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日本の「万引き家族」とNetflixに注目。アカデミー賞でハリウッドの勢力図は変わるのか

2014年3月、アカデミー賞授賞式のレッドカーペットイベントで(藤えりか撮影)

「Netflix(ネットフリックス)? 映画じゃない」「アメコミヒーロー映画?賞レースとは無縁だね」。

ごく最近までこんな余裕ある会話がフツーに交わされていたハリウッド。最大の祭典アカデミー賞ノミネーションで変化の兆しが見えてきた。

白人ばかりだった候補作は、テーマも出演俳優の人種も多様になり、Netflixの作品も初めて作品賞候補になった。

主要部門の最有力作品は、トランプ大統領が国境の壁建設にこだわり、敵意を向けるメキシコが舞台。外国語映画賞にノミネートの日本の『万引き家族』は、格差がひろがるアメリカで、置き去りにされた人々の現状とも重なる。総じてにじむのは、トランプ政権との対峙だ。

自己変革と反動を繰り返してきた「ハリウッド リベラル」の価値観。トランプ大統領の「アメリカ第一主義」に背を向けながら、政治との距離を改めて模索している。

Netflixで配信された「ROMA/ローマ」

2019年1月22日に発表されたアカデミー作品賞の候補8本のうち、主役級が非白人なのは5本。

史上初のアフリカ系スーパーヒーロー映画『ブラックパンサー』、スパイク・リー監督(61)の『ブラック・クランズマン』、日本でも大ヒット中の『ボヘミアン・ラプソディ』、アフリカ系のマハーシャラ・アリ(44)が実質主役に並ぶ『グリーンブック』、ベネチア国際映画祭で金獅子賞のNetflix配信作『ROMA/ローマ』と、記録的な多さだ。

『ROMA/ローマ』に主演のヤリッツァ・アパリシオ(25)は教師を経て今作で俳優デビューながら、メキシコ人史上2人目、アメリカ先住民では初めて主演女優賞にノミネート。

『ボヘミアン・ラプソディ』でフレディ・マーキュリーを演じたラミ・マレック(37)は、エジプト系初の主演男優賞ノミネートだ。

『ROMA/ローマ』は1970年代のメキシコ市を舞台にメキシコ人家政婦を描いた物語で、アルフォンソ・キュアロン監督(57)の実体験を踏まえている。今回、最多タイ10部門でノミネート。

2月2日にはアカデミー賞の前哨戦の一つ、米監督組合賞を長編映画部門で受賞。賞の予想サイト「ゴールドダービー」によると、今のところ作品賞と監督賞、外国語映画賞、撮影賞の各部門で圧倒的に最有力となっている。

白人至上主義団体の捜査を描いた

「ゴールドダービー」が次に作品賞・監督賞ともに有力とするのが、6部門ノミネートの『ブラック・クランズマン』

アフリカ系刑事が白人至上主義団体「KKK(クー・クラックス・クラン)」に潜入捜査をした1970年代の実話に基づく。『ゲット・アウト』で昨年アフリカ系初の脚本賞を受賞したジョーダン・ピール(39)が製作陣に入り、カンヌ国際映画祭で次点のグランプリに輝いている。

リー監督は『ドゥ・ザ・ライト・シング』(1989年)や『マルコムX』(1992年)などで知られ、功労賞的なアカデミー名誉賞は受賞しているものの、作品賞も監督賞も今回が初ノミネートの実質無冠。監督賞に輝いたアフリカ系自体いまだにゼロで、受賞となれば史上初だ。

「白人男性優位」だったハリウッド

最近の作品賞候補作を振り返ると、非白人が主役の作品は2016年は8本中ゼロ、2017年9本中4本、2018年同1本。ハリウッドが長年、白人男性優位に甘んじてきた表れだ。

南カリフォルニア大学の研究者による調査では、2016年のトップ米映画900本のうち、セリフのある役柄の70.8%が白人で、アフリカ系は13.6%。アジア系は5.7%、ヒスパニック・ラティーノ系や中東系はそれぞれ3%強と、さらに惨憺たる少なさだ。

それを反映するように、アカデミー賞演技部門の候補が2016年に2年連続で白人ばかりとなり、「#OscarsSoWhite(白人ばかりのオスカー)」との批判を浴びて、リー監督らは授賞式をボイコットした。

主催する米映画芸術科学アカデミーは非白人や女性の会員比率を2020年までに倍増すると公約しているが、今回のノミネーション結果は、変化を強調したいがゆえの結果にも映る。

