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親が行きたいところに行くのがベスト。 僕がオススメする、子連れお出かけスポット3選

週末どこに行こう?と悩んでいるパパたちへ

週末、子どもを外に連れ出すのは俺の仕事、というパパも多いでしょう。小さいときは、いいんです。2歳ごろまでは公園に連れて行けば、何とかなる。近所にある公園のいくつかをローテーションで回して…。

でも、これでは飽きてくる。子どもは毎回公園に行っても楽しそうにしているのですが、親であるこっちが飽きてくる。じゃあ3歳ぐらいになって多少手もかからなくなったからと、近所のショッピングモールにでも行くようになり…それでも、何度も行き倒して飽きてくる、親がね。

そうなってくると、もう「行くところがない!」となるわけです。何か近所で楽しいことはないかとスマホで必死に検索し、週末になると「どこ行きゃいいんだ」と憂うつに。

そんなパパにオススメしたいのが、『パパ〝が〟楽しい 意外すぎるお出かけスポット3選』です。我が家には4歳になる男の子がいるのですが、生まれてこのかた週末のお出かけ担当大臣は僕。4年間ともなれば、そりゃあ「対週末」との闘いの日々でした。子どもを連れて行くところなんて、そんなにないんですから、毎週末どこに出かけようかと場所探しには苦心してきました。そんななか僕が編み出した、子どもはもとよりパパも充分に楽しめるスポットをプレゼンしたいと思います!

 

 ①住宅展示場

 まずオススメしたいのが、住宅展示場です。「住宅展示場!? はあっ?」わかります、わかります。でも実は住宅展示場では、頻繁にヒーローショーが行われているのです。歴代の仮面ライダーや戦隊モノのショーが、タダで観れちゃうんですよ。

ウチの4歳児くんもご多分に漏れず、仮面ライダー・ジオウやリュウソウジャーにどハマり。東京ドームシティで行われているヒーローショーに連れて行ったのですが、ふたりで3千円以上かかります。「後楽園遊園地でぼくと握手!」とヒーローは言いますが、実際の握手会は500円かかりますし、ツーショット撮影は1050円もします。

子どもはたいそう喜びましたが、毎週となるときつい。それが住宅展示場でのショーとなるとそれ自体がタダで、しかも握手もタダ。子どもも大喜びだし、こちらのお財布も助かる。こんなwin-winなことはありません。

「じゃあ、どこでやってるんだ」となりますが、便利なサイトがあるんですよ。【キャラクターショー】で検索するとトップに出てくる『キャラクターショー&イベントまとめ カレンダー一覧』というサイトです。このサイトは全国版ですから、「近所のどこそこにジオウがやって来る」と一発でわかるすぐれもの。で、ここまできて「いや、ウチは女の子だし…」というパパに朗報です!『キャラクターショー』と謳うだけあって、プリキュアも網羅。その他、もうちょい小さな子向けのアンパンマンやトーマス情報もあるので超便利です。

おかげで僕も子どもと、今年に入ってから5回ほど都内各地のヒーローショーを楽しみました。しかもショーの構成もよくできていて、大人も楽しい。というか内容を把握できるぶん、大人のほうが楽しい。あるときの仮面ライダーショーなんて、悪者の設定が「悪のユーチューバー」でしたから、恐るべしです。

 

②公営屋内プール

 

もうそろそろ、季節は夏。夏といえば、プール。僕も夏になれば、近所の公営屋外プールに行き倒していました。でも真夏ともなれば35度以上の猛暑となります。これが屋外プールですと、遊びに行ってるんだか、熱中症にかかりに行ってるんだかわからなくなります。

そこで公営の屋内プールです。屋内ですからあの恐ろしい日差しも関係なく、快適な水遊びが楽しめます。また夏休み中の週末など、屋外プールはどこも芋洗い状態。その点、屋内プールは、水中ウォーキングにいそしむ年配の方くらいしかいません。真夏にわざわざ屋内プールに来る人も少なく、ガラッガラだったりします。僕がよく行く区営の屋内プールは、流れるプールにジャグジー風呂付きの豪華な施設。それが大人2時間400円、子どもは未就学児なのでタダ。

屋内プールは全国どの市区町村にもあるはずなので、調べればすぐに出てくるでしょう。真冬に行く屋内プールもオツなもので、オールシーズン楽しめます。

 

③銭湯

 僕は週5で子どもと一緒に行くほどの“ハード・フロワー”なのですが、銭湯は意外とオススメです。夕方、銭湯に出かけひとっ風呂浴びて、そのまま町中華へ。子どもはラーメン、パパは餃子でビールを一杯、なんてかなりのゴールデンルートです。

しかも夕食を外で済ますので、ママの手も空きます。また銭湯ではかけ湯をしてから湯船に入る、走らない・騒がない、といった「家を出れば、その場その場のルールがある」ということを学べます。また、こちらもいるのは年配の方ばかりですから、小さい子を連れていけばかなりの確率でかまってもらえます。そういった今の時代ではなかなか難しくなった、「知らない大人とのコミュニケーション」を重ねることもできるのです。

 せっかくの週末、子どもとの大切な時間ですから「行くところがない」という理由で足が重くなってしまうのは、とてももったいないこと。今回いろいろオススメしましたが、僕は基本、親が「自分が行きたいところ」に行くのがベストだと思います。僕はギャンブルはしませんが、比較的近くにあるという理由で、大井競馬場や平和島ボートにも連れていったことがあります。子連れで行くには称賛されるような場所じゃないかもしれません。眉をひそめる親御さんもいるでしょう。

でも、人生賭けて勝負を張ってるオッサンの横でも、子どもは「おうまさん!」「おふね!」と楽しんでいました。もちろんさまざまな配慮は必要ですが、好きなところに子どもを連れていけばいい。一番よくないのは、「こどものためにやってあげてるんだ」という意識。責任感や義務感だけで連れて行っても、きっと子どもに伝わってしまいます。それでは子どもも楽しくないはずです。

無理や我慢は、長続きしません。毎週のことだからこそ、親が楽しめる場所に行きましょう!

 

■村橋ゴローの育児連載

第1回 妻はきっと知らない。ボクが家事・育児の“ワンオペ夫“を14年続けられる理由。

第2回 不妊治療の末に授かった赤ちゃん。出ないおっぱい。ボクたちが経験した「産後うつ」

第3回 「この子捨てていい?」――地獄のような「産後うつ」乗り越え、ふたりで涙した夜

第4回 【週5で銭湯】子どもに社会を知ってもらう「湯育」(とういく)のススメ

第5回 結婚のきっかけは「あなたの子どもが産みたい」。借金地獄を救ってくれた妻のために、ボクができること

第6回 男の子がピンクを選んだっていい。4歳の息子が感じた「性別と色」の世界

第7回 「子育てやめます」妻に宛てた一通の手紙。ボクはあの時、育児うつになっていた

第8回 親にとって最高の「ぷじぇれんと」 言い間違いは、子どもが成長している証だ

第9回  42歳おっさんの「孤育て」 平日の昼間、公園にいたらヘンですか?

第10回 「ちゅんちゅんこわい」気弱な息子と動物園に出かけたら……?

第11回 保育園で“バズ“ったら、何が起きる? ワンオペパパが見た、園児が過ごす大人の世界

第12回 お友だちに怪我をさせられて、傷ついた息子の心。我が子をどうやって守るのか?

第13回 小さな彼氏を見るように息子を見る妻。「じゃあオレは?」といじける僕。きっと愛は努力なんだ!

 

親も、子どもも、ひとりの人間。

100人いたら100通りの子育てがあり、正解はありません。

初めての子育てで不安。子どもの教育はどうしよう。

つい眉間にしわを寄せながら、慌ただしく世話してしまう。

そんな声もよく聞こえてきます。

親が安心して子育てできて、子どもの時間を大切にする地域や社会にーー。

ハッシュタグ #子どものじかん で、みなさんの声を聞かせてください。

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小さな彼氏を見るように息子を見る妻。「じゃあオレは?」といじける僕。きっと愛は努力なんだ!

母親と息子のイメージ写真

「あなたはママの宝物」というのが口癖の妻

「子は鎹(かすがい)」という言葉があります。大辞林によると、

① 【2本の材木をつなぎとめるための両端の曲がった大釘】、

② 【2つのものをつなぎとめる役をするもの。「子は――」】。

つまり、子どもは夫婦の仲をつなぎとめるものだと。しかし、子はかすがいっていうけれど……夫婦間の心のすき間を子どもで埋めていませんか? と思うことがしばしばあります。

夫婦仲は悪くはないけれど、恋愛していたときのようなときめきはもう感じない。会話はもちろんあるけれど、その内容の大半は子どものこと。

たしかに、子育て中、しかも子どもがまだ小さなうちは、夫婦の時間などなかなかつくれないのもわかります。実際、僕ら夫婦も4歳になる男の子を子育て中。どうしたって、生活のすべてが子ども中心になってしまいます。

でも、ふと思うんです。妻は子どもと触れ合うとき、とても満たされたような、見たことはないけどまるでマリア様のような柔らかな表情になります。それを見るにつけ「ああ、恋愛してたときは、あんな表情をオレに向けてくれてたよな」と思ってしまうのです。

「あなたはママの宝物」、妻は口癖のように子どもに発するのですが、それを聞くたび「じゃあオレは?」と心のなかでいじけてしまうのです。「子どもは別だろ」とわかっちゃいるのですが、いじけてしまう自分がいるんです(笑)。

妻が子どもに向ける、あの柔らかい表情を取り戻したい! 47歳、結婚して15年になりますが僕は妻を愛しています。同い年の妻を、世界で一番きれいだとすら思っています。なのに心の距離が遠く離れてしまったような気がする。手を握ることすら最近はない。なんで、こうなってしまったんだああ!!

