パワハラ

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#KuToo呼びかけの石川優実さんに飛び交う理不尽なバッシング。当人が思い語る

#KuTooを呼びかけた石川優実さん

職場でのパンプスやヒール着用を強制しないでほしい。署名活動「#KuToo」に賛同の声が広がっている。

6月11日、東京・永田町の衆議院議員会館で「パンプス押し付けにさよなら!緊急院内集会」が開かれ、プロジェクトを立ち上げた石川優実さんや労働問題の専門家、厚労省の担当者らが出席。パンプス強制をめぐる問題をどう解決していけば良いかを話し合った。

声をあげた石川さんは、ネット上で理不尽なバッシングにも晒されている。「自分が我慢しているからお前も我慢しろ、という意見の方もいた。みんなで楽になる方、楽しく過ごせる方、心地よく健康に過ごせる方を目指していくのがいいと私は思います」と話し、「(賛同している人が)みんなで協力しあってやっていけたら」と訴えた。 

就業規則で義務づけも。「#KuTooは性差別の問題」

「#KuToo」は、「#MeToo」と「靴」、「苦痛」をかけ合わせた言葉だ。

この運動で石川さんは、職場で靴ずれが起きやすいヒールやパンプスの着用を強制することや、パンプス着用が「マナーや常識」だとみなされる風潮に異を唱えている。

6月3日には、企業でのヒール・パンプス着用の義務づけを禁止するよう求める要望書を、約1万8800人の署名とともに厚労省に提出した。11日時点で署名への賛同者は2万7000人を超えている。

#KuToo問題の根本にあるのは「性差別」であり、「ジェンダーの問題」。石川さんはそう訴える。

「もちろん健康の問題でもあり、労働環境の問題でもあると思うんですが、まず男性と女性の履物が違うことは、忘れずにいてほしいです」

労働法や職場のハラスメント問題に詳しい労働政策研究・研修機構の内藤忍さん(副主任研究員)も、「世の中がこの問題は差別だということをわかっていないのでは」と指摘する。

性差別の定義を「特定の属性の人や集団に対して、他の属性の人や集団に対して不利益を与えること」と説明した上で、「パンプス・ヒールの着用は、健康リスク・災害リスクという意味で、フラットな男性靴よりも不利益性が高いのは明らか」と話した。

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厚労省の「パンプス強制を容認」問題、見解は?

「#KuToo」は国会でも取り上げられた。

6月5日の衆院厚労委員会で、根本匠厚生労働相は「足を怪我した労働者に必要もなく、着用を強制する場合などはパワハラに該当しうる」と答弁。

一方で、女性へのヒール・パンプス着用指示や義務づけについては、根本氏は「社会通念に照らして業務上必要かつ相当な範囲」との見解を示した。この内容をめぐり、「パンプス強制を事実上容認しているのではないか」として報道が二分していた。

今回の院内集会には、厚労省雇用機会均等課の担当職員も出席。

根本氏の答弁について、「パンプスの強制を容認したかのような報道もあったが、そういうことを言いたかったわけではない」と説明。「健康被害がある中でパンプスを強制することは適当じゃない。怪我をしているのに、本人が嫌がっているのに強制することはパワハラになりうる」と改めて述べた。

一方で、パンプス強制をパワハラではなく「性差別」の問題として扱うことについては、「現行のルールでは対応できない」という。

男女雇用機会均等法では募集や採用など、雇用の分野での性差別を禁じているが、「現行の解釈では服装の違い、あるいは服の中身の違いで(男女の処遇の違いを)禁止するという議論が法律の中にない」と話した。 

石川さんに理不尽なバッシングも

接客業や就活中の女性など、多くの人がヒール、パンプスを履かなくてはいけない環境に置かれ、悩みを抱えている。もちろん自由な服装を認める会社も増えてきたが、職場によっては、就業規則で厳しく服装を規定されている人もいる。

BUSINESS INSIDERのアンケート調査では、回答者205人中、6割を超える140人が「職場や就活などでハイヒール・パンプスを強制された、もしくは強制されているのを見たことがある」と回答した。

「#KuToo」は、こうした性差別に基づいた処遇の違いをなくし、誰もが履きたい靴を履ける社会を目指す運動だ。しかし、発起人である石川さんには、「会社に直接言えばいい」などと非難する声や、「ヒールを履いたらダメなのか」と誤解に基づくコメントが寄せられている。

なかには、石川さんが勤める葬儀社を突き止めようとする人もいたという。

石川さんは、声をあげた人の「粗探し」をするようなネット上の空気によって、「結局問題が解決せずに終わっていくのでは」との懸念も吐露。以下のように訴えた。

「自分は芸能の仕事をしていたので、バッシングに慣れているというか、言い返すことができるんですが、これが一般の女性だったら多分会社を辞めなきゃいけなくなっていると思うし、精神面もすごく辛いと思う。そういう女性を増やしたくないので、賛同してくださっている方がいたら、みんなで協力してもらえたら」