共感を失っていたハリウッド

 トランプ大統領

この構図はまさに、トランプ時代のリベラルの右往左往ぶりと重なる。

ハリウッドはこれまでアメリカンドリームの一つの象徴として、また米国の民主主義を喧伝し理想主義を体現する業界として君臨してきた。

ところがトランプ政権の誕生と軌を一にするように、「金持ちの既得権益層」として非難されるように。リベラルは「弱い立場」の味方だと、もはや思われなくなってきた。

多様性をうたう作品を多く世に出す割には、製作決定権を握るスタジオ経営陣は白人男性が圧倒的。豪華なドレスやタキシードをまとって格差解消を訴え、プライベートジェットを乗り回しながら環境保護を唱える「リムジン・リベラル」ぶりに、グローバル化で置き去りにされたと感じる人々を中心に共感されづらい存在となった。

それに対する自覚と自省が遅れたのも、「ハリウッド リベラル」を嫌うトランプ当選に呆然としすぎたせいか。

トランプ批判で”スベって”しまったメリル・ストリープ

メリル・ストリープ

アカデミー賞史上最多ノミネートの名優メリル・ストリープ(69)はトランプ大統領の就任直前、ゴールデングローブ賞授賞式で多様性を訴えてトランプを非難した末に、逆に格闘技を軽んじる失言をして批判を浴びた。実は格闘技の方が人種の多様化が進んでいたのに。

そうした反省からか、昨年の米中間選挙ではストリープやスティーブン・スピルバーグ監督(72)ら白人の著名映画人は静かに民主党候補に寄付をするにとどまった。

『ブラックパンサー』に出演したアフリカ系のマイケル・B・ジョーダン(31)らが戸別訪問で目立った程度だ。

2017年には、アカデミー賞作品を多く手がけた大物プロデューサー、ハーベイ・ワインスタイン(66)らによるセクハラ・強姦への大量告発が相次ぎ、ハリウッドだって実は女性蔑視じゃないか、との批判が渦巻いた。実際、残念なことに今年のアカデミー賞は女性映画人のノミネートがまたも後退している。

多くのセクハラ・強姦告発で失脚した大物プロデューサー、ハーベイ・ワインスタイン(2014年3月、アカデミー賞授賞式会場で藤えりか撮影)

ハリウッドと政治の距離感とは?

ハリウッドは政治的発言をいとわない映画人が目立つうえ、一見すると政府批判の映画も多く作ってきたため、野党的な立ち位置だと感じる人は日本に多い。

でも実際は、「現政権」を批判する映画はさして作ってこず、政府におおむね協力的というのが基本姿勢だった。

オバマ政権下の2013年授賞式では当時の大統領夫人ミシェル・オバマ(55)がホワイトハウスから中継で作品賞を発表、2016年の授賞式には当時の副大統領ジョー・バイデン(76)がサプライズ登壇。それぞれ記者室や授賞式会場にいた私は「いくら何でも政権におもねりすぎ」と感じたが、それだけに、トランプ時代に突如として反政権側に立たされたのは多くの映画人には不本意だったに違いない。

トランプ大統領が糾弾するメキシコや、トランプ時代にまたぞろ活発化しているKKKとの戦いをテーマにした作品が、米国が世界に誇るアカデミー賞を席巻したりすれば、諸刃の剣となる可能性はある。

『ROMA/ローマ』はスペイン語や先住民語のセリフで展開、作品賞を受賞すれば史上初だ。「米国にいるなら英語を話せ」と罵声を浴びせられがちなラティーノ・ヒスパニックや、移民推進・擁護派は喝采することだろう。

でも同時に、「白人のアメリカが脅かされる」とさらに恐れ、反発を強める人たちも増えるかもしれない。そう危惧するほどに、今の米国の分断は深刻だ。

Netflixはハリウッドを変えるのか

Netflixのイメージ

『ROMA/ローマ』でNetflix配信作品が作品賞に初めてノミネートされたのも大きな変化だ。

Netflixはハリウッドの守旧派に長らく嫌われてきた。劇場上映は限定的で、主戦場はあくまでネットゆえ、劇場離れに拍車をかけるというのが批判の主な源泉だ。

スピルバーグ監督は昨年、英テレビのインタビューで「テレビの体裁で作った作品はテレビ番組。少しばかり劇場で上映したところでアカデミー賞の対象にすべきでない」とばっさり切り捨てた。

彼とて若い頃は進取の気性に富み、アカデミー賞に長く無視されて苦労したはずなのに、自身が権威になるとこうなるか……と正直がっかりだったが。

ただ、アカデミーのシドニー・ギャニス元会長(79)は昨年ロサンゼルスで会った際、こう言っていた。「アカデミー内では『なぜNetflixを映画と認めなければならんのだ』と腹を立てる人がたくさんいたが、その雰囲気は変わってきた。好戦的な感じも減っている」

とはいえ、アンチNetflix派は古手のアカデミー会員を中心になお健在だ。『ROMA/ローマ』がアカデミー賞最多ノミネートとなり、事前の予想で最有力となっている現状から、「作品賞などとらせてなるものか」と背を向ける会員が出ないとも限らない。