僕らは互いに32歳のとき結婚しました。交際半年のスピード婚、プロポーズは妻からの「あなたの子どもが産みたいの」という言葉でしたから、もうラブラブでした。しかし僕らには9年間、子どもができなかった。そして、3年間の不妊治療の末、42歳でパパママになった。苦労して授かった子どもですから、互いに前のめりになっていたというか、上手いガス抜きができなかったのでしょう。妻は生後3か月のころ、産後ウツに。そして今度は僕が3歳のころ育児ウツに。ウツになるほど真剣に子どもと向き合っていたため、生活も子どもが中心になっていったのも当然です。しかも互いの両親が近くにいないという物理的な理由で、夫婦で夜にちょっとデートに行く、ということも叶いませんでした。そのため、どんどんと夫婦の時間など皆無になっていったのでした。

妻の“トキメキ”は息子ばかりに向いている

妻から「あなたの子どもが産みたい」とプロポーズされるほど、ラブラブだったのに、今やそのトキメキを向けるのは、子どもにばかり。子どもが産まれたら、その「あなた」は要らんのかい! ワシャ、スペースシャトルに宇宙で捨てられる、空になったエンジンか! とグチを言っても始まりません、その原因を考えてみると……僕にあるのかもしれません。

というのも子どもが1歳を過ぎたころから、僕は子どもとずーっとべったり。お昼寝明けの午後2時を狙って保育園に迎えに行き、そこからは「公園だ!」「イオンだ!」「ゲーセンだ!」と子どもを連れまわし、その後は決まって銭湯へ。興が乗ればそのままふたりで外食し、遅いときは夜の8時~9時まで子どもとふたりっきりで遊ぶこともあります。くわえて週末は、この一連の流れを朝からやり倒す。

妻は仕事をしていて、しかも時間が足りないほど忙しくしている。そのため僕が子どもを連れ出せば、それだけ妻に自由な時間を与えることができる。……という側面があるのも事実ですが、裏を返せば、それだけ僕が子どもとべったりなら、そりゃ夫婦の時間もなくなるだろうに、という話でもあります。

ですから僕は僕で、知らない間に子どものことばかりを見ていて、妻のことが視界に入ってなかったのです。言ってみれば、自分からは与えてもないくせに「愛が欲しい」とねだっていたんですね、僕。

そうこうしているうちに、妻は小さな彼氏を見るように子どもと接し、僕は子どもといろんなところに出かけて遊ぶ。つまり夫婦が互いに果たせないことを、子どもを通して埋めている。妻と子ども間、僕と子ども間、それぞれのラインはあるのに、僕と妻のラインがない。ですから、あまりいい意味ではない形での「かすがい」になってしまっていたのです。

「男と女」であるために互いの努力が必要

「夫婦」という言葉を聞くと、パッと思い出すのが僕の両親。まだ親父が生きていた30歳ころ、予告なしに実家に帰ったときのことでした。居間のほうに近づくと、ともに還暦をすぎていたにもかかわらず、ふたりは何やらキャッキャじゃれあっています。見ると、並べた座布団を土俵に見立て、相撲を取っていたのでした。しかも親父はわざと負けて転がりながら「決まり手は押し出し、とし子山の勝ち~」とやっていたのです。思わず後ろから「やめろ!」と叫んでしまいました(笑)。

僕にとっては「両親」である彼と彼女は、僕の知らないところで「男と女」であるため、互いに努力していたのでしょう。そうじゃなきゃ還暦すぎて相撲取らないだろうし、しかもわざと負けてあげるなんて!

思い返せば、まだ子どもが妻のお腹にいたときのこと。身重の妻は、外に出歩くことすらままならない。そのため、マンション下のゴミ置き場にゴミを出しに行くことを「ゴミ出しデート」とふたりで手をつないで、行っていたっけ。時計の針は戻せないけど、互いの心は戻せるはず。そのためには……愛って、やっぱ努力だよなあ、としみじみ思うのでした。

■村橋ゴローの育児連載

第1回 妻はきっと知らない。ボクが家事・育児の“ワンオペ夫“を14年続けられる理由。

第2回 不妊治療の末に授かった赤ちゃん。出ないおっぱい。ボクたちが経験した「産後うつ」

第3回 「この子捨てていい?」――地獄のような「産後うつ」乗り越え、ふたりで涙した夜

第4回 【週5で銭湯】子どもに社会を知ってもらう「湯育」(とういく)のススメ

第5回 結婚のきっかけは「あなたの子どもが産みたい」。借金地獄を救ってくれた妻のために、ボクができること

第6回 男の子がピンクを選んだっていい。4歳の息子が感じた「性別と色」の世界

第7回 「子育てやめます」妻に宛てた一通の手紙。ボクはあの時、育児うつになっていた

第8回 親にとって最高の「ぷじぇれんと」 言い間違いは、子どもが成長している証だ

第9回  42歳おっさんの「孤育て」 平日の昼間、公園にいたらヘンですか?

第10回 「ちゅんちゅんこわい」気弱な息子と動物園に出かけたら……?

第11回 保育園で“バズ“ったら、何が起きる? ワンオペパパが見た、園児が過ごす大人の世界

第12回 お友だちに怪我をさせられて、傷ついた息子の心。我が子をどうやって守るのか?

親も、子どもも、ひとりの人間。

100人いたら100通りの子育てがあり、正解はありません。

初めての子育てで不安。子どもの教育はどうしよう。

つい眉間にしわを寄せながら、慌ただしく世話してしまう。

そんな声もよく聞こえてきます。

親が安心して子育てできて、子どもの時間を大切にする地域や社会にーー。

ハッシュタグ #子どものじかん で、みなさんの声を聞かせてください。


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「パタハラ」などでアシックス男性社員が同社を提訴、育休復帰後初日の出向命令などを不当と訴え

アシックス(本社・神戸市)の男性社員(38)が6月28日、パタニティハラスメント(パタハラ)やパワハラを受けたなどとして、同社を相手に東京地裁に提訴した。

男性社員は、育児休業から復帰した勤務初日に子会社出向を命じられたことは不当などとして、慰謝料約440万円の支払いや懲戒処分の無効化などを求めている。

代理人の笹山尚人弁護士は、「育休を取得した見せしめのような配転が行われるようでは、安心して子どもが育てられる社会にはならない」と提訴に踏み切った意図を話した。

ハフポスト日本版はアシックスに対して、男性に対する出向命令の経緯や男性の主張する点について見解を尋ねた。

同社は男性の主張についてはコメントを差し控えるとしつつ、「裁判の中で事実を明らかにしていきたいと考えております」としている。

 

パタハラ・パワハラ、男性側の訴え

訴状や代理人の説明によると、男性は2011年に同社の東京支社に入社した。前職で、アスリートへのプロモーション業務などを手がけており、同社でも当初はそうした業務に従事していた。

しかし、上司の飲酒運転や先輩社員の暴力について会社側に通報したことなどを契機に嫌がらせが始まり、本来の業務をさせなかったり、専門外の業務ができないことを理由に懲戒処分にするという種類のパワハラを受けたと男性側は主張している。

さらに、男性は「パタハラ」についても主張している。

2015年2月に第一子が誕生した後、当時は総務部に在籍していた男性は約1年間の育児休業を取得した。

復帰し出社した初日、男性は、茨城県にある倉庫での勤務となる「アシックス物流」に半月後に出向するよう命じられたという。そこでは、商品の入った段ボールの荷降ろしや検品など、肉体労働に従事することになった。

男性はその時点で、「出向は育児介護休業法違反のパタハラに当たる」と訴えて、東京労働局に申し立て。しかし、同局は法律違反とはいいがたいと判断したという。

その後、男性は弁護士を通じて会社と交渉。2016年7月に再び人事部に配置転換となった。

しかし、人事部では英訳など専門外の業務を求められ、会社側は男性を業務命令に従わなかったとしてけん責・減給の処分とした。

男性は2018年3月に第二子が誕生した後、2度めの育児休業を約1年間取得。この時も復帰後も同じように専門外の英訳などの仕事を命じられたという。

こうした一連の経緯を主張し、原告側は「能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや、仕事を与えない(過小な要求)」や「業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害(過大な要求)」というパワハラや、育児休業の取得を理由にしたパタハラなどがあったと訴えている。

 

アシックス側は「ダイバーシティ推進に力」

アシックス側は男性社員の見解についてどう受け止めているのだろうか?

