吉本興業

No Picture

目が見えない、耳が聞こえない。どうやって「笑い」を届ける? 吉本芸人が考えた

目が見えない、耳が聞こえない、日本語が使えない。そんな状況でプロの芸人は「笑い」をとれるのか。

平成最後の年の暮れ、吉本興業の芸人が、あえて普段とは違う状況で大喜利などに挑戦した。視覚障がいや聴覚障がいなどの「障がい」をテーマにコミュニケーションの難しさを考えるためのイベントだ。

当日の様子をレポートする。

「聞こえない」「見えない」人を、どうやって笑わせる?

イベントに参加したのは、お笑い芸人・次長課長の河本準一さんや麒麟の田村裕さん、吉本興業が主導するアジア版「あなたの街に住みますプロジェクト」のメンバーで、アジア各国でお笑いに挑戦している芸人ら総勢20人以上。

一般参加者は老若男女幅広く、障がいを持つ人もいた。

イベントでは、少人数のグループに分かれ、「みえない」「きこえない」「はなせない」状態でコミュニケーションを取るゲーム形式のワークショップを実施。

「みえない」と書かれたカードを引くとマスクで目を塞ぎ、「きこえない」カードでは耳にイヤホンをつける。そして、「はなせない」というカードを引くと、喋ることができなくなる。

このような状態で自己紹介やしりとり、大喜利などのお題に沿ってチームのメンバーと意思伝達を図る、という内容だ。

お笑い芸人にとって、「喋り」は欠かせない存在といっても過言ではない。

その商売道具を封印した状態で、人を笑わせることはできるのか?

20人以上の芸人たちが、ジェスチャーを使ったり、時には伝えたい相手と直接触れ合ったりしながら、「伝えたいことを伝える」ために試行錯誤していた。

ワークショップの最後には、視界と耳が塞がれ、話すこともできない状態の芸人が、「こんなテーマパークは嫌だ」というお題の大喜利を伝えるゲームに挑戦した。伝える相手も、まったく同じ状態。

河本さんは、パートナーと二人羽織りのようになり、身振り手振りで家の形をかたどるジェスチャーをとり、「家がテーマパーク」という回答をパートナーに伝えた。

視界と耳が塞がれ、話すことができない状態で、芸人が「こんなテーマパークは嫌だ」という大喜利の答えを相手に伝える。

「はなせない」カードを引くと、喋ることができない。会話をするために工夫が必要だ。

次長課長の河本さんは手話を勉強中

吉本興業は、地方活性化や海外展開を目的とした新規事業のほか、「SDGs(持続可能な開発目標)」など社会貢献に繋がる取り組みにも積極的だ。

今回のイベントは、障がいの有無に関わらず、誰もが「会話」をできる未来を目指す「未来言語」と吉本興業のコラボで開催された。

参加者の一人、次長課長の河本さんは、手話を勉強中だという。

ワークショップ後に開かれたトークセッションでは、「言葉では自分の発言を撤回できるが、ジェスチャーでは一度伝えたことを『訂正』しづらい」と、障壁がある中で意思疎通を図る難しさを語っていた。

「相手のことを思って伝えることが大事で、雑なコミュニケーションをとると相手が不快になることもある」と振り返った。

日本語が通じない海外では、「リズムネタ」がウケる?

イベントに参加した「住みます芸人」のメンバーは、普段は言語も日本のお笑い界の常識も通じない海外で活動をしている。

「インドネシア芸人」のザ・スリーは、「ボケがいつも怒られていることに疑問を持たれた」と話した。日本ではボケた芸人に対して、頭を叩く「つっこみ」で笑いをとることも多いが、海外ではそれが「怒られている」とみられることもある。そんな文化や価値観の違いを感じたエピソードを明かした。

工夫の末に辿り着いたのが、リズムネタ。ボケもツッコミもない「あるある話」をリズムに合わせて披露するネタをYouTubeで公開したところ、再生回数が1600万回を超えるヒットを飛ばしたという。

(一方で、ろうの人にとっては、リズムネタのおもしろさは理解しづらい、という当事者からの率直な意見もあった。)

吉本

▼ザ・スリーが公開したリズムネタ「Tidak apa apa」

健常者と障がい者の垣根なくす 「芸人からも発信したい」

今回のワークショップでは、初対面の参加者同士がお互いの体に触れ合いながらコミュニケーションを取ることで、一気に距離感が縮まっていく様子が印象的だった。

最近では、視覚障がいを持つ漫談家の濱田祐太郎さんがピン芸人ナンバーワンを決める「R-1グランプリ2018」で優勝したことも、記憶に新しい。NHKでは、障がい者がでるバラエティ番組「バリバラ」が評判だ。

バラエティ番組などに出演するお笑い芸人は、若い世代にとっても親しみやすい存在だ。こうした取り組みから、障がい者と健常者の垣根をなくすための議論が広がっていくかもしれない。

トークショーの最後に河本さんは、「特に女性や若い世代の人が参加してくれたことが嬉しい。芸人からも発信していきたい」と語った。

イベントに参加した吉本芸人ら

イベント参加芸人:

次長課長・河本準一、麒麟・田村裕

「住みますアジア芸人」アーキー、緑川まり、ダブルウィッシュ、KLきんじょー、ザ・スリー、黄金時代、タイガース、アキラ・コンチネンタル・フィーバー、そこらへん元気

「手話できます芸人」カエルサークル・ソイくん

Read More

「グイグイ大脇」容疑者を逮捕。少女の下半身を触るなど強制わいせつの疑い

「グイグイ大脇」容疑者のプロフィール(吉本興業の公式サイトより)

大阪府警は6月4日、吉本興業に所属して関西地域で活動するお笑い芸人「グイグイ大脇」容疑者(38)を強制わいせつ容疑で逮捕した。産経WESTなどが報じた。

朝日新聞デジタルによると、逮捕容疑は4月19日夜、茨木市内のエレベーター内や路上で、10代後半の少女の下半身をスカートの上から触ったり無理やりキスしたりしたというもの。

防犯カメラの映像などからグイグイ大脇容疑者の関与が浮上した。取り調べに対し、「自分のタイプだった。当時は酒に酔っていた」などと容疑を認めているという。

 

■グイグイ大脇とは?

公式サイトのプロフィールなどによると、1980年生まれで、兵庫県出身。2人の息子のパパだという。

4月に「Ready for」で実施したクラウドファンディングの告知では「大阪で活動する芸歴15年目のコメディアン」と自己紹介。「コンビ、トリオなどを経て、5年前からピン芸人として活動」しているという。

その上で、舞台、テレビ、ラジオイベントMCなど、関西を中心に活動させていただき、最近では持ち前の明るさと前向きでポジティブなキャラクターで皆さまにかわいがっていただきながら、おかげさまでグイグイ認知度が上がってきていると自負しております!」と書いていた。


CLOSE
CLOSE