アカデミー賞が批評家による賞ではなく、映画人自身の投票に基づく表彰であるだけに、Netflixへの映画界の見方が本当に変化しているかも、作品賞の行方で占えそうだ。

オバマ前大統領も「万引き家族」がお気に入り

Getty Images/「万引き家族」公式サイト

是枝裕和監督(56)の『万引き家族』の外国語映画賞ノミネートも、今のハリウッド的な選択と言える。プロットとしては、助演男優賞に昨年ノミネートされたショーン・ベイカー監督(47)作『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』(2017年)にも通じるものがある。

ベイカー監督は以前、インタビューでこう語っていた。

「これは、オバマにも置き去りにされたと感じ、クリントンも信用できず、自分には何の特権もない、奪われたと感じる人たちの映画。 何がトランプ勝利を導いたか理解したければ、考えなければならない。だが(ハリウッドは)そうした人々が存在し、絶望してきたことを念頭に置いてこなかった」

そのオバマ前大統領(57)は昨年見た好きな映画の一つに『万引き家族』を挙げている(『ブラックパンサー』『ブラック・クランズマン』『ROMA/ローマ』も然り)。

日本では政治家が「諸外国に誤ったメッセージを発信」などと批判しているが、友人の米国人プロデューサーいわく、「自国で権力者に批判される映画はハリウッドに好まれる傾向がある」。いまどき日本語のニュースは簡単に英語でも伝わる。批判する人が増えるほど、賞レースで有利になる、かもしれない。

執筆者 プロフィール

藤えりか(とう・えりか) 朝日新聞経済部や国際報道部などを経て2011~14年にロサンゼルス支局長。米国とラテンアメリカの大統領選から事件、IT、映画界まで幅広く取材。現在、朝日新聞be 兼 GLOBE編集部 記者。読者と語るシネマニア・サロンも主宰。Twitterアカウントはこちら

藤えりかさんの他の記事を読む:

『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』ショーン・ベイカー監督 インタビュー

『ブラックパンサー』製作総指揮ネイト・ムーア氏 インタビュー


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言葉のセンスは磨ける。歌人・穂村弘さんと“素人さん”に学ぶユニークな日本語の世界

可能な限り働きたくないと思っていた20代、私は多くの文学作品に触れた。日本人だと阿部公房と初期の村上春樹作品が好きだし、ドイツ文学とアメリカ文学が好きだ。

一方で、イギリス文学とフランス文学は肌に合わない。それが言い切れるくらいに読書をしたお陰で、書店員になり、仙台店の店長までやらせてもらっている。

いざ本を扱う仕事をしてみると、「やはり本屋は言葉を売る仕事だなあ」と思うし、「言葉を扱うのはセンスだなあ」とも思う。

センスまで教えることは難しくても、「本屋が売るのは、言葉」だということは伝えたくて、アルバイトの研修期間にはそのことを繰り返している。

さて、言葉を売る仕事をしていると、独特な言語感覚に出会うことがある。

例えば、短歌。相手に意味を伝えるのではなく、五・七・五・七・七のリズムから相手にその言葉の先の意味を想像させる。それが面白い。

今回紹介する『短歌ください』は雑誌(ダ・ヴィンチ)の読者投稿企画から歌人穂村弘さんが短歌の背景にあるであろう状況の解説を加えてくれているので、こちらの乏しい想像力を補填してくれる。

ペガサスは 私にはきっと優しくて あなたのことは殺してくれる 

(冬野きりん・女・18歳)

世界が張り裂けて溢れてしまった愛の歌、との評。

愛の歌。愛のうたかぁ…。

総務課の 田中は夢をつかみ次第 戻る予定となっております

(辻井竜一・男・29歳)

ふつうは「夢」をつかんだら戻らないと思うんだけど、「予定」では戻る、というところがいい、との評。

仕事を辞めたいなぁと漠然と思っている方の短歌だと思っていたのが恥ずかしい。

要するに、短歌を考えているのも読者もほとんどが短歌素人さん。

世の中にセンスの良い素人が多いのか、解説が良いのか、はたまた両方か。回を重ねるごとに読者の上達が凄い。みんな真面目。

そこにきて思うのは、言葉のセンスは修練できるのだなあということ。雑談力や伝え方の本を読んで「自分には無理だ」と諦めたかたにこそ触れてもらいたい。空前の俳句ブーム(?)の陰に隠れてはいるが、短歌もなかなかいいですよ。

ちなみに、穂村弘さんはエッセイも面白い。話の面白い人が独り言をずーっと言っている感じ。こんな話の面白い人と雑談できたら人生楽しいだろう。友達になりたい。お勧めは同じ角川文庫から出版されている『蚊がいる』。秀逸です。