ハフポストの問い合わせに対して、アシックス秘書室コーポレートコミュニケーションチームの担当者は、以下のようにコメントを寄せた。

また、同社の育児休業取得実績についても尋ねたところ、2018年度は男性社員は3人(対象者の7.89%)、女性社員は7人(100%) との回答があった。

訴状が届いていないので、当社社員の言い分についてのコメントは差し控えさせていただきます。

当社はこれまで、当社社員の代理人弁護士や、当社社員が加入した社外の複数の労働組合も交えて順次、誠実に交渉を続けてまいりましたが、最終的な解決に至らずに残念です。当社としましては今後、裁判の中で事実を明らかにしていきたいと考えております。

当社は、ダイバーシティの推進に力を入れており、妊娠・出産・育児の期間にも人財が活躍できるよう、今後とも職場環境や支援制度の一層の充実に取り組んで参ります。


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“育てにくさ”を解毒する、あずまきよひこ『よつばと!』、英語版とマンガ読み比べ

あずまきよひこ『YOTSUBA&!』

「日本人なのに、『NARUTO』も『BLEACH』も読んでないの!?」

ロンドンに駐在していたころ、旅行でパリに向かうユーロスターで隣り合ったパリジェンヌと雑談していたら、軽い非難まじりでこんなことを言われたことがある。パリ北駅に着くと、20代と思しきその女性を出迎えた髭面の友人は、『ドラゴンボール』の「亀」印入りの道着を着ていた……。

海外で高まるMANGAの存在感

大英博物館で開催中の「The Citi exhibition Manga」が話題になり、海外で日本のMANGAの存在感の大きさが再認識されている。私は現地の書店をのぞくことを海外旅行の楽しみの1つにしている。欧州各国では、少し大きな書店には、たいてい日本の漫画のコーナーがあった。何人か、MANGAを「原書」で読むために日本語を勉強してるという若者に会ったこともある。冒頭のパリジェンヌも、「原書」が読める特権があるのに傑作を放置するとは信じられない、というニュアンスであきれ顔だった。

今回は、この「原書」にアクセスできる強みを生かして、あえて英語版を読んで翻訳との差を味わうという、ややトリッキーな楽しみ方を紹介したい。私がたまに拾い読みして楽しんでいるのは、あずまきよひこの『よつばと!』(メディアワークス、KADOKAWA)の英語版『YOTSUBA&!』だ。我が家にはオリジナルの既刊14冊全巻と、Yen Pressによる英語版1~3巻がある。

先に簡単に『よつばと!』の概要を紹介しておこう。

物語は5歳の少女・小岩井よつばと、「とーちゃん」こと小岩井葉介の2人が、三姉妹がいる綾瀬家の隣家に引っ越してくるところから始まる。とーちゃんが「俺が外国でひろってしまってなんだかわからないうちに育てることになった」と説明するように、よつばと葉介の間に血縁関係はない。他のキャラクターと違って、よつばは髪も瞳も緑色で、ルーツなどははっきりしない。

この謎の少女・よつばは、活発なのに臆病なところもあり、それでいて「やりたい」と思ったことにはどんどんと手を出す。日常の変化やイベントがもたらすちょっとした「センス・オブ・ワンダー」が、よつばというちょっと変わった少女の視点から丁寧に描かれ、周囲の人々とのほのぼのとした交流が共感や笑いを誘う。設定こそ「ファミリーもの」の枠からややはみ出しているものの、「子育てマンガ」の王道を行く傑作だ。手塚治虫文化賞など漫画賞を総なめし、累計1370万部超、13カ国語に翻訳されている。

味を生かした絶妙な翻訳

 『よつばと!』の大きな魅力の1つは、登場人物たちの会話だ。子どもっぽいのに妙にボキャブラリーが豊富なところがあるよつばと、周囲の人々とのやり取りが、何ともおかしい。言葉選びのセンスや会話、セリフ回しのテンポの良さは、『あずまんが大王』(メディアワークス)でも発揮されたあずまきよひこの強みでもある。確かに、こうしたマンガを母語で味わえるのは、ちょっとした幸運とも思える。

ところが、である。英語版の翻訳も、ナチュラルで味があり、実に素晴らしいのだ。「子どもが手に取ってくれれば英語教育の足しになるかも」という下心半分で買ったのだが、すっかり私がハマってしまった。

例を引いたほうがわかりやすいだろう。

単行本第2巻に、綾瀬家の長女・あさぎが沖縄旅行から帰り、母と次女・風香、三女・恵那の妹2人が土産話を聞くシーンがある。ここでのオリジナルのセリフは以下の通りだ。

恵那 ね―― 沖縄って何があるの?
あさぎ ん――… なんにもないねー
恵那 え―― 何にもないの?
風香 恵那! 恵那!
  「何もない」が あるのよ
恵那 ほ――
風香 いいこと言った!? わたしいいこと言った!?

続いて英語版。

Ena WAHT KIND OF STUFF IS IN OKINAWA?
Asagi HMMM… NOTHING REALLY.
Ena WHAT?  NOTHING AT ALL?
Fuka ENA! ENA! THE “THING” THEY  HAVE……IS “NOTHING”!
Ena OHHHH!
Fuka GET IT? ISN’T THAT CLEVER AND WITTY!?

このあと、調子に乗った風香にあさぎがチョップをお見舞いするわけだが、会話のテンポとニュアンスがうまく再現されているのに感心する。

このシーンに限らず、『YOTSUBA&!』の翻訳には、軽妙な会話や言葉遊びを、オリジナルのテイストをできるだけそのまま伝えようという強い熱意を感じる。「ここをそう訳すのか!」と感心し、ナチュラルな英語表現の勉強にもなる。

私自身がじっくり読みこんだ英語版はこの3冊だけだが、おそらく他のマンガでも、作品への愛情と敬意をエネルギーとした優れた翻訳が、海外でのMANGAの隆盛に一役も二役も買っていることだろう。

私のお気に入りは、単行本第1巻の最終話、雷鳴を聞きつけたよつばが表に飛び出て、土砂降りの雨に濡れて大喜びするエピソードの翻訳だ。「ズブ濡れだよ⁉」と呼びかける風香の心配をよそに、よつばはにわか雨に興奮してはしゃぎまわる。

それを見守るとーちゃんの「あいつは何でも楽しめるからな」という言葉に続くのが、『よつばと!』という作品全体に通じるテーマの宣言ともいえる名セリフだ。

曰く、

 「よつばは 無敵だ」

あなたなら、これをどう訳しますか。本稿の最後に「正解」をご紹介する。

子育ての「おいしいところ」の缶詰

ここまで英語版の翻訳にスポットを当ててきたが、せっかくの機会なので「子育てマンガ」としての『よつばと!』にも触れておきたい。

このマンガを引っ張る最大のエネルギー源がよつばという少女のキャラクターの立ち具合なのは間違いないが、「いつまでも読んでいたい」と思わせる心地よい世界観を形作っているのは、とーちゃんをはじめ、よつばを見守る周囲の大人たちの愛情や包容力だ。

経緯は明らかにされないが、よつばは実の両親とは何らかの事情で離ればなれの状態にあり、転居を繰り返し、幼稚園にも通っていない。それでも、よつばの日常は、大人が郷愁をもって思い返すような子ども時代の幸福な日々、世界が発見と驚きに満ちていたころのワクワクした気持ちに満ち溢れている。

無論、これはマンガであり、悪意を持ったキャラクターは登場せず、綾瀬家との濃密なご近所付き合い、お店の人たちとの交流など、善意だけで構成されたある種のファンタジーであるのは否めない。

だが、それを割り引いても、『よつばと!』では、子育ての楽しさと喜び、子どもの成長がそれを見守る周囲の大人にも幸福をもたらすという、理想的な在り様がリアリティーをもって描かれている。まるで子育ての「おいしいところ」を集めた缶詰のようで、かなり中毒性があるのはそのためだろう。

「子どもで遊ぶ」

現実の日本は、保育園不足は言うに及ばず、子育てに優しい環境ではない。世界最低レベルの乳幼児死亡率など医療での手厚さと比べ、未就園児から小学校あたりまでの社会とコミュニティーの子育てに対する支援や理解は、残念ながら高い水準にあるとは言い難い。保育園・幼稚園の建設に「騒音」を理由に反対運動が起き、電車にベビーカーを押して乗れば煙たがられ、「泣くのが商売」の赤ん坊の泣き声への冷たい視線に親が肩身の狭い思いをする。

そんな冷たい現実があるからこそ、『よつばと!』の温かい世界が魅力的に映るという側面があるのだろう。

だが、一歩引いた視点でみれば、『よつばと!』に登場する大人たちは、何かを我慢したり、よつばのために犠牲を払ったりして、理想の世界を作り上げているわけではない。とーちゃんや綾瀬家の人々、とーちゃんの友人の「ジャンボ(竹田隆)」や「やんだ」こと安田は、大人として子どもに接するだけでなく、時には自分たちも童心に帰って本気で子どもと遊ぶ。とくに「やんだ」は5歳児や小学生と同レベルの友だちとして振る舞う。愛読者ならわかってもらえると思うが、「油性だ」と即答するシーンは爆笑必至。

『よつばと!』の世界が理想像でしかないのは承知だが、それでも、子育てにおいて「子どもと遊んでやる」のではなく、「子どもと遊ぶ」、何なら「子どもで遊ぶ」ぐらいの姿勢で大人自身が楽しむこと、その喜びが子どもに伝わることは、もっと意識されてよいと思う。そういう意味で、この作品の登場人物たちはある種のロールモデルになり得るのではないだろうか。ちなみに私は「やんだ」スタイルに近い(笑)。

未読の方には、ひとまず12巻までは鉄板でお勧めできる。13巻以降は刊行スピードが落ちた影響か、絵柄と読み味が少々変わった印象が強い。それでも十分に面白いが。

さて最後に、「よつばは 無敵だ」の翻訳をお示しして、締めくくりとしよう。
私は「うまい!」と膝を打ったが、いかがだろうか。

NOTHING CAN…..EVER GET YOTSUBA DOWN.

