った現在でも、毎年2000トン以上の不発弾がドイツの地中から発見されているという。

ドイツのアールバッハに出来た巨大な穴(6月24日撮影)ドイツのアールバッハに出来た巨大な穴(6月24日撮影)ドイツのアールバッハに出来た巨大な穴(6月24日撮影)


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自民党本部が国会議員に配った謎の冊子が波紋。「演説や説明会用に渡された」と議員事務所

6月中旬、自民党に所属する国会議員のところに、次々と謎の本が何冊も送られてきた。

『フェイク情報が蝕むニッポン トンデモ野党とメディアの非常識』という冊子だ。

国会議員の元に届いた冊子

 表沙汰になったのは、自民党の小野田紀美・参院議員(岡山県選挙区)のTwitterからだった。

小野田議員は6月11日、冊子の写真とともに「頂きました。後で読もう」とコメントを投稿していた。

頂きました。後で読もう。 pic.twitter.com/WcVa6qcRLj

— 小野田紀美【自民党 参議院議員(岡山県選挙区)】 (@onoda_kimi) June 11, 2019

 冊子の内容は?

冊子は、「トンデモ野党のご乱心」「フェイクこそが本流のメディア」「安倍政権の真実は?」の3章で分けられている。

第1章は26記事、第2章は14記事、第3章は26記事あり、メモをするページを含めて142ページ。

ざっくり言えば、野党とメディアバッシング、そして自民党というよりも安倍政権の称賛という内容になっており、安倍政権への批判を認めないような内容になっている。

第1章では、立憲民主党や国民民主党に対して「あまりにもさもしい政党」と称して、野党のバッシングを繰り返した。

安倍政権の経済施策「アベノミクス」について、厚生労働省の毎月勤労統計調査の不適切処理によってその効果が偽装されていると野党が批判したことに対しても、次のように解説している。

「不適切処理があったことは事実であっても、この間のアベノミクスの効果は疑う余地はありません」

「もし、野党がアベノミクスの効果に疑念を抱かせるような指摘をするのなら、それはフェイクニュースでしかないのです」

「『統計』『統計』と声を張り上げる野党議員は、職務を放棄しているに等しい」

野党各党の党首については、それぞれの党について書かれたページに似顔絵らしきイラストを掲載。ヨダレを垂らして呆けたような顔つきだったり、犬であったり、目の下を黒くして悪どい表情になったりしている。 

野党各党の説明についていた挿絵。各党の代表とみられる似顔絵がある。

 立憲民主党の枝野幸男代表については「革マル派に近いといわれてます」と書かれており、社民党については「間違いなくオワコン」、共産党に対しては「壮大な虚偽」などと記している。

一方で、安倍晋三首相や安倍内閣について書かれた第3章では、『「10年先、20年先」を見据える政治力』という記事に次のような安倍首相らしき似顔絵がついている。 

安倍晋三首相について『「10年先、20年先」を見据える政治力』とした記事についている安倍首相らしきイラスト

 安倍首相については、「今、社会を変えることができるのは現政権だけ」「安倍首相に代わる政治家がいるとは思えないのは事実」などと礼賛。

ブルームバーグが6月25日、トランプ大統領が「日米同盟破棄の可能性を側近に示唆」というニュースを報じたが、冊子では「安倍首相は今やトランプ大統領をはじめとする海外の首脳からも頼りにされる存在」「安倍内閣は、極めて危機管理に長けています」と書かれていた。

第2章では、メディアに対し特に朝日新聞や毎日新聞について「批判というより、もはや難癖レベルといわざるを得ない」とし、この2紙のほか、東京新聞や沖縄タイムス、琉球新報の社説に「視野狭窄」「言葉遊び」「もはや地元メディアとすらいえません」などと非難、「トンデモ新聞」などと揶揄していた。

ただ、リベラル系ではなく、政権に近い論調の読売新聞や産経新聞についての非難は書かれていなかった。 

この冊子には掲載しなかったものの、もとになった「terrace PRESS」というサイトには、自民党であっても2018年秋の総裁選で安倍晋三首相の対抗馬となった石破茂衆院議員について「それにしても空疎な石破氏の経済政策」「がっかりした石破氏のキャッチフレーズ」などと否定的な論調を展開していた。