連載コラム:本屋さんの「推し本」

本屋さんが好き。

便利なネット書店もいいけれど、本がズラリと並ぶ、あの空間が大好き。

そんな人のために、本好きによる、本好きのための、連載をはじめました。

誰よりも本を熟知している本屋さんが、こっそり胸の内に温めている「コレ!」という一冊を紹介してもらう連載です。

あなたも「#推し本」「#推し本を言いたい」でオススメの本を教えてください。

推し本を紹介するコラムもお待ちしています!宛先:book@huffingtonpost.jp

今週紹介した本

穂村弘『短歌ください』(角川文庫)

今週の「本屋さん」

金子圭太(かねこ・けいた)さん/くまざわ書店 エスパル仙台店(宮城県仙台市)店長

どんな本屋さん?

今年で開店4年目となる当店は、JR仙台駅直結のエスパル本館3階にあり、新幹線の時間を気にされているお客様がパッと来てパッと買えるよう整理された売場が魅力です。一方で、地元新聞社のブックガイドコーナーや書評を中心とした時事・教養コーナーなど、地元のお客様や知的好奇心の高いお客様に選ばれる店作りもしっかりと心がけています。10年20年と愛され続ける書店を目指して、日々奮闘中です。

撮影:田中姫菜(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

(企画協力:ディスカヴァー・トゥエンティワン 編集:ハフポスト日本版)


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細田守監督の「未来のミライ」、アニメ界のアカデミー賞に輝く。授賞式で語ったことは?

細田守監督(2019年)

「サマーウォーズ」や「おおかみこどもの雨と雪」などで知られる細田守監督の最新作「未来のミライ」がアメリカで2月2日(日本時間2月3日)、アニメ界のアカデミー賞と言われる「アニー賞」の長編インディペンデント作品賞に輝いた。

「未来のミライ」は、甘えん坊の男の子と未来からやってきた妹が主人公の「兄妹」の物語。役所広司さんや麻生久美子さん、福山雅治さんなど豪華な俳優たちが声を担った。

細田監督は授賞式で、本作のモデルは自身の子どもであると明かし、「奥さんと、モデルになった子ども達にありがとうと言いたい」と家族への感謝を示した。


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漫画『ダルちゃん』大ヒット。“ふつう“の24歳・派遣社員の物語に、なぜ心を揺さぶられるのか

「ダルちゃん」(はるな檸檬)

漫画『ダルちゃん』の主人公は24歳の派遣社員。でもちょっと気を抜くと体の輪郭がぶよんと崩れて、「ダルダル星人のダルちゃん」になる――。

資生堂のカルチャー情報発信サイト「ウェブ花椿」での人気連載を経て、2018年12月に全2巻で単行本化。発売後に即重版し、4刷で17万部を突破しているヒット作だ。

「ふつう」になりたくて”擬態”しながら必死に日々をもがく24歳女性の物語は、なぜこんなにも多くの人の心に響いたのか。

「人は最初に”自分”をいじめる。加害する相手として、いちばん手近で楽だから。でも若い人たちがそんなふうに自分をいじめる姿を見たくない」

そう思いを語る、作者のはるな檸檬さんに話を聞いた。

漫画家のはるな檸檬さん

「ふつうの派遣社員」が創作に向かうまで

――主人公の「ダルちゃん」こと丸山成美は、24歳の派遣社員。”ふつう”に「擬態」して居場所を探す彼女の姿に、連載中からSNSでは多くの共感の声があがりました。

私自身もダルちゃんみたいに「周りに合わせるのがしんどい」という感覚をずっと持っていて。もちろん大勢の人が持っているものだとは思うんですけど。

そういう感覚を一番単純化して、記号として表したら、「ダルダル星人」という姿になりました。孤独をずっと感じている人物を描きたい、という思いもありました。

『ダルちゃん』(はるな檸檬)

最初は「20代の女性に向けた作品を」というお話だったんです。

「共感を軸にしたストーリーを」と考えていたのですが、『花椿』編集長さんにお会いしたときに、「詩の公募をしているんだけど、会社員や主婦の方からの応募がすごく多い。一般の方たちの創作に対する欲求の高さに驚かされます」という話を聞いたんですね。

じゃあ、派遣社員の24歳女性が詩を「書く」ようになるまでの間には何があるのか、みたいなものを描いてみようと思いました。

――派遣社員としてのダルちゃんの職場風景がとてもリアルです。自分はどう振る舞えばいいかわからないダルちゃんは、「役割がある」ことで安心できる。

私自身も派遣社員として3年間働いた経験があったんです。

楽しいこともあったけど、外に出せなかったこともたくさんあった。だから自分の中にずっとためてきたことを取り出しながら『ダルちゃん』を描きました。

――そもそも、「ウェブ花椿」で連載が決まったのはどんな経緯だったのでしょうか。

「ウェブ花椿」担当編集:はるなさん自身が体験した産後のつらさを描いたコミックエッセイ『れもん、うむもん!』を読んだことがきっかけです。

私も2人の子どもを出産しているのですが、産後しばらくはすごく苦しかったんですね。

授乳のために万年寝不足のなか、小さな命を生かすことに精一杯で、我が子をかわいいと思う余裕すらない。こんな自分は「ダメな母親だ」と自分を責めていたのですが、数年が経過して『れもん、うむもん!』を読んだときに、そのときのダメな自分が救われたんです。