英語版は、全体を通じて語彙は中学英語レベルの平易なものなのに、学校の教科書とは違い、生き生きとした表現が溢れ、学習教材としてもレベルは高い。よつばのいわゆる「いいまつがい」も、うまくスペルミスなどで再現されているのも楽しい。機会があったらご一読を。

(高井浩章)

(2019年6月21日フォーサイトより転載)


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人生の正解は一つではない。 男子大学生が、私たち親子に教えてくれたこと。

「両立」って、誰のものだろう。

「仕事と子育ての両立」は、数年前までの私にとって、最大のテーマだった。

仕事を終えて保育園に直行しても午後7時過ぎ。必死で走って迎えに行ったのに、保育園から「帰りたくない」と泣きわめく息子。

後から“お迎え”のお友だちにも次々と抜かれていく。保育園の入り口にしゃがみ込んで意地を張る息子を無理に自転車に乗せることもできず(暴れて危ないので…)、途方に暮れた。

「先生たちが帰って保育園が真っ暗になると、“カッパおやじ”が来ちゃうよ」

「早く帰らないと、ここは鬼が通る道になるんだよ」

20分くらい延々と説得する合間には、時折こんな脅しも混ぜた。

少しでも私の苦労を味わってもらいたいと、まだまだ仕事中の夫に息子を説得するよう電話で訴えたこともあった。

 

「おかあさん」よりも先に「しぇんしぇ」を口にした。

お迎えに行っても喜んでくれない。

言葉で説得すべき時に、禁じ手の「鬼」で脅してしまう。

午後9時を過ぎても子どもを寝かせられない。

 

こんなことに、いちいち「母親失格」かも…と自分で自分を責めた。

何より、この罪悪感を子育てのパートナーであるはずの夫と分かち合えないことが辛かった。

 

ーーーなんてのは、もう5年以上前の話だ。

 

小学生になった息子にとって、初めての言葉が「しぇんしぇ」だった、保育園に迎えに行くと帰りたくないと泣いた、というのはもはやネタの一つ。

夫とは話合い(ケンカともいう)を重ね、次男の出産時には3週間の育休を取ってもらった。

以来、家事も育児も夫婦間の分担はハーフハーフに。

長男の夕食に「隠し味は塩」といって平然と白米だけを出していた彼は、今では子どもたちに「何を食べたい?」と聞いてから調理する術を身につけた。

次男産後1週間。夫が育休を取得した日々のことは、長男は今も記憶にあるという。

もちろん、私自身も母親として図太くなったのだろう。

子育てや家事を、家族以外の誰かに任せることにためらいがなくなった。

子どもも大事だけれど、同じくらいに仕事も好き。

そんな風に思ってしまう自分を許せるようになった。

週に1度はベビーシッターサービスも利用した。必要なら病児保育も。

「両立」で悩む頻度は激減した。少なくとも、「両立」は母親である私1人が抱えるものではなくなった。

 

男子学生に家事は無理だろう、と勝手に決めていた 

我が家のオペレーション事情を明かすと、平日5日のうち2日は私、2日は夫がお迎えを担当している。

残り1日は、大学生の男の子にシッターとして来てもらっている。

 

彼、松田直人くんと知り合った経緯は割愛するが、松田くんと家族を引き合わせた日の衝撃は忘れられない。

松田くんはスリールという共働き家庭と学生をつなぐ「ワーク&ライフ・インターン」の経験者。なので、保育園のお迎えや自宅での見守りは任せられるだろうと期待していた。

それでも、1年と少し前の私は、まだ”男子大学生”を見くびっていたのだ。

「夕食は朝作り置きしておくから、それを食べてね。作る時間がなかった日は、子どもたちとコンビニやスーパーにお買い物に行ってもらって、みんなで好きなお弁当を買って食べてもらってもいいからね」

事前に夫婦で決めておいたことを伝えると、松田くんは戸惑ったように「え? 僕作りますよ」と言った。

「お預かりの前日にメニューと材料を伝えるので、冷蔵庫にないものを教えてくれれば、買い物をしてから保育園に迎えに行きます」

 

これには驚いた。「料理できるの?」と聞けば、「クックパッドやクラシルを見れば…」と、『字が読めれば誰でも作れるでしょ』みたいな返事が返ってきた。

子どもたちにとっても、松田くんとの夕食準備は楽しいみたい。親にとっても、献立を考えるところから任せられるのは本当にありがたい。

実際、前日の夜になると、必ずメニューと食材確認のメールをくれる。子どもたちから「次はアレにして」とリクエストすることもある。

 

親でも先生でもお友達でもないからこそ、築ける関係

先日、松田くんが来てくれた日に、私が自宅で仕事をしていたことがあった。

帰宅後すぐに、松田くんは食材をキッチンに並べ、炊飯器にご飯をセットし始める。

両親の時は食事が済むまで入らないのに、次男はキッチン横のお風呂へ。

次男は10秒おきに浴室のドアを開けて、「松田くん!ご飯できた?」「ねえ、もうご飯?」「ご飯、まだ?」。

松田くんは笑いながら「まだだよ」と声をかける。

最初は微笑ましく見ていたが、私だったら「シャワーがもったいないでしょ!」「いいから早く出なさい」と返してしまいそう。

お風呂上がり、次男は野菜を洗うお手伝い

炊飯器をセットしたころ、カラスの行水のごとく、次男が飛び出てきた。

松田くんは次男に着替えるよう指示しながら、長男に「卵割って」と声をかける。

「お手伝いする!」とやる気満々の次男には野菜を洗ったり、卵をかき混ぜる作業を。

もちろん、実際には子どもたちが手伝わない日もあるらしい。

「今日は全然お手伝いをしてくれなかったので、次回は声のかけ方を工夫したいです」

「ご飯をまったく食べてくれなかった」

こんなレポートが届く日もある。

この日も唐揚げ丼の上に乗っていた長ネギが「辛い」「きらい」と大不評。

次々に松田くんのお皿に自分のネギを乗せていた。

この日のメニューはサラダと唐揚げ丼。ここにタレを回しかけて食べる。初めての味に、子どもたちも箸がすすんだ。

私にとっては、松田くんがバイト後に送ってくれる報告レポートも楽しみの一つだ。

ある日のレポートを紹介したい。

いつものことなのですが、〇〇くんは何かを説明しているとき、目がキラキラしていますね。しかも、説明する際に必ず登場人物の気持ちになったり、自分が当事者となって話してくれます。またテンションが上がったときは必ず1人で演技をしてくれます。

(中略)

ベイブレードでも相変わらず、一戦一戦終えるごとにリプレイを口と手を使って説明してくれます。目の前で僕も見ているはずなのですが、まるで僕が全く見てなかったかのように戦いの模様をイチから全て話してくれます。

これまでに途中でチャチャ入れてしまったこともあったのですが、今日改めて、どんな内容、説明の仕方でも途中で質問しない、最後まで聞くを徹底しようと思いました。

 

今日の〇〇ちゃんは僕や〇〇くんの言ってることが難しく、理解に苦しんでいることが多かったです。

例えば、「松田くんは今小学校に通ってるの?」聞かれたので、「大学生だよ。小学校が終わったら、中学校、高校、大学とあるんだよ。」と説明したり、僕ができる限りの大学の話をしたのですが、最後の最後まで、〇〇ちゃんは「ということは、松田君は小学校に通ってるんだよね?」と言っていました。笑

他にも、体重計で体重を計っていたのですが、〇〇ちゃんはそれで手の大きさも測定できると言って、手を当てていました。もちろん、体重計なので、数字は出てくるのですが、その数字は手を体重計に置いたときの重さです。僕と〇〇くんは、「それは重さだよ」と言ったのですが、〇〇ちゃんにとっては、手を置いて目の前に数字が出ているので、それが手を大きさの値であるはずだと信じていました。結局、「僕の手は117だよ!」と教えてくれました。笑

 