冊子「演説や説明会の参考資料に」と説明

同じような時期に、自民党に所属する国会議員の事務所には、小野田議員だけでなく次々と同様の冊子が届けられていた。

事務所によって冊数は異なり、10冊程度の人もいれば20数冊送られてきた議員もいた。

説明についても、事務所ごとに党本部からあったりなかったりした。

いきなり自民党本部から茶色い紙に包まれて議員会館の事務所に送られてきた議員のなかには、「説明もなく突然届いていたため、どこかに埋もれてしまって開いてもいない」という人もいた。

しかし、中部地方のある県では、7月の参院選を前に県選出の国会議員の秘書が集まる会で、党本部から「参院選に向けた演説や、地元の説明会で話す参考にするように」と説明を受けたうえで、衆参の国会議員とその選挙区の分としてこの冊子が20冊ほど配られたことがハフポスト日本版の取材で分かった。

議員の事務所へ冊子と共につけられた紙には、6月11日付けで「書類の送付について」という題名で次のような説明もあった。

この度『フェイク情報が蝕むニッポン トンデモ野党とメディアの非常識』がインターネットメディア『テラスプレス』から発行されました。

近年、野党や一部メディアで誤った情報を発信することが度々見受けられます。同書はこうした認識をただし、報道では語られていない真実を伝える内容となっています。

つきましては、同書籍を〇〇部送付いたしますので、関係者と共有し、参院選に向けた演説用資料としてご活用ください。

自民党本部に掲げられた画家の天野喜孝氏が「新時代の幕開け」をテーマに描いた広告ポスター=6月4日、東京・永田町

 自民党本部は、ハフポスト日本版の取材に対し、党本部から国会議員へ送付したことを認めたうえで、次のように話した。

「自民党本部からは、様々な資料をお送りしており、こちらもその一環です。特に参院選のためというわけではなく、ご参考になるものとしてお送りしました」

どのような観点で参考になるかならないかを判断しているかについては「執行部や議員の方から『これは良いんじゃないか』と推薦をいただくものなどを参考資料として送るなどしている。他に各部が判断して送る場合もある」と説明した。

 ただ、今回の冊子については「常に様々な資料をお送りしているので特別な意味はない、お読みくださいということです」と語った。

冊子の入手経路については「流通経路に乗っていない冊子ですが、詳細は担当者がいないため分かりません」としている。

テラスプレスの関係については、次のように書面で回答した。

インターネットメディア「テラスプレス」は、1年ほど前から、すでに広く一般にネット上で閲覧されており、そのときどきの時局テーマについて、わかりやすく具体的に数字を示しながらネット上で解説し、他の大手新聞の社説やコラムのように説得力のある内容であることから、これらの記事をまとめた冊子があるということで、通常の政治活動の一環として、参考資料として配布したものであり、テラスプレスの運営等には関与しておりません。

これまでも、通常の政治活動の一環として、国会議員の活動に資する本があれば、参考資料として本を配ることは行っており、今回が特別ということではありません。

 発行元の人物も不明、同名のサイトは検索にかからず広告もなし

自民党が「広くネット上で閲覧されている」としていた「terrace PRESS」だが、「SimilarTech Prospecting」を使って月間の訪問者数を調べても、数字が小さすぎるため「NO DATA AVAILABLE」(データはありません)となってしまう。

例えば、広くネット上で閲覧されている自民党の公式サイトであれば次のように出ている。

SimilarTech Prospectingを使うと自民党公式サイトの閲覧数や、どのようなルートで流入してきたかが分かる。月々31万人が訪れているとある。

閲覧数が限られている理由は簡単だ。「terrace PRESS」のページソースを確認すると、検索エンジンに引っかからないようになっているからだ。

この ページには<meta name=‘robots’ content=‘noindex,follow’ />というタグがある。これは、検索結果での表示はさせないが、リンクをたどって表示することはできるという意味のタグだ。