あのときの小さな感情の揺らぎを丁寧にすくい上げて、「大丈夫だよ」と言ってもらえた気がしました。

この方が20代の女性に向けてのマンガを描いたら、どんなストーリーになるんだろう、という思いから連載をお願いしました。

――はるなさんにとっては初めてのストーリーマンガだそうですが、やはり手探りで進んだ部分もありましたか?

1話目はまだ方向が定まってなかったんですよ。私はずっとギャグマンガの人だと思われてきたから、「ちょっとふざけなきゃ」みたいな思いもあって。

でも主人公が、「ふつう」を”擬態”している「ダルダル星人」で、詩の創作を絡めて描くという設定にしちゃった時点で、「あ、これギャグにしてらんない」と気づいた。

何かを表現したり創作したりする人は、孤独に対する強い自覚を持っている、と私はずっと思っていて。ダルちゃんが孤独を感じている設定を最初にバンと出すために、前半はモノローグが増えましたね。

孤独を感じている人はどんな出来事を経て、何に背中を押されて、創作に向かうのだろうか。そういう大まかな流れだけ決めておいて、あとは描きながら考えていきました。

HUFFPOST JAPAN

つらいとき、人は最初に自分をいじめる

――社会の中で、役割を演じる。多くの人が当たり前のこととして捉えている「常識」がもたらす苦しみや孤独が、「擬態」という言葉で的確に表現されています。

本当はみんながみんな、「社会」にあわせようとして無理してるんじゃないかと。

よく考えたら、社会生活を営むこと自体が不自然なわけで。例えば、今、私たちは服を着て暮らしていますけど、「裸の状態でいない」ってよく考えたら「自然」ではないですよね?(笑) 

私、美術系の大学を志望していたので、高校生のときに性器がめっちゃ写っている写真集を家で見てたんです。

そしたら母が「何、それ?」って怪訝な顔をするんですよ。でも私としては「いや、だって、みんなあるよね? 本当は隠すほうがあべこべなことだよね?」という思いが強くて。そういう「自然」と「社会」が矛盾していることへの違和感は、昔からずっと持っていました。

今、4歳の子どもを育てているんですけど、子育てって思いっきり「自然」じゃないですか。

私たち大人は「自然」だった幼い頃からずっとチューニングし続けて「社会」に寄ってきたのに、いきなりまたスケジューリングできない生活にガッ!って勢いよく引き戻されるみたいな。子育てをしているとそういう感覚があります。

『ダルちゃん』(はるな檸檬)

――30代になった今のはるなさんにとっては、20代の苦しさは「通り過ぎた過去のもの」として捉えていますか。

私、「あのときの私はこう思っていた」みたいな感情の記憶力がめちゃくちゃいい方で。だから、派遣社員のときに抱いた「鬱屈しつつも、にこやかに立ち回っていた20代の自分」の気持ちも、はっきり記憶に残っています。

人って、つらいときはいちばん最初に”自分”をいじめると思っています。責める、加害する相手として、いちばん手近で楽だから。

私自身はつらかったあの時期を通り過ぎて、今は前よりは平和な土地に来てしまった。

だけど、今まさに無意識に自分をいじめている若い女の子たちの肩を揺さぶって、「本当にそれでいいの?」と問いかけたい気持ちがあるというか。

フェミニズムにはあえて振らなかった

――はるなさんは、少しずつ「平和な土地」にたどり着けたのでしょうか。

いえ、私の場合ははっきりビフォーとアフターがありました。25歳のときにつきあっていた人と別れて、3日ぐらいごはんが食べれなかったことがあって。そのときにノートが1冊埋まるぐらいの勢いで、自分の気持ちをめちゃくちゃに書き連ねたんです。

それを全部書き終えて、読み返したときに、スッと何かが抜けて、地に足が着いた感覚があった。世界の見え方が全然変わっちゃったというか…。脱皮して別の人間に生まれ変われたような感覚がありました。

それまでは自分の気持ちをごまかして、信じたいものだけを信じようとしていた。自分も相手も実際よりちょっと上のあたりに置いて、「良きもの」と思い込んでいた。

でも現実はそうじゃなかった。

自分も彼も当たり前に欲深い、ほころびだらけのただの人間だった。

そういう現実を見つめる勇気を初めて持てたときに、「あ、自分で自分を受け入れるってこういうことか」と初めて実感としてわかったんです。自分のダメなところをひとつひとつ認めていくと、すごくつらいけどすごく楽になれるんだな、って。

