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46歳妻、42歳夫。夫婦ふたりで生きていく

子どもを持つ人生と持たない人生。どちらの生き方も良いもので、私たちは好きなほうを選び取ることができます。44歳で結婚した金正淑さんもパートナーと話し合い、ふたりで生きる道を選んだ方のひとりです。

「『子どもはまだなの?』といろいろなところで聞かれるのにうんざりする」。

「結婚したら子どもを持ち、家族になる」という旧来の考えが強く根づいているせいか、子どもを持たない夫婦に対し無自覚に、悪意なく、そんな問いかけをしてしまう人は今もいます。

でも「結婚=子どもを持つ」ではないし、「結婚 子どもを持つ」でもありません。たとえパートナーシップを組んでも、本来、子どもを持つ・持たないはカップルの考えに委ねられるもの。他人がどうこう言うべきことではないはずです。

44歳のときに、4歳下の彼と結婚した金正淑さんは、夫婦ふたりで楽しく、穏やかで充実した日々を過ごしています。子どもを持たない選択をした金さんに、夫婦ふたりで生きるということについて、お話を伺いました。

「私は結婚せずに生きていくんだろうな」

在日韓国人3世の金さんは、どちらかと言うと厳格な家庭に育ち、両親から「結婚するなら同じ在日韓国人の男性でないと認めない」と子どもの頃から言われ続けてきました。

何度もそう言い聞かされてきたため、「日本に住んでいたけれど、日本の方との結婚は考えられなかった」と振り返ります。

それでも「いつかは結婚するだろう」「いつか家族を持つだろう」と思い、25〜30歳の頃は、医師など高度な専門職に就く在日韓国人男性とのお見合いを繰り返していました。しかし、お見合いで良い出会いがあっても、断っていたといいます。

「当時は恋愛至上主義な考え方で、結婚よりも恋愛が好きだったんですよね。それに加えて、日本で生まれた在日韓国人というアイデンティティも、韓国人との結婚をためらってしまう理由になっていました。

昔、韓国留学したときに、現地の韓国人と付き合っていましたが、このまま彼と結婚したら、完全な韓国人にならないといけないのかな、と複雑な気持ちになったんです。日本で生まれて、ここまで生きてきた自分のアイデンティティと何か違うな……と、腑に落ちなかったんですよね」

韓国の彼と破局した後は、イタリア人がパートナーに。30代後半を迎えていた金さんは、「私はきっと結婚はしないだろうな。このまま独身生活を謳歌して生きていこう」と決意します。都内にマンションを買い、まさにかろやかなひとり暮らしを満喫していました。

■44歳で大人婚

プライベートは充実する一方、勤めていた外資系製薬会社で部署異動をしたのを機に、トータルで5年ほど苦しい時期を過ごします。会社に行くのがつらくて、体が動かない日もありましたが、奮闘し続けた結果、再び正当な評価をされるようになります。

そこでの仕事を「やり切った」と感じたタイミングで、沖縄へ知人を尋ねて遊びにいったことが、金さんにとってターニングポイントとなりました。

「2015年2月でした。知人から誘われ、健康ドリンクを販売する事業を手伝うことになり、3月末に会社を辞めて、4月に沖縄へ移住したんです。すごく気に入って買ったマンションを売り払って、家具や家電も知り合いに譲って、かなり身軽な状態で沖縄へ渡りました。周りからは『本当に辞めるの!?』と驚かれましたが」

43歳のとき。2月に初めて訪れた沖縄に、2カ月後には住んでいたなんて、金さんにとって自分でも予想外の展開でした。それでも、15年近く勤めた会社でやり残したことはないと感じていたからこそ、沖縄に住んで働くという選択肢は、自身のなかで「正解」だと確信していました。

沖縄の暮らしのなかで出会ったのが、現在の夫でした。クリスチャンの金さんは週末になると教会へ行く習慣があります。沖縄の教会で出会った彼と会話をするうちに、彼が自分に好意を持っているのを感じたといいます。

クルマを持たないペーパードライバーで、家具家電を沖縄で買い揃えて運ぶのが大変……。彼に相談すると、引っ越しや荷物の運搬を手伝ってくれることに。引っ越しが終わってからも、週末になるとドライブして沖縄を案内してもらう仲になりました。

「東京で出会っていたら、結婚はおろか、恋愛にも発展しなかった相手だと思います。私がそれまで思い込んでいた自分の好きなタイプ、自分に合うタイプの男性ではなかったし、東京では即断即決というスピード感を持って生きていたので。誤解されると困るので、最初に『タイプじゃないから勘違いしないでね』と彼にはっきりと伝えたほどです(笑)。

でも、一緒に時間を過ごすようになって半年くらい経ったころから、ふと『一緒にいて楽しいし、なんだかとっても癒される……』と感じるようになったんですよね。その流れで、結婚するんだったら、この人がいいなと思うようになりました」

クリスチャンということもあり、知らない人であっても困っている人がいたら必ず手を差し伸べる優しい彼と過ごしていると、「何があってもこの人を信じられる、と思えた」と金さん。彼の人としての魅力、純粋さに心からいいなと思えるようになっていました。