検索しても、検索結果に表示されないようにしていることが分かる

検索できず、一部の人しか知らないURLを打ち込まないと閲覧できないサイトをどう知ったのかについては、自民党本部から明確な回答は得られなかった。

冊子には発行元の社名や人物名などはなく、サイトの管理者についても書かれていない。

自民党議員からも疑問の声「ひいきの引き倒し。著しく品位に欠ける」

この冊子の内容については、自民党の国会議員からも疑問の声が上がっている。

武井俊輔衆院議員(宮崎1区)は自身のTwitterで届いた冊子について「ひいきの引き倒しもいいところです。しかも10冊余りも。 扱いに困ります」と投稿した。

アフリカ出張のあいだに妙な本が届いていました。数ページ読みましたが、とても活用できるようなものではありません。わが党を応援する意図をお持ちなのかもしれませんが、ひいきの引き倒しもいいところです。しかも10冊余りも。
扱いに困ります。 pic.twitter.com/40tghOcArj

— 武井俊輔(自民党 宏池会) (@syunsuke_takei) June 18, 2019

武井議員に、この冊子が事務所に送られてきた経緯を聞くと「突然、事務所に送られていた。自民党本部から送られてきたものであるのかすら疑問に思った」と振り返った。

実際の冊子を手に取りながら、野党の党首の似顔絵と思われる数枚の絵を示し「このように相手を揶揄し、対立を煽ることからは何も生まれない。極めて“生産性”がない行為ではないでしょうか。政治が負の感情や劣情を煽るようなことをしてはならず、著しく品位に欠ける」と憤った。

 冊子は送られてきたものの、党本部から説明もなかったという。だが、冊子には住所や編集者も書かれていない。「もし連絡先が分かれば、すぐにでも返本したいと思います」と語った。

冊子には、野党の政策を非難し党首らしき人がよだれを流したり、犬のように描かれていたりする。一方で自民党の政策に対しては手放しで褒めちぎる文章が並ぶ。

武井議員は「日本国内には、野党を支持する方もいます。全員が全員、自民党支持者なわけがない。それを忘れてはいけない。与党として政権運営をするのであれば謙虚に受け止め、できるだけ様々な人に届く政策を考えることが保守の役割ではないでしょうか」と話した。

冊子について「活用したい人もいるのかもしれないが、ひどい中身。この内容を活用するなど、まっとうな保守がやることではないでしょう。どういう経緯でこれが配られたのかも全く分からない、怪文書に等しいものです」と受け止めを語った。

その上で、「今の社会には、Twitterでもインターネットでもこうした内容を根拠なく喜ぶ人も一部いる。でも結果としてこうしたひいきの引き倒しをしたところで、自分の首を絞めるだけです。これを見て自由民主党がすばらしい!などと言われるより、むしろ品位を問う声が上がるのではないでしょうか」とため息を吐いた。


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ヒーローショーの“お姉さん”がセクハラ被害を告発 ⇒ 東映が調査

特撮ヒーローショー準専用劇場「シアターGロッソ」

東京ドームシティ(東京都文京区)の特撮ヒーローショーが行われる劇場「シアターGロッソ」で、ショーの“お姉さん”を務めていた中山愛理さんがハラスメントを告発したTwitterの投稿が波紋を広げている。

中山さんは6月23日、Twitterを更新し、シアターGロッソの“お姉さん”を卒業したことを発表。さらに「続きの文があります。 少し長いですが、読んでくださったら嬉しいです」と前置きしたうえで、仕事中のセクハラやパワハラを告発する投稿を7つ連投した。

「シアターGロッソ」は特撮ヒーローショーの聖地。“お姉さん”は、観客の子どもたちと舞台上の橋渡しをする存在だ。“お姉さん”のMCが子どもたちをショーのストーリーに引き込み、ヒーローたちがピンチになると“お姉さん”の掛け声でエールを送る。

中山さんは、相手の名前を伏せた上で“お姉さん“として働いていた約1年間のセクハラ被害を告発。挨拶の無視や握手会の妨害、男性器のあだ名をつけて呼ばれるなどの「度重なる嫌がらせ」があったと訴えている。「すれ違い様にお尻を揉む、避けられない空間での卑猥な質問や直接的に胸を触る」などのセクハラもあったという。

受け流しながら耐えていたが、「それも不愉快だったのかゴールデンウィーク明けに『力不足なのでもう来なくていいです』と言われてそれっきりです」と卒業理由を明かした。

さらに「会社からは、余計なことを言ったらもうお前に仕事を振らないぞ、と強く言われていました」と告発。

「お客様のおかげでお仕事は楽しかったけれど、胸を張って子供たちの前に立つには、少し辛かったのも事実です」と胸のうちを綴り、「平成も終わり令和の時代を生きる子供たちには、前時代的なハラスメントに苦しめられることなく、自らの権利を害されることなく生きて欲しいと思います。そんなヒーローに出会って欲しいと思います」と訴えた。