だから、『ダルちゃん』は、ジェンダーやフェミニズムを描く方向にはあえて振らなかったつもりです。そういう風に捉えてもらってもいいのですが、私としてはそこよりも自分で自分を騙している状態、気づかず自傷している人の普遍的な物語を描きたかったのです。

誰かに受け入れられた記憶は、孤独の糧になる

――『ダルちゃん』前半のクライマックスは、自分を見下している男性社員のスギタさんとダルちゃんがラブホテルへ行くくだりです。

ここは痛いですよね。私も描きながら超つらかったです、ここ。

でも、ダルちゃんはここで一回傷ついてもらわないといけなかった。自分を守ろうとするつもりで、自分を裏切っている。そういう底まで落ちるくらいの出来事がないと、物語として次へ行けないと思っていたので。

『ダルちゃん』(はるな檸檬)

――手ひどく傷つけられる一方で、恋愛のいちばん美しい瞬間も描かれます。足に障害のあるヒロセさんとの恋は、ダルちゃんの世界を広げてくれますね。

恋愛の初期の頃って、好きな人と一緒にいられれば場所なんてどこでもいいじゃないですか。道端でしゃがんでるだけで「超楽しい!」みたいな。自分が好きな人が、自分のことを好きだと言ってくれる。世界がキラキラするような奇跡ですよね。

誰かに受け入れられる体験って、生きていく上ですごく大きい後押しになるというか。それがあることでだんだんと人は自分を受け入れられるようになるし、いつかひとりになったとしても孤独を受け入れられるんじゃないかな、と私は思っています。

『ダルちゃん』(はるな檸檬)

でもそれとは別に、恋人や家族でも侵してはならない領域があると思うんですね。他人が判断を加えるべきではない、その人だけの苦しみや悲しみもある。そのことを表現しようと思って描いたのが、終盤のダルちゃんとヒロセくんの美術館デートの場面です。

ちっちゃいコマなんだけど、ヒロセくんが美術館の人に車椅子を薦められるシーンを挿れてるんですよ。その光景を見たダルちゃんが「ああ、この人はずっとこうやって生きてきたんだ」と実感してしまう。彼には彼の苦しみがあるんですよね。

『ダルちゃん』(はるな檸檬)

雨宮まみさんも、女性たちの幸せを願っていた

――ダルちゃんを励ます年上の女性サトウさんは、20代の女性たちにエールを送るはるなさんの姿にも重なって見えます。個人的な感想ですが、はるなさんとの共著もあるエッセイストの雨宮まみさんを思い出しました。生前の彼女もまた、”妹”世代の女性たちに心を寄せてエールを送っていましたよね。

……雨宮さん。……すみません、雨宮さんを思い出すと……いっつも泣いちゃう……。ああ、でも雨宮さんは本当にそうで、「後進をいかにハッピーにするか」みたいな使命感をすごく持っていましたよね。

私も同じで、自分より若い子たち、年下の女性たちに、幸せになってほしいんです。すごく。

すごく清らかで、でもずっと戦っているような人でしたよね。……今でも時々、雨宮さんにすごく会いたいなって思う瞬間があります。実際会ったときは宝塚の話しかしてなかったんですけど(笑)。今になってそういうことがすごく悔やまれます。

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次作は「欲望」が行き着く先を描きたい

――WEB発でコミックエッセイ「れもん! 産むもん!」を経て、ストーリー漫画『ダルちゃん』で作家として新境地を拓かれましたが、次作の予定は?

直近でやりたいなと思っているのが「欲望」をテーマにしたお話です。欲望が行き着く先、みたいなものを、一切共感できないであろう女性を主人公にして描きたい。

「ダルちゃん』を読んで「共感しました」という感想をたくさんいただけて、それはすごく嬉しかったんですね。でもだからこそ、次はちょっと違うことを描いてみようと思っています。

「ダルちゃん」1.2巻(小学館)

(『ダルちゃん』1.2巻、小学館より発売中)

【関連記事】

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(取材・文:阿部花恵 編集・写真:笹川かおり)


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嵐の活動休止、「無責任では?」の質問に櫻井翔は答えた。「これからの姿勢と行動をもって判断いただきたい」

記者会見する嵐の相葉雅紀さん、松本潤さん、大野智さん、櫻井翔さん、二宮和也さん

2020年12月31日をもって活動休止を発表した嵐が1月27日、都内で記者会見を開いた。約1時間20分に及んだ会見中は、笑いに包まれる場面が何度もあり、メンバー間の強い信頼関係や仲の良さを感じさせた。