■ふたりで生きる人生

交際から約10カ月後、2016年7月に沖縄で挙式を済ませたふたりは、東京に住まいを構えます。金さんはフランスのラグジュアリーブランドグループの部長職を得ました。同じく転職した夫も、初めての東京暮らしを楽しんでいます。

「今年で47歳になります。結婚した当時(44歳)から、年齢的にも子どもを自然に授かるのは難しいかなと思っていました。奇跡的に授かったら産む選択をとりますが、体力面や子育て環境など、いろいろと心配なことも多いです。

だから、絶対子どもがほしいというわけではなく、どちらかというとできなくていいかな、というのが、私たち夫婦ふたりの本音です」

数十年後、寂しさを感じるかもしれない、という想像をすることはありますか? そう尋ねると、金さんからは「同じミッションを共有できて、価値観の合うパートナーである”私たち”に充足しているから、それはまったく感じないと思う」という答えが返ってきました。

子どもがいる人は数十年後、子どもや孫と接している人生がある。逆に子どもがいない人は数十年後、子どもや孫のいない人生を過ごしている。でも、どちらが幸せか、と比較するのは意味がないこと。金さんはそう捉えています。

「子どもを持つ、持たない、独身、既婚、シングルマザー、どんな生き方をしようと、すべての人の人生は一人ひとり特別なもの。自分の人生に感謝し、フルに楽しみ、慈しむ。そうすれば自分のオリジナルの人生を生きることができる。周りと比べて自分の人生の良し悪しを計るのではなく、神様から与えてもらった私の人生をこれからも生きていきたいです」

(編集後記)

世間や他人の生き方と自分のそれとを比較検討しない――。どんな人生を送ろうと、そういったスタンスを持つことこそが、幸せに生きるルールのひとつなのだと考えさせられるインタビューでした。

Text/池田園子

(2018年5月13日「DRESS」より転載)

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「奥さんステータス」に惑わされる男たち

家事育児がイヤでしかたがない気持ちを抑えるのに必死

男たちの「夫婦感」はなぜこんなにも変わらないのか

社会学者 平山亮氏の記事を読んで、「おぉ!」っと唸った。以下は話題の牛乳石鹸のCMについての抜粋。

『彼が「がんばって」いたのは、家事育児がイヤでしかたがない気持ちを抑えること、ではないのか』

胸がスッとした。これまでなかなか言語化できなかったモヤモヤが言葉になった感じ。
表立ってはなかなかYESとは言わないかもしれないけど。
家事育児の両立と、この気持ちを抑えることを混同してしまってる男性は、実は多いんじゃないかと思う。

記事にもあるように、牛乳石鹸の炎上動画を見ればあのパパがいったい何を頑張っているのかが見えてくる。 確かに、彼は家事育児は頑張っていない。自分の父親像と照らし合わせて、家事育児をやらなくてはいけない社会の価値観とのギャップと、戦うことをがんばっているのだ。

正直に言う。

そんな自分の父親像と、今の自分が置かれた状況を比較して悩むなんて時間の無駄でしかない。
自分の育った家庭環境は一例ではあれど、ロールモデルではない。だって、違う家庭環境で育った者同士が結婚してるんだから。 自分達家族のカタチは、自分達で築いて行くしかないのだ。

「奥さん」と言うステータスに惑わされる男たち

掃除してる男がかっこ悪いとか、洗濯してるのが女性っぽいとかじゃない。
かっこ悪いのは「そんな事させられてる俺」であり、もっと言えば「家事をさせる力がない俺」と見られること。

自虐的に「恐妻家」とか「尻に敷かれてる」とか言うけど、そう言うことで自分に支配力がないんじゃなくて、妻が特別なキャラクターだから仕方ないんだよ。運が悪かったんだ!って、言いたいんだと思う。

それはまるで「奥さん」って言うステータスを取り損ねたことに対する言い訳のようだ。

奥さんステータスは所詮は幻想でしかない

かつて女性が男性を選ぶ基準に「3高(高学歴・高収入・高身長)」があり、それがステータスになっていたように。( いつの時代だwww)

今もまだ男性は「奥さん」と言う内助の功を「身につけている」という幻想に憧れるのかもしれない。

本人が憧れていなくても、男性の周辺の人たちは奥さんステータスの所有を「男のステータス」として見がちだと思う。

例えば「帰っても晩ごはんないの?奥さんは?(作ってくれないの?)」「奥さん、シャツにアイロンしてくれなかったの?」など。

奥さんがいれば、これらは男性が自分で心配しなくてもいい事項になってしまう。

まずは、周りの人達が「奥さんステータス」をなくしていかないと!

そして今の時代では「奥さん」なんてステータスは、所詮は幻想なんだって気がついた方がいい。
僕らが手にすべきは、アクセサリーのような主従関係ではなく、共に手を取り歩いて行くパートナーシップでしかない。

Posted from tadaima!.
2017年9月14日NPO法人tadaima!:「奥さん」と言うステータスに惑わされる男たち より転載・加筆


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