長男に「松田くんとどんな話したの?」と聞いても「秘密」と教えてもらえないのだけど、実際には驚くほど細かく松田くんが報告してくれる。

「好きな子いる?」「告白されたことある?」「両思いになったことは?」と、恋愛トークに花が咲くこともあるらしい。

兄弟喧嘩も頻繁に……

いつかは、私が帰宅すると長男が泣いていたことがあった。松田くんは困り顔。

「結婚しちゃダメ」

「就活、失敗して」

「どうしても就活するなら、ハフポストにして」

要は、「ずっと家に来て」と言いたいのだ。

少し繊細なところがある長男は、松田くんが就職活動の話をしたとたん、いつか訪れる別れの日を想像したのだろう。

松田くんが「そんなこと言うけど、いつか『もう来んな!』とか言うんじゃない?」と茶化すと、怒ったように「絶対そんなこと言わない!!」と長男。

続けて松田くんが「でもさぁ、オレも結婚も就職もいつかはしたいんだけど…。結婚式に呼ぶから来てよ」と生真面目に返しても、泣き止まない。

結局この日は、松田くんを見送ることもせず、泣きながらベッドに入った。

子どもは気まぐれ。玄関の外まで付いていく日もあれば、言われないと見送らない日もある。この日は玄関までべったりだった。

別の日には、次男が「大きくなりたくない、ずっと子どもでいたい」とメソメソし始めたことがあった。

家族4人で過ごしている時のこと。みんなで、「なんで?どうしたの?」と尋ねると、「大人になったら、ヒゲが生えるんでしょ。おじさんになるんでしょ」。

夫が大笑いしながら「松田くんは大人だよ。松田くんみたいになるのは嫌?」と尋ねると、「松田くんも大人なの?松田くんはかっこいい」と泣き止んだ。

 

子育ても、働き方も、人生の「正解」は一つではない

「両立」って、誰のものだろう。

少なくとも、母親だけのもの、女子学生だけのものではない。

「両立」に悩むのは女だけはない。もう、とっくにそんな時代は終わったのだ、ということを、私は夫や松田くんから教わった。

外に目を向ければ、私が子育てしながら働くことに罪悪感を1人で抱えていた頃とはまったく違う景色が広がっている。

マタハラと同じようにパタハラが大きな問題として認識され始め、「男性育休」が政治の場で語られるようになった。

スリールが9年前に「ワーク&ライフ・インターン」を始めた当初、プログラムに参加する男子学生は1、2人だったという。現在は、4分の1が男子学生。地域によっては5割が男子、ということもあるという。

スリールと同じように若者と子育て家庭をつなぐ、manma(マンマ)の「家族留学」というプログラムでも、男子学生やカップルでの参加が年々増えているらしい。

 

就職や結婚、出産という人生の選択のタイミングで、自分はどんな風に在りたいかを考えた時、みんなはどんなイメージを思い浮かべるだろうか?

学生時代の私がイメージできたのは、自分の両親だけだった。

専業主婦の母と仕事一筋の父は当時の私にとってまったく参考にならないから、就職活動の時に思い描いた働き方は、どちらかといえば父親の姿。

『結婚は縁があれば。子どもは特にはいらない』

そんな風に考えていたし、そのように就活の最終面接でも伝えた。

でもいざ、子どもが欲しいと切実に願った時、今度は母親のような“お母さん”になりたいと思った。

だから、苦しかったのだ。

父親のように仕事に情熱を注ぎたいのに、できない自分。母親のように、家族のために献身的で在りたいのに、できない自分。日常の様々な場面で、そんな気持ちが罪悪感という名の小さな棘となって、私をチクチクと刺した。

両親が悪いわけでも、私自身が悪いわけでもない。

今なら、分かる。私に足りなかったのは、イメージの選択肢だった。

 

正解は一つではない。むしろ、不正解なんてないのだ。

息子たちには、父親や祖父などの身近な男性以外にも、たくさんの生き方があることを知ってほしい。

夫婦のあり方も、働き方も、臨機応変に自分で選んだり、新しく作ったりすればいい。

松田くんと過ごす時間の中で、息子たちが自然とそんなことを学んでくれるといい。

松田くんにおんぶと抱っこで嬉しそうな子どもたち

私たち夫婦も、松田くんからたくさんの「気づき」をもらっている。

子どもたちと松田くん、松田くんと私たちの年齢差は約15歳。お互い、日常生活ではなかなか接点がない世代だ。

私たちと松田くんは、考え方も行動もまるで違う。違うけれど、すごいなぁ、いいなぁ、と思える。

きっと、成長した息子たちはもっと違うのだろう。私たちの価値観で子どもを縛ったり評価したり…なんて無意味かも。

もちろん、今でも罪悪感が疼くことはたくさんある。でも、そんな自分も正解だと思えるようになった。

そう思えるだけで、すごく気が楽になるし、成長や変化を楽しむことができるのだ。

 

スリールでは、高校や大学の教育のなかに「ワーク&ライフ・インターン」を取り入れようと、新たなチャレンジを始めている

10年後、高校生になった息子たちが、今度は松田くん世代の家庭で子育て体験をしているかもしれない。

そう考えただけで、ワクワクする。

健康な地球で、みんなが平等に平和に生きる。

2030年に、それを実現するための目標がSDGs(持続可能な開発目標)です。
ハフポスト「はじめてのSDGs 」では、日本をはじめ世界中の問題や取り組みを紹介。

私たちに何ができるんだろう… みんなで一緒に考えてみませんか?


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長友佑都が語る、理想の子育てと“日本男児像”のアップデート「イクメンという言葉ができること自体が問題」

トルコリーグで優勝を果たし、トロフィーを持ちながら喜びの表情を浮かべる長友佑都選手

サッカー日本代表DF・長友佑都、32歳。

2018-19シーズンは長年プレーしてきたイタリアを離れ、トルコのガラタサライに移籍。移籍1年目からチームに貢献する活躍を見せ、リーグ制覇を成し遂げた。

一方、最近では実業家としてビジネスの世界にも進出するなど活動領域は広がり、6月20日には「長友ドリーム」と名付けたプロジェクトを発表する

そんな忙しい日々の中、長友選手は子育てにも積極的に関わっていることで知られる。

かつてはステレオタイプな“日本男児”像を持っていた彼に、約10年の海外生活はどんな変化をもたらしたのか?ハフポストは長友選手に単独インタビューし、思いを聞いた。

ハフポスト日本版のインタビューに応じるサッカー日本代表DF・長友佑都選手

トルコは「本当に愛にあふれた国」

イタリアからトルコに渡って約1年。

トルコでの生活について聞くと、長友選手からは絶賛の声が返ってきた。

トルコ、大好きになりました。まず温かいんです、人が。

家族に対しての思いがすごく強い国なので、子育てをしていても皆が助けてくれるんですよね。

本当に愛にあふれる国だという印象でした。

現在は妻と2018年2月に誕生した子どもと共に生活する中、子育て環境については、早くもトルコと日本の違いを感じているという。

トルコは、どこのお店でも子連れで入れるんですよ。

これが日本の場合、結構「子連れはダメ」っていうところが多かったりして、レストラン1つにしても行くのは結構大変だと思うんですけど、トルコは、僕の中ではそういった経験がほとんどないので、快適に過ごせています。

あとは、環境というよりも、やっぱり“人の温かさ”ですね。

例えば、子どもが泣いていたとしても、トルコでは他人があやしてくれたり、手を差しのべてくれる。

この温かさは、これまで感じたことがないくらいです。私はプレーをする側なので詳しくは分からないですけど、妻は、「子連れでもすごくスタジアムでサッカーが観戦しやすい」と言っていますね。

トルコリーグ優勝の喜びを、長友選手は息子と共にピッチで味わった

「イクメン」って言葉ができること自体が問題

長友選手は5月12日、『母の日』に寄せたツイートで、「子育て環境をもっとよくしたいな。自分に出来ることがあれば行動に移したい」と意欲を見せ、さらに「海外にきて、自分の男としての概念が変わった」と綴っていた

トルコと日本の子育てを比べた時、日本に足りないものとは何なのか?長友選手は、このように語る。

まず、根本的に愛が足りてないと感じます。

イタリアやトルコでもう10年近く住んでいますけど、海外の国においての家族への愛情とか熱量は、やっぱり違うなと思います。

そもそも愛が環境を作ると思うし、根本的な愛がないと子育てを含めていい環境って作れないと感じます。そこを、日本は変えていかないといけないと思います。

周囲の環境や一緒にプレーする仲間が自分の考えを変えてくれました。

彼らの生活、本当に愛情にあふれる姿を見て、「自分の考えは凝り固まっていた。間違っていたんだな」と思いました。

そもそも、日本には「イクメン」って言葉がありますけど、海外にはないですからね。その言葉ができること自体が、まず問題だと僕は思っています。

別に男の人が子育てするのは普通のことじゃないですか?海外では少なくとも普通ですから…。

それが日本では、子育てをしていたら「イクメン」という言葉が出てきちゃう。違和感は感じますね。

海外で生活することで、自らが抱いてきた理想の“日本男児像”も変わったという。

昔は、“男はバリバリ働いて家族のために働く”というのが理想だと思っていました。

もちろんそれは大事なことなんだけど、でも今は、子育ても含めて“一緒に家庭を作っていく”ことが理想の日本男児だと思うし、この視点がすごく大事だなと感じています。

共にプレーをする周囲の選手たちの姿を見て、自分自身の意識もアップデートされていきました。

ハフポスト日本版のインタビューに応じるサッカー日本代表DF・長友佑都選手

副業は、自らの柱の数を増やしていくこと

サッカー選手として第一線で活躍しながら、同時にビジネスの世界にも活動の幅を広げる長友選手。

サッカースクールの運営をはじめ、2016年にはヘルスケアや健康的な食事を提案する事業会社『Cuore』を設立した。

企業における副業が次第に解禁されつつあるなど、日本の働き方が徐々に変化している現状を歓迎した上で、長友選手は自らの考えをこう語る。

大賛成ですよ。本当に色んなことにチャレンジした方がいい。

ただもちろんそれが、自分がやっている一番大事な結果を残さなきゃいけない仕事に影響が出るのであれば、それはちょっと違うかなとも思います。

でも、少しでも本業にプラスになるのであれば、色んな分野で挑戦をするべきだと思うし、僕自身は、色んなことにチャレンジすることで実際にサッカーに活きているので、それは自信を持って言えますね。