一方で、記者からの質疑応答の中には、「(活動休止の決定に)無責任という指摘もあるのでは」「大野智さんが矢面に立っているのでは」と会場の空気に緊張感が走る質問もあった。

この質問に対し、櫻井翔、二宮和也の2人は時折語気を強めながら、「2年近くの期間をかけて感謝の思いを伝えていく。その姿勢と行動をもって判断してほしい」「リーダーが悪者になっているように見えるのであれば、我々の力不足」と毅然とした表情で答えた。

質疑応答の内容は以下の通り。

ーーみなさま、もちろん多大な功績を残されてきた。「お疲れ様でした」という声があるなか、一方では、「無責任じゃないか」という指摘もあるのではないか。そういう意見に対する思いは。

(櫻井翔)「無責任」というご指摘に関しましては、我々からの誠意は、およそ2年近くの期間をかけて、感謝の思いを伝えていく期間を設定した。これが我々の誠意です。

なので、それが届くように、これからもたくさんの言葉をお伝えし、たくさんのパフォーマンスを見てもらい、その姿勢と行動をもって、それが果たして「無責任」かどうか判断いただきたい、と思っています。

櫻井翔さん

ーー大野さんがこの決断の矢面に立つというか、悪者されてしまう部分もあるのでは。大野さんのご決断を受けて(の活動休止)ということだが、他の皆さんは休止にするにあたって、自分の中で(区切りをつけたかったなど)能動的な思いはなかったか?

(二宮和也)僕はなかったです。リーダーのせいでこうなったとは、同じくらいゼロに感じています。

もちろん、人間なので「絶対」はないですし、言ったら無限でもないわけで。その方が気持ち悪いと思っているので、そのポイントはどこかで置かなきゃいけないんだろうな、とは思っていましたけど、僕はすごくありがたいことに楽しく活動させていただいていたから、この現状というものに関して、その時期に関しても思ってはいなかったです。

僕らはみんなでやりたいと思った時にやるし、みんながやりたくないという時はやらない。

一人がやりたくないと言った時は、やりたくないのはなぜか、ということを徹底的に話し合って、みんなで共有して決断をするので…。もしそうやって、リーダーが矢面に立って、リーダーが悪者になっているように見えているのであれば、我々の力不足だと思います。

二宮和也さん


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嵐が活動休止へ ananの特集「嵐 the NEXT!」で5人が語っていた新時代の抱負とは

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1月27日に活動休止を報告する記者会見を開いた国民的アイドルグループ・嵐。2018年12月26日発売の女性誌ananでは、5人そろっって表紙を飾り、新時代への抱負を語っていた。だが読み返してみると、そこには「感謝」という文字が並び、新たな挑戦を示す言葉はほとんど見当たらない。

読み返せば、目に飛び込んでくる文字は「感謝、感謝、感謝・・・」

「嵐 the Next!」というタイトルの特集は12ページにわたる。ネイビーでまとめたファッションのメンバーそれぞれの、2018年を振り返りや新時代を見据えたインタビューが掲載されている。

櫻井翔さんは、2019年の抱負について「言葉では伝えきれない感謝の思いを行動で示していく」と語っていた。「考えられるすべての手を尽くして、感謝を伝えていきたい」という誌面上の言葉は、27日の記者会見で休止までの2年間を「感謝の気持ちを伝える期間」と述べた櫻井さんの姿に重なる。

松本潤さんも「19年はグループが20周年を迎えるので、感謝の気持ちを込めて、いつも以上にたくさんの方に会えるツアーを充実させることが目標です」と述べていた。

会見で2020年までは「1日でも感謝を返していく」と語ったリーダー・大野智さん。活動休止を最初に提案したという大野さんも、「ファンのみんなに対しても、メンバーに対しても、ここまで来られたことへの感謝しかない」とコメントしていた。

意味深な言葉も

二宮和也さんは「自分にとっていちばん大切なのが嵐5人の活動」と告白している。抱負については「もうあれこれやりたいっていう気持ちになる年齢は過ぎてると思う」と意味深な言葉を残していた。

会見で、ゴールまで残された時間を「みなさんを楽しませる。そのために頑張っていく」と語った相葉雅紀さんは、誌面でも「1人でも多くの人に、早く会いに行きたい」と20周年のコンサートツアーへの思いを強調していた。



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嵐の活動休止でジャニーズ事務所がコメントを発表「苦しみ抜いて出した結論」【コメント全文】

人気アイドルグループ・嵐が1月27日、2020年いっぱいで活動休止することを公式ファンクラブサイトで発表した。活動休止について、所属するジャニーズ事務所のコメントは以下の通り。