弱きを助け、悪を倒すヒーローショー。子どもたちに夢を売るステージの舞台裏での「#MeToo」に、SNSでは驚きと賞賛が広がった。

投稿を受け、運営会社の東映は24日に公式サイトで「事実であれば誠に遺憾であり、現在、調査・確認に着手させていただいております」とコメントを発表した

確認結果についても「あらためてお知らせする予定」という。


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「アメトーーク!」「ロンハー」今週分の放送決定。宮迫博之と田村亮の出演部分は「再編集」

宮迫博之(左)と田村亮

テレビ朝日は6月25日、今週の「アメトーーク!」と「ロンドンハーツ」について、放送することを決定した。同日午後、ハフポストの取材に答えた。

吉本興業が24日に、宮迫博之や田村亮ら芸人11人を反社会的勢力主催の会合に参加し金銭を受け取ったとして謹慎処分にしたことを受け、テレビ朝日は当該芸人が司会を務める同局の番組「アメトーーク!」と「ロンドンハーツ」の今後について検討していた

謹慎処分を受けた「雨上がり決死隊」の宮迫が「アメトーーク!」で、同じく処分を受けた「ロンドンブーツ1号2号」の田村亮が「ロンドンハーツ」で、それぞれ相方と共に司会を務めている。

テレビ朝日広報部によると、今週の放送分はすでに収録をしていたため、「出演部分についてできる限り配慮し再編集して放送」するという。

宮迫と田村亮の映っているシーンをできる限りカットすることを明らかにした。

編集を加えた上で、「ロンドンハーツ」は25日、「アメトーーク!」は27日に放送される。

あと何回の放送分の収録を終えているかについては、「制作過程につきましては従来お答えしておりません」とし、明らかにしなかった。

■「アメトーーク!」「ロンハー」 の今後は?

「アメトーーク!」と「ロンドンハーツ」は吉本興業をはじめとした芸人らが多く出演する人気番組。番組の今後に注目が集まっている

テレビ朝日広報部は「今後の収録につきましては当該出演者の出演を見合わせた上で、対応を検討しております」と説明している。


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遠い場所で起きていることを、「私」の問題に。安田菜津紀さんが写真を撮る理由。

スマートフォンを使えば誰でも瞬時に写真が撮れる時代。SNSには、マスコミよりも早く「一次情報」が駆け巡るようになった。そんな時代に、プロとして現場を撮影し報道するということはどういうことなのか? 

ハフポスト日本版のネット番組「ハフトーク(NewsX)」に、報道番組『サンデーモーニング』のコメンテーターなどとしても知られるフォトジャーナリストの安田菜津紀さんが出演。

写真を通して、世界で起きている様々な社会問題について発信を続ける安田さんとともに、伝えることの難しさと希望について話し合ってみた。

安田菜津紀さん

遠い場所で起きている問題が、「私」と「あなた」の問題になった日

安田さんが世界で起きている社会問題に興味を持つようになったのは、高校2年生の夏休み。NGO法人「国境なき子どもたち」が主催する海外派遣プログラムに参加したことがきっかけだ。

日本の11~16歳の子どもたちを対象とした“友情レポーター”と呼ばれるこのプログラムでは、アジアの国々に暮らす同世代の子どもたちを取材し、交流する。

「もともと海外で起きている問題に大きな興味があったわけではなかった」と話す安田さんだが、参加の背景には、身近な家族の死があった。

《中学校2年生の時、父が亡くなり、翌年には兄が亡くなりました。その出来事が自分の中ですごく大きくて、そこから“家族って何だろう”と考えるようになりました。

そんな時に海外派遣プログラムの存在を知ったんです。自分と全く違う環境で生きている同世代の人たちは、何を考えて生きているのか。家族というものをどう考えているのか。色々な人たちの価値観を知ることで、自分の中の家族に対するモヤモヤが晴れるのではないかと思って参加を決めました。》