人それぞれだから「これがいい」とちゃんとした答えを出すことは、僕にはできないですけど、ただ、1つの自分の強みを作ることは大事なことだと思います。

まずは軸となる柱がきちんとあって、その上で柱の数を増やしていくようなイメージですね。

すると、一本の柱が倒れたとしても、他の柱が支えてくれる。

もちろん、1つのことだけ極めていくのも素晴らしいことではあるんだけど、僕の考えとしては、色んな柱を自分に建てていきたいなって思いますね。

例えばサッカーでいえば、体幹にプラスして走力をあげるとか技術をあげるとか、メンタルのレベルをあげるとか、色んな柱を作れば、体幹という柱がもし崩れたとしても、カバーすることができるし、必ずいつかどこかで活きてくると信じています。

6月5日、長友選手は国際親善試合として行われたトリニダード・トバゴ戦でキャップ数が117となり歴代3位となった。更なる記録更新に向け、意欲を見せている(写真はアジアカップ)

長友選手が若い世代に伝えたい事とは…?

サッカー界では、18歳のMF久保建英選手(現・FC東京)が日本代表に選ばれるなど、若い選手の台頭が目立ってきた。

今後、若い世代が活躍する社会になっていく中、長友選手が彼らに伝えたいことは、自らの経験に基づくシンプルなものだった。

とにかく、世界を見て欲しいなと思います。早く海外に出て欲しい。

僕も世界に出て、自分の常識が覆される経験を沢山してきました。

海外で色んな世界を知って、色んな人と接することで、自分の意識レベルもアップデートされる。

それを日本に還元していくことができれば、日本ももっと活性化していくと思っています。

プロ入りする前、明治大学のサッカー部に所属していた長友選手には、試合に出られずスタンドで太鼓を叩いて応援していた時期があった。そこから飛躍し、世界の舞台で躍動するまでに至るまで、何を大切にしてきたのだろうか。

夢を持って行動することだと思います。

とにかく大きな夢を抱いて、どんどん挑戦すること。

(スタンドで太鼓を叩いていた)あの当時のところから考えると、今の自分は想像できなかったですね。「想像を超えた世界まで来たな」という実感はあります。

それと、「失敗してもいいからとにかく行動しよう」という考えですね。この考えがあるから、ビジネスの世界にも飛び込んでいけたのだと思います。

最後に、情報に溢れる今の社会で生きるための自らの考えを聞かせてくれた。

今の時代は情報が溢れているからこそ、逆に勇気を持って世界に飛び込んでいけるんだと思います。

例えば、知らないところにいくのは、情報がなければとても怖いこと。

でも今はネットを開けばこれだけの情報があるのだから、しっかりと自分の頭の中に“ナビ”を描けるはず。そのナビがあれば、怖くないじゃないですか?

だから、ネットで情報を知るところで終わらないで、そこから更にリアルを求めて、どんどん外の世界に出てみて欲しいと思っています。

長友選手は、夢を持って行動することの大切さを語った

(文・編集:小笠原  遥  @ogaharu _421


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美智子さまの子育て「ナルちゃん憲法」とは 天皇陛下の幼き日々でふり返る(画像集)

5月1日に天皇陛下が即位されて、日本は令和という新しい元号に替わった。

同日に開かれた「即位後朝見の儀」で、陛下は「国民の幸せと国の一層の発展、そして世界の平和を切に希望します」と述べられた。

「即位後朝見の儀」でお言葉を述べられる新天皇陛下=2019年05月01日 午前、皇居・宮殿「松の間」[代表撮影]

6月9日には、天皇皇后両陛下はご成婚26年を迎えられた。

三井浜でくつろがれる皇太子ご夫妻(現在の天皇皇后両陛下)と長女愛子さま=2018年08月16日、静岡県下田市[代表撮影]

雅子さまの夫として、愛子さまの父としての顔を持つ、天皇陛下。

陛下ご自身は幼少期、どんな風に育てられたのか。その幼き日々を、時事通信社の貴重なアーカイブ写真で辿ってみたい。

 

1960年2月23日、浩宮さま誕生

美智子さまに抱かれる生後4カ月目の浩宮さま=1960年6月、東京都港区・東宮御所

天皇陛下・徳仁(なるひと)さまは1960年2月23日、皇居・宮内庁病院で当時の皇太子・明仁(あきひと)親王と皇太子妃・美智子さまの間に誕生した。

幼少時の名前として与えられた「称号」は浩宮さま。称号は、古典から学者が選出し、天皇陛下が字を選出される。

1960年2月29日の朝日新聞夕刊によると、称号「浩宮」とお名前である「徳仁」は四書五経の「中庸」の第三十二章から、祖父・昭和天皇が命名された

大空のように広くて偏りのない様子を示す「浩々たる天」から浩の字を、「聡明聖知にして天徳に達する者」から徳の字を取ったという。

浩宮さまの子育ては、父親の皇太子・明仁親王(現在の上皇陛下)、母親の美智子さま(上皇后)の手によるもの。

天皇家には、3歳で両親のもとを離れ、「傅育官」らに育てられる伝統的風習があったが、浩宮さまには乳母を付けずに家族で同居する生活を通された。

満1歳の誕生日を前にした浩宮さまと庭先で遊ばれる美智子さま=1961年2月、東京都港区の東宮御所

「ナルちゃん憲法」誕生秘話

浩宮さまが生後7カ月の頃、皇太子と美智子さまは、日米修好通商百周年の記念で、16日間の訪米旅行に出発。

美智子さまは、幼い浩宮さまを日本に残して旅立つことになり、侍従や女官たちに、子育てに関する細かな申し送りを書いたノートを託されたという。

このノートが、天皇陛下のお名前「徳仁(なるひと)」にちなんで「ナルちゃん憲法」と呼ばれることになった。当時、皇室の育児指南書として世間の話題をさらった。

皇太子妃時代、キッチンに立たれる美智子さま。お子さま方の弁当など、手料理を作られた=1961年10月、東京都港区の東宮御所

 

「一日に一回くらいは、しっかりと抱いてあげてください。愛情を示すためです」

ナルちゃん憲法」(光文社新書)には、こんな言葉が残されている。

美智子さまは、ご公務で忙しい時も、浩宮さまがさびしい思いをすることがないように、「あなたのことが大好きな人がたくさんいるのよ」というメッセージを、しっかり抱くことで表すようにお願いされたという。

学習院幼稚園の遠足で小石川植物園を訪れた浩宮さまと美智子さま=東京都文京区 撮影日:1964年05月22日

 「コップにすこしだけビンを注ぎ、『ナーイ』にしてちょうだいと言うと、一生懸命飲んで『ナーイ』と見せてくれます」

牛乳が苦手だった浩宮さま。食べ物の好き嫌いをなくすために、美智子さまが考えたのが「ナーイ」作戦であった。

「残さず飲みなさい」といった命令のかたちではなく、子どもの自主性を引き出す工夫が感じられる。「ナーイになったら、たくさんほめてあげてくださいね」とつづられた。

5歳の誕生日を前に、ブランコで遊ばれる浩宮さま=1965年2月、東京都港区の東宮御所

「ひとり遊びは続けさせてください。おとなは適当に動き回ってお仕事しているほうがいいようです」

まわりがお世話をしてしまい、その結果として自分中心に世界が回っているような子どもにはさせたくない、というのがお二人の方針。子どもが夢中になって遊んでいるときには邪魔しないことを鉄則とされた。

美智子さまが、書斎で書き物をしたりミシンをかけたりする傍らで、浩宮さまがひとり遊びをなさったそう。 

天皇陛下(当時)と腕相撲をされる浩宮さまと見守られる美智子さま=1964年2月、東京都港区の東宮御所

「ちゃんとお聞きにならなきゃいけません」と叱ってやってくださいね。

お散歩の帰りに、疲れて「だっこ」をせがませても、玄関まで自分の足で歩いてもらうことを約束とされた。

 

バナナやリンゴを買われる浩宮さま=1967年5月、東京都港区の赤坂の一ツ木通り商店街(宮内庁撮影)