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弊社所属アーティスト「嵐」に関するご報告

平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

この度、嵐は2020年12月31日をもちまして、嵐としての活動を休止いたしますことをご報告申し上げます。これまで嵐をご支援くださった関係者の皆様、そして何より20年のグループ活動を温かく見守り、応援してくださった全てのファンの皆様には心より感謝申し上げます。

この度、「嵐としての活動を休止する」という結論に至りましたのは、メンバーの一人である大野の気持ちがきっかけとなりました。「2020年を区切りに、ここで一度嵐をたたみ、それぞれの道を歩んでもいいのではないか。」

その大野の思いをきっかけに、2017年6月頃からメンバー全員、個別、そして会社を交えながら幾度となく話し合いを重ねてまいりました。本音で向き合い、時にはぶつかり合いながらも苦しみ抜いて出した結論が、「嵐としての活動は一度お休みさせていただき、メンバーそれぞれの人生を歩んでいく」という答えでした。この結論を導く中で、5人のメンバーに共通していた強い思いは「嵐の活動は5人でしかありえない」ということであり、一貫して変わることはありませんでした。

嵐が活動を休止することで、ファンの皆様、関係会社の皆様、そして社会に与える影響も含めまして弊社内でも幾度となく協議を重ねて参りましたが、最終的には20年間走り続けたメンバーの意思を尊重し、この度皆様にお知らせすることを決断いたしました。実質的な活動休止まで約2年ございますが、この時期を選びました理由は、最後まで嵐が嵐らしくあるために、できる限り皆様と嵐が過ごすことができる時間を作り、感謝の気持ちをお伝えする場を設けたいという思いからでございます。

彼らをご支援頂きました全ての方々に心より御礼申し上げますとともに、大切な皆様への全ての思いを、2020年に活動休止するまで、心を込めてお届けし続けたいと考えております。

これからも嵐、そして大野 智、櫻井 翔、相葉雅紀、二宮和也、松本 潤への温かいご支援、ご鞭撻を賜れますと幸いでございます。

2019年1月27日
株式会社ジャニーズ事務所


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嵐・二宮和也さん、戸惑い隠せず 「僕らはいつまでも嵐です」

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人気アイドルグループ・嵐が1月27日、2020年いっぱいで活動休止することを公式ファンクラブサイトで発表した。活動休止についての二宮和也さんのコメントは以下の通り。

—-
最初に話を聞いた時は驚きました。
想像もしていなかったので。
ですが、それから何度も話し合いそれぞれの思いを尊重し、
今回休止をしようという形になりました。

嵐は5人で嵐です。

2020年の最後の最後まで嵐らしく過ごして行ける様、
これからも5人で頑張っていきます。

関係各位の皆様方、まだまだお世話になります!

そして、ファンの皆。

僕らはいつまでも嵐です。

2019年1月27日
二宮和也


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「HUGっと!プリキュア」最終回、出産シーン描かれ反響 シリーズ通して社会問題に切り込む

HUGっと!プリキュア 第49話予告 「輝く未来を抱きしめて」

「プリキュア」シリーズ15周年の節目を飾ったアニメ「HUGっと!プリキュア」が1月27日、最終回を迎えた。「育児」をテーマに据え、ジェンダーの問題に切り込む内容が反響を呼んだ同作だが、最終回では大人になった主人公・野乃はなのリアルな出産シーンが描かれ、視聴者を驚かせた。

リアルな出産シーン、話題に 帝王切開についても言及も

「HUGっと!プリキュア」では、過去にも出産シーンが描かれたことがある。

8月放送の第27話「先生のパパ修業!こんにちは、あかちゃん!」は、主人公・はなのクラスの担任が父親になるストーリーで、終盤に約3分間かけて妻の出産シーンを描いた。

この回は、出産を女性だけのものにせず、男性目線で描いたことでも反響を巻き起こした。

10月放送の第35話「命の輝き!さあやはお医者さん?」では、「帝王切開はつまずきじゃない。立派なお産よ」という産婦人科医のセリフも登場。放送後はこのセリフに「励まされた」などのコメントが寄せられ、話題を呼んだ。

あらゆる社会問題に切り込んだプリキュア

12月放送の42話では、シリーズ史上初となる「男の子のプリキュア」も誕生。

女児アニメながら、「女の子らしさ」や「男の子らしさ」などのジェンダーの壁、子育て、いじめなど、シリーズを通して日常に溢れるあらゆる社会問題に切り込んだ。

各話放送後、Twitterでは関連ワードがトレンド入りし、多くの人が感想を言い合った。「HUGっと!プリキュア」が伝えようとしたメッセージは、多くの視聴者に届いているはずだ。

シリーズ構成および脚本を手がけた坪田文さんは、自身のTwitterで、「楽しい思い出、勉強になった事がいっぱいある大切な作品です。辛い事も勿論ありましたが、皆さまの想いに感じ、そして励まされました。感謝です」とつづっている。


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