高校時代の安田菜津紀さん

 安田さんが訪れたのは人身売買で被害に遭った経験を持つカンボジアの子どもたちだ。

貧困家庭に生まれて、半ば騙されるような形で労働者としてお金で売られ、虐待を受けながら働かされている自分と同世代の子どもたちーー。

《これまで何となく遠い国で起きていると思っていた問題が、目の前にいる“あなた”の問題になった。“あなた”と“私”の関係が芽生えた瞬間、世界で起きている問題との距離が一気に近くなりました。》

《でも、まだ高校生だったので、出会ったみんなにお腹いっぱい食べさせてあげるだけの資金力はありませし、怪我をしている人たちを治療する技術もありません。けれども、五感で感じてきたものを少しでも多くの人たちとシェアすることだったら、自分にもできるかもしれないと思ったんです。一人で悶々と抱え込んでいるよりは、「世界にはこういう問題があります。どう思いますか?」とたくさんの人に問いかけてみることで、良いアイデアが出るんじゃないかと。》 

文章や映像ではなく、なぜ「写真」なのか

帰国後、自分が見聞きしたものを他の人に“伝える”ということに興味を持ち始めた安田さん。「師匠であり兄貴」と慕うフォトジャーナリスト・渋谷敦志さんとの出会いをきっかけに、写真の道を選ぶようになる。以来、シリアをはじめとする中東地域やアフリカ、東南アジアを中心に貧困問題や難民問題、紛争取材などを続け、現在に至る。

文章でもない、映像でもない、「写真」という手法について安田さんは「興味の“扉”のような存在」と語る。

《例えば本や映画などは、最初からある程度内容に興味があるから見ようと思いますよね。でも写真は、何気なく開いた雑誌の中で、街中の看板で、もっと何気なく出会うもの。ぱちっというまばたきひとつの瞬間に「あれ?これは何だろう?」と興味が生まれる。その興味の一番はじめの扉を開いてくれるのが写真だと考えています。それ以上の情報を知りたくなった時にはもっと情報量の多い、映像なりテキストなりが必要になってくるでしょう。でも、最初の興味を0から1にする。それが写真の強みであり役割ではないか、と私は常に意識しています。》

興味の“扉”———。

それを開いた人たちは、自分なりのアプローチで問題意識を深めていく。

《写真を見て問題意識を持ち、すぐに行動できることはもちろん素晴らしいです。でもすぐに行動に繋がらなくても写真は見た人の心の中に“種”として残ります。その“種”を育てるペースは、自分自身のペースで良いのではないでしょうか。“伝える”ということは、実はとてもロングスパンなことなのだと思います。》

安田さんの元には、中高生時代に安田さんの講演を聞いた子たちが、大人になってから、「あの時に話を聞いたことがきっかけで…」と、それぞれの進路などを報告しに来るという。中高生時代にできた心の中の“種”を、それぞれのペースで育て、花を開かせているのだ。

安田菜津紀さん

 「違う」部分でなく「同じ」部分を見せたい。

人の興味の最初の“扉”となる可能性を秘める写真表現において、安田さんが心がけているのが、違いではなく共通点に光をあてることだという。

《私が取材を続けてきたシリアやイラクなどは、特に悲惨な場面が切り取られがちです。もともと紛争地域に興味のある人にとっては、「もっと知らなきゃ」という気持ちになりますが、何も知らない人にとっては「怖い」という気持ちを与えてしまい、人を遠ざけてしまいます。

だから私は、なるべく日常感のある写真や内戦前の綺麗な町並みの写真を見せることで、見る人の共感を呼び起こしたい、と考えています。悲惨な地域に住む彼らは「私たちとは違う存在」と捉えられがち。でも、「何が私たちと同じなのか」に目を向けてほしい。共通点を伝えることで、自分の日常とシリアやイラクが繋がる瞬間がある。違いよりも、共感のピースを拾い集めることが大事だと思っています。》

内戦前のシリア

希望を持てない側の人々に、伝え手は何ができるのか。

一方で、写真表現には、一瞬を切り取るダイナミズムゆえの難しさもある。

安田さんは、東日本大震災の被災地となった岩手県・陸前高田市で撮影した「奇跡の一本松」の写真を紹介しながら、フォトジャーナリズムの難しさを語る。

《震災当時、義理の両親が陸前高田に住んでいた関係で、震災後に何度も現地に訪れ写真を撮る機会を持ちました。そこで出会ったのがこの松です。元々7万本もの松が生えていた「高田松原」で、たった一本だけ、波に耐え抜いたこの松を見た時、私は「すごい…」と感じ、夢中でシャッターを切りました。》 