7歳の時には、商店街の八百屋さんでフルーツを買われたこともある。自分でお金を払って商品を購入する貴重な経験をされている。

美智子さまは、3人の子どもに平等に愛を注がれた。

幼い頃、礼宮さま(秋篠宮さま)、紀宮さま(黒田清子さん)と粘土遊びをされる浩宮さま=1972年11月、東京都港区の東宮御所(宮内庁提供)満開の桜の下で、ままごとをされる紀宮さま(黒田清子さん)と皇后さま=1973年4月、東京都港区の東宮御所(宮内庁提供)学習院幼稚園の卒業遠足で「こどもの国」を訪れ、紀宮さま(黒田清子さん)と2人乗り自転車に乗られる皇后さま=1976年3月、横浜市青葉区

美智子さまが子育てのために書いた「ナルちゃん憲法」。そこには、子どもたちが小さいときから少しずつ自立心を育むためのヒントが詰まっていた。

<参考文献>
『ナルちゃん憲法』(松崎敏彌、2016年・光文社)

『浩宮さま 強く、たくましくとお育てした十年の記録 』(浜尾実、1992年・PHP研究所)


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乳児用液体ミルクの売り上げ「予想の2〜3倍」 駅ナカ売店にも販路を拡大中

アイクレオ 赤ちゃんミルク

この春から店頭販売が始まった乳児用の液体ミルク国内初の販売ということで子育て世代からの反応が注目されていたが、売り上げはメーカーの予想を上回る好調ぶりだ。

ハフポストの取材に対して、江崎グリコは「当初の見込みの3倍程度」、明治は「発売前の計画の2倍」の売り上げと回答した。液体ミルクの販売が許可されているのは、国内ではこの2社のみ。

 外出時・深夜の授乳に大活躍。駅ナカの売店での販売も

 人気の理由は、外出時や夜間の授乳に便利な点だ。

 外出時の授乳は、授乳室を見つけなければならなかったり、粉ミルクを持ち歩くにしてもお湯や湯冷まし用の水筒・計量スプーンなど調乳グッズを持ち歩かなければならなかったり、と苦労が多い。

 しかし、液体ミルクならば、哺乳瓶に移し替えてそのまま⾚ちゃんに与えることができる。江崎グリコ・経営企画本部の青山花さんによると、子育て中の親から「泣いている赤ちゃんにすぐにミルクをあげられる」「お出かけの荷物が減った」など便利さを評価する声が多く届いているという。

 江崎グリコでは現在、外出中にさらに手に取りやすいよう、駅ナカの売店や自動販売機などにも販売経路を拡大している。

 また、液体ミルクは、夜間の授乳の負担も軽減することができる。青山さんは、「夜中に粉ミルクを用意する時、眠気のせいで水を何倍入れか忘れてしまうという声をよく聞きます。液体ミルクはそんな負担もありません」と話す。「5回に1回の授乳は液体ミルクに置き換える」など、時間帯や負担に合わせて液体ミルクをうまく取り入れている親が多いという。

 「どこまで広がるか半信半疑だった」

 液体ミルクは、2014年に国内販売解禁を求める署名運動が始まった。2016年の熊本地震では、海外製のものが救援物資として配られ、利便性と長期保存が可能な点から「災害時の備蓄用」として注目を浴びた。その後、子育て世帯からの国内での販売を求める声が一気に高まった。

 一方で、販売に向けては「本当に安心・安全なのか」という不安の声も聞こえた。「大切な我が子に『初めて』発売される液体ミルクを与えるのは、親御さんとしても不安な気持ちがあったと思います」と青山さん。だからこそ「発売前は、どこまで広がるか半信半疑」だったという。

 しかし発売されると、備蓄用としてだけではなく、予想以上に「普段使い」の需要が目立った。青山さんによると、液体ミルクの発売がメディアで大きく取り上げられたことや、実際に液体ミルクを使用した親がその便利さをSNSで発信したことなどが、売り上げを後押ししたという。

 青山さんは「液体ミルクを、母乳や粉ミルクの他の選択肢の一つとして、より多くの方に使ってもらえたら嬉しいです」とコメントした。


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「子育て体験」プログラムで見えた、Z世代のリアル。「人生のレール」失った苦悩、評価への焦り…

「Z世代」と聞いて、どんなイメージを持つだろうか。

生まれた時からインターネットに慣れ親しんだ常識にとらわれない豊かな発想力を持つ世代? SNSを駆使して他人と緩く広く繋がるドライで自由な世代?

答えは、イエスであり、ノーだ。

”女性活躍”や”保活”という言葉すらなかった2010年に始めた「ワーク&ライフ・インターン」という両立体験プログラムを通し、約1000人の学生と共働き家庭を繋いできたスリール(東京都文京区)の堀江敦子代表は、ここ数年の学生たちのある「変化」に危機感を覚えている。

話を聞くと、思いがけないZ世代のリアルが浮かんだ。

 

検索で『自分』は見つからない

「生き方を見失っている、と感じる学生が増えてきました」と堀江さんは語る。

「SNSには誰かが実践している『良さそう』な情報が出回っている。自分も何かしなきゃ、という焦燥感から、『良さそう』な何かに飛びついてみる。周囲からキラキラのSNSを見せられる中で『自分もアウトプットを出さなきゃ』と焦るけれど、なんとなくうまくいかない」

「失敗が怖いから、石橋を叩いて叩いて、結局飛び込めない子もいる。結果がすぐに出ないと長続きもしない。失敗しても誰も責めないのに、自分で自分を責めて、傷ついていくんです」

SNSにはキラキラした情報が氾濫している

「自分が何者でありたいのか、どうありたいのかという軸を持ちにくい時代。自分に自信がない。目的がないから、結果もついてこない。自分が空っぽなことは自分が一番分かっているから、余計に苦しくなっていく」

以前なら、大学4年生になったら就職活動、卒業後は就職し、しばらくしたら家庭を作るーーという見えないレールが敷かれていた。就職活動に勝ち抜けば、それなりの給料と安定が保証され、結婚や出産、キャリアアップなどの将来がイメージしやすかった。

だが、終身雇用の幻想はすでに崩れ去り、2021年春以降に入社する学生には就活ルールも廃止される。仕事と家庭の両立不安は女子だけでなく男子にとっても身近なものとなっている。一昔前に学生たちの前に敷かれていたレールは、もう見えない。

堀江さんは言う。

「今の大学1年生は2020年以降はどうなるか分からないよ、と言われています。昔はレールが敷かれていることが苦しかったけれど、今はレールがないのが苦しいんです。検索では『自分』は見つからないから……」

 

「評価」される焦りと恐怖

スリールの「ワーク&ライフ・インターン」は、学生が2人1組で受け入れ先の共働き家庭に入り、4ヶ月間のインターン活動を行うというもの。子どもを保育園に迎えに行き、夕食を準備したり子どもの相手をしたり。社会に出る前の学生たちが漠然と抱えている「両立不安」が解消され、将来のキャリアや生き方に前向きなイメージが描けるようになる。

だが、ここ1〜2年、「ワーク&ライフ・インターン」に参加する学生たちが突然辞めてしまう、というケースが出てきた。

両立体験をしてみたい、というだけでなく、「インターンをすれば就活に有利になるかも」と考える学生。「インターン先の子どもたちに好かれなくては」「ママに気に入られなくては」と気にしすぎて、子どもがワガママを言うなどの想定外の行動に出た時に苛立つ学生ーー。

堀江さんは、学生たちの変化の裏には『”評価”される焦りと恐怖』があると指摘する。

「学生たちにとって、親以外の大人は『自分を評価する人』。教師も、インターン先の大人も、就活で出会う社会人も。プライベートですら、友人に『いいね』と評価してもらえるかどうかを気にしてしまう」

「自分自身も誰にも本音をさらけ出せないし、相手も自分に本音で接しているとは信じられない。それが今の学生たちのリアルだと感じています」

SNS、学校、インターン、就活。デジタルネイディブな世代だからこそ、あらゆる場で「評価」される自分になれてしまっている(2019年3月、千葉県)

本当の自分は、家族だけが分かってくれればいい

学生たちの変化が気になった堀江さんは、社員総がかりで学生全員と1時間ずつ面談を行った。

「本当の自分は家族にしか見せていない」

「友だちに対しては”キャラ”を演じている」

「信じられるのは親だけ。家族が分かってくれればいい」

見えてきたのは、学生たちのあまりに寂しい本音の数々だった。

「最近の若者は安定志向と言われるけれど、その通りです。2020年以降がどんな時代になるか変化が予測できない。起業とか副業とかいろんな可能性があることも分かっているけれど、自分に能力がないことも分かっている。だから、一番沈まなそうな船に乗る、と言うのです」

「こんなに可能性やチャンスが転がっている時代なのに、どうしてこんなに悲観的なの?と思わずにいられません。ガチガチの固定観念で自分を縛っている。でも、学生たちがバリアを張らなければいけない時代の空気を作ったのは、私たち”大人”なのかもしれません」

もちろん、SNSを最大限に活用して自分の生き方を見つけるZ世代もいる。起業したり、発信したり、キラキラと目立つ活躍をしている学生もメディアには数多く登場している。

だが、「こうした学生は一握り」だと堀江さんは指摘する。

「SNSのおかげで、その気があれば会いたい人に会える時代になった。勉強会に参加したり、いろんな大人に出会ったり。でも、実際には親と教師以外にはリアルな大人に出会ったことがない学生が大半です」

 

『ワーク&ライフ・インターン』を公教育に

「ワーク&ライフ・インターン」の本来の目的は、楽しんで活動し、子どもや保護者と関わることで自分自身としっかり対峙し、将来の生き方を考える機会を提供すること。

堀江さんは、もっと心理的安全性が高い状態で学生たちが自分自身と向き合えるよう、両立体験プログラムを公教育で行うことが必要だと考えている。

スリールの堀江敦子代表

5月15日には、高校や大学のキャリア教育として両立体験プログラムを展開しようとクラウドファンディングをスタート。わずか半月で目標の500万円を超える支援金を集めた。

スリールでは、すでに6大学と京都や愛知などの自治体と連携し、両立体験プログラムを取り入れてもらっている。『座学(2日間)・インターン(2日間)・振り返り(3日間)のプログラムで、インターンは受け入れ先の家庭の大人が同伴のもとで行われる。一度導入した大学や自治体での継続率は100%という。

「目的は両立体験だけではありません」という堀江さんは、こう強調する。

「一番の目的は、若い世代の自己肯定感を高めること。将来に対する漠然とした不安を払拭し、両親や教師以外のリアルな大人と出会える機会をすべての学生に提供していきたい。プログラミング教育や英語教育の必要性が理解されやすいけれど、こんな時代だからこそ、『生き方』を考える教育が必要なのではないでしょうか」 


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お友だちに怪我をさせられて、傷ついた息子の心。我が子をどうやって守るのか?

総勢6人の子どもたちが大集合

愛する我が子がお友だちに怪我をさせてしまったり、怪我をさせられてしまったとき、親としてどう向き合えばいいか? そんなことを考える、ある事件が起こりました。今回は、そんなお話。

 

このあいだ親戚の集まりがあり、20人もの「村橋家」が集合したんです。兄弟やいとこなど子ども連れの親戚もいるので、まあうるさい。大人のための用事なため、1時間もすると、「あきたー」「つまんないー」と案の定、子どもたちが騒ぎ出した。そのため6人いた子どもたちを、僕も含めた親3人で近隣の公園に連れて行き、遊ばせることにした。

子どもたちがキャッキャ遊んでいる姿を眺めていると、ウチの子が親戚のユウくんと楽しそうにじゃれていた。ウチの子は4歳の男の子で、ユウくんは5歳。ウチの子は親戚の子ども達のなかでも特にユウくんが大好きで、集まりがあるといつも「ユウくん、ユウくん」といって背中を追っているほど。

 

我が子のおでこからぴゅ~っと鮮血が!

ヤンチャになってきたふたりは、この年代のお約束、「たたかいごっこ」で遊んでいたのですが、1歳違いとはいえ、見ているとやはりユウくんのほうが力が強い。興奮してきたユウくんはウチの子の背中をドン! と押すと、我が子は顔面から思いっきり地面に。ここまではよくあることですが、息子が顔を上げると、おでこからぴゅ~っと鮮血が!

息子:「いた~い! いたいよ~~!」

僕:「大丈夫かっ!?」

その後、すぐに医者に連れて行ったところ、先生いわく「縫う寸前」という、かなりのケガでした。

 「ごめんなさいね~! ほらユウ! 謝りなさい!」

 驚いたのはユウくんのママも同じで、困惑気味に力ない笑顔をこちらに向けてきました。(でもあんまオオゴトにしないでよ。だって親戚じゃない…)という心の声が聞こえてしまったのは、我が子がケガをしたことに対するとっさの怒りだったのか。

 しかしもちろん、ユウくんも、ユウくんのママも恨んでいないですよ。子ども同士の小競り合いですから、誰が悪いという問題ではなく、責める気なんてさらさらありません。

 ただ、問題は我が子です。医者から戻ってきた息子は…それはもう、どんよりと塞ぎこんでしまったのです。普段、すっ転んでも何しても「でへへ」と笑っているのに、「誰かに傷つけられた」、しかも「ユウくんが大好きなのに、お医者に行くほどの怪我をした」ことがよっぽどショックだったのでしょう。

いつも騒がしい息子が、何ひとつ喋らず、ずっと下を向いている。心の傷は額に負った傷より深く、そのことが親である僕の心にも深くのしかかり、彼の塞ぎこんだ表情を見るだけでこちらも泣けてきました。

 

 傷ついた心を取り戻すことが大事

 彼は、とても気が弱い。もっと小さいときから公園のお砂場で、そこらのキッズスペースで、おもちゃを持ってるお友だちに、「かーしーてー」が言えない。そんなとき決まって「ぱぱがとってきてよ」とばかりに、僕の手をぐいっと引っ張る。

 気性が荒く言いたいことは全部言わないと気が済まない性分の僕からすれば、「もうちょっと頑張れよ!」という思いもあり、「自分で取ってきなさい!」と、突っぱねていた。そのため、いつかこの子もお友だちとモメ、喧嘩になることもあるだろう。そんな日がきたら「負けて悔しくないのか?」とどやしつけてやろうと思っていたのだが……、現実、大好きだったお兄ちゃんと遊んでいて怪我をし塞ぎこんでいる我が子を目の前にしたら、そんなことは言えなかった。

 「いったん、おうちに帰ろうか」。

そう言うと、息子を電動チャリの後部座席に乗せた。いつもなら「仮面ライダー ジオウ!」「ライダーキック!」とひとりでも騒がしくはしゃぐ息子が、無言のまま。

そして、ぽつりとこう言った。

「もう、おくち、ききたくない」。

ユウくんとはもう喋りたくもない、と。僕は「そうだ、別に喋りたくないなら喋らなくていいんだぞ」と返し、ふと思った。

 そう、戦う必要なんてないんだ。逃げたっていいんだ。やられたらやり返す、ではなく、やり返さなくたって、そんなの負けじゃない。とりあえず逃げて、その傷ついた心を取り戻すことのほうが大事。

立ち向かっていったら、今度は愛する息子が「ケガをさせてしまう側」になってしまうかもしれない。何かの歌詞にあったが、大切な人を“被害者にも加害者にもしたくない”。それが多くの人の願いなのだから。

「ぶった・ぶたれた」ならまだしも、この先我が子はネットやSNSといった底なしの悪意に叩きつけられるかもしれない。そうなった場合、どう我が子を守ってあげられるのか? 僕は「やられたら、やり返してこい!」側の人間だったが、このような場面に実際に出くわすと、その考えは崩れ、100%消えていった。

もう息子に強さを求めすぎるのはやめよう。彼には彼の強度というものがある。それより彼に少しの時間の逃げ道を与え、そこでずっと寄り添っていられる親でありたい。

 こんなふうに珍しく真面目なことを考えていたら、何だか頭がグチャグチャになってきた。

「パパ、何だか疲れちゃったよ」

 そう後部座席の息子に漏らすと、こう返ってきた。

 「ねえぱぱ、あとでぼくのきゃんでーあげるね。きゃんでーたべると、つかれがとれるんだよ」

 そう、この子はやさしい。強くなんかならなくていい。

 「そうだ! 仮面ライダー・ジオウのゲーム、やりに行くか!?」

 「じおうのげーむ、やりたい! いく~!」

 やっと息子に笑顔が戻った。

 

■村橋ゴローの育児連載

第1回 妻はきっと知らない。ボクが家事・育児の“ワンオペ夫“を14年続けられる理由。

第2回 不妊治療の末に授かった赤ちゃん。出ないおっぱい。ボクたちが経験した「産後うつ」

第3回 「この子捨てていい?」――地獄のような「産後うつ」乗り越え、ふたりで涙した夜

第4回 【週5で銭湯】子どもに社会を知ってもらう「湯育」(とういく)のススメ

第5回 結婚のきっかけは「あなたの子どもが産みたい」。借金地獄を救ってくれた妻のために、ボクができること

第6回 男の子がピンクを選んだっていい。4歳の息子が感じた「性別と色」の世界

第7回 「子育てやめます」妻に宛てた一通の手紙。ボクはあの時、育児うつになっていた

第8回 親にとって最高の「ぷじぇれんと」 言い間違いは、子どもが成長している証だ

第9回  42歳おっさんの「孤育て」 平日の昼間、公園にいたらヘンですか?

第10回 「ちゅんちゅんこわい」気弱な息子と動物園に出かけたら……?

第11回 保育園で“バズ“ったら、何が起きる? ワンオペパパが見た、園児が過ごす大人の世界

親も、子どもも、ひとりの人間。

100人いたら100通りの子育てがあり、正解はありません。 

初めての子育てで不安。子どもの教育はどうしよう。

つい眉間にしわを寄せながら、慌ただしく世話してしまう。

そんな声もよく聞こえてきます。 

親が安心して子育てできて、子どもの時間を大切にする地域や社会にーー。

ハッシュタグ #子どものじかん で、みなさんの声を聞かせてください。


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