しかし、安田さんが撮った写真を見た義父からは、思いもよらぬ言葉がかけられた。

「確かに、震災前の7万本と一緒に暮らしてこなかった人にとっては、希望の象徴に見えるかもしれない。けれど7万本と毎日毎日一緒に暮らしてきた自分にとっては、波の威力を象徴する以外のなにものでもない。自分にとっては辛いものだし、できれば見たくなかった」。

義父の言葉は被災地の人々の本音を「代表」するものではないが、と前置きし安田さんはこう続ける。 

《(この松が「奇跡の一本松」と呼ばれたように)希望を謳う声がメディアを通じてどんどん大きくなっていく時があります。でもその裏で、希望を持てないから自分はダメなんだと感じてしまう人もいるかもしれない。

伝える仕事というのはもしかすると、元々大きな声をさらに大きくするのではなく、ともすれば置き去りになりそうな人たちの声に軸足を置くことなんじゃないか。この件をきっかけに、私はジャーナリストとしてどういう役割を果たしていくべきか、改めて考えました。これって誰のための希望? と常に考えなくてはいけませんよね。》

写真に限らず報道に携わる人たちは「思考停止に陥らず、取材を通して何を伝えたいかを考え続けなくてはならないのでは」と、安田さんは問題提起する。

《例えば過激派組織「イスラム国」について報じる時。もちろん非道な行為は容認できないとして、彼らを自分たちとは全く違う“異常な”集団として切り離して報じてしまうと、思考停止に陥ってしまいます。そうではなく、なぜ彼らはそうなったのか?なぜ食い止めることができなかったのか?自分たちが彼らにならなかった可能性は本当にゼロだろうか?常に考えることを止めないことが大事だと思うんです。

世界で起きていることは、0か100かでは語れない。その間のグラデーションを直視していくことが、報道する側には求められていると感じています。》

シリア取材中の安田菜津紀さん

安田さんは、これまでに撮ってきた写真をまとめた本を出版している。『写真で伝える仕事ー世界の子どもたちと向き合ってー』では、フォトジャーナリストを志した理由や世界各国でどういう取材をしてきたのかをまとめた。『君とまた、あの場所へ:シリア難民の明日』は、隣国のヨルダンに逃れたシリア難民の人々の“悲しみ”に寄り添うルポルタージュだ。

誰でも写真が撮れて誰でも発信できる時代だからこそ、「何を撮るのか」ではなくその先の「何を伝えたいのか」を深く考えたい。目に見えない思いやメッセージ。より本質的なものが求められているのではないか。
【文:湯浅裕子 @hirokoyuasa/ 編集:南 麻理江 @scmariesc


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テレビ朝日「アメトーーク!」「ロンハー」について「対応を慎重に検討」 吉本芸人”闇営業問題”で

宮迫博之(左)と田村亮

吉本興業が宮迫博之や田村亮ら芸人11人を6月24日に謹慎処分にしたことを受け、当該芸人が司会を務めるテレビ朝日の人気番組「アメトーーク!」「ロンドンハーツ」の今後に注目が集まっている

テレビ朝日広報部は同日夜時点で、ハフポストの取材に対し「収録済みの番組につきましては、対応を慎重に検討しております」と回答した。

通常だと次回の「ロンドンハーツ」は6月25日、「アメトーーク!」は6月27日の放送予定だが、両日の対応は決定していないことを明らかにした。

「アメトーーク!」は「雨上がり決死隊」の宮迫と蛍原徹が、「ロンドンハーツ」は「ロンドンブーツ1号2号」の田村亮と田村淳が司会を務める。

いずれも吉本興業をはじめとした芸人らが多く出演する大人気番組だ。

しかし、反社会的勢力主催の会合に参加し金銭を受け取ったとして吉本興業が謹慎処分にした11人の中に、宮迫と田村亮が含まれていた。

テレビ朝日はまた、吉本興業の発表を受け「当該出演者に関しましては、今後の出演を見合わせることにいたします」とも説明している。


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