「どうしてもバッシングの方に目がいってしまって、怖かったんですけど、これだけ集まってくれる人もいる。同じ思いの人がたくさんいてくれるということがわかるので、こういう集会を開いてくださってありがたいです。みんなで協力しあってやっていけたら嬉しいです」

石川優実さん

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パワハラを受けたことがありますか?ミドル世代の8割が経験あり。(調査結果)

ミドル世代のための転職サイト『ミドルの転職』上で、サイトを利用している35歳以上のユーザーを対象に「パワーハラスメント」についてアンケートを行ない、2,911名から回答を得ました。

 

■調査結果 概要

★ 8割以上が「パワハラを受けたことがある」と回答。

★ パワハラの被害第1位は「精神的な攻撃」。パワハラを受けた3人に1人が「退職」を選択。

★ パワハラ防止に有効だと感じるのは、「第三者機関によるチェック」「厳罰化」「定義の明確化」。

 

■調査結果 詳細

1:8割以上が「パワハラを受けたことがある」と回答。(図1、図2、図3)

パワハラ(パワーハラスメント)とは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える、または職場環境を悪化させる行為のこと。現在、厚生労働省は、職場のパワハラ防止措置を企業に義務付けるための法整備を進めています。

「パワハラを受けたことがありますか?」と伺ったところ、82%が「ある」と回答しました。性別や年代別に見ても、パワハラ被害の差は無いことが分かりました。

 

【図1】パワハラを受けたことがありますか?

【図2】パワハラを受けたことがありますか?(男女別)

【図3】パワハラを受けたことがありますか?(年代別)

2:パワハラの被害第1位は「精神的な攻撃」。パワハラを受けた3人に1人が「退職」を選択。(図4、図5、図6)

「パワハラを受けたことがある」と回答した方に被害の内容を伺うと、「精神的な攻撃(公の場での叱責、侮辱、脅迫)」(66%)が最多でした。男女別に見ると、女性は男性に比べ、「人間関係からの切り離し(隔離、無視、仲間はずれ)」(45%)、「過小な要求(仕事を与えない、程度の低い仕事を命じる)」(33%)、「個の侵害(プライベートに過度に立ち入る)」(27%)の回答が目立ちました。

具体的に誰から被害を受けたのか伺うと、最も多かったのは「同性・年上の社員」(75%)でした。男女別では、女性は男性に比べ、「異性・年上の社員」(40%)が多く挙がりました。

パワハラへの対策を伺うと、トップ3は「退職した」(35%)、「気にしないようにした」(33%)、「パワハラをしてくる人とは別の上司や先輩に相談した」(31%)でした。「人事やハラスメント対応窓口などに相談した」(19%)、「労働基準監督署など公的機関に相談した」(9%)など、相談・解決に乗り出す方よりも、自ら環境を変えるか、現状のまま耐えるという回答が上回りました。「その他」(21%)と回答した方の中からは、「成果を上げて見返した」、「録音をして、パワハラの証拠を集めた」、「異動希望を出し続けた」などの対策が挙げられました。実際にあったパワハラの例も紹介します。

 

【図4】「パワハラを受けたことがある」と回答した方に伺います。どのような内容でしたか?(複数回答可)

【図5】「パワハラを受けたことがある」と回答した方に伺います。誰からのパワハラでしたか?(複数回答可)

【図6】「パワハラを受けたことがある」と回答した方に伺います。どのように対処しましたか?(複数回答可)

 

実際にあったパワハラ事例

・「子育てを疎かにしているのではないか」などプライベートについて根拠もなく悪口を言われたり、詮索をされ続けた。(35歳女性)

・首をつかんで殴る、棒で叩くなどの暴力を振るわれた。(36歳男性)

・ほぼ毎日、夜中に私への非難のメールが長文で送られてくる。その中には解雇をほのめかすような記載もあった。(36歳女性)

・子供が体調不良でも休暇を認めてもらえなかった。さらに、深夜残業をしていると、私の仕事の進め方が気に入らないという理由で、30分以上も説教をされた。(37歳女性)

・自身の機嫌が悪いと、机を蹴ったり、人に向けて物を投げたり、圧力をかけてくる。(39歳男性)

・業務上の些細なことを洗いざらい拾われ、毎朝職場で公開で叱責を受けた。挙げ句、突然有無を言わさず解雇された。(41歳男性)

・上司から椅子を蹴られるのは毎日。さらに作った書類を目の前でやぶり捨てられたり、不可能な仕事を与えられ、時間がかかるとみんなの前で怒鳴られ、人格を否定された。(41歳男性)

・リーダーからミーティングのスケジュールを知らされず、幾度も遅刻や未参加となった。また、初めて自分が契約を取った案件から理由もなく外されたり、飲み会に1人だけ呼ばれなかったり、事実と異なる評価を言いふらされた。(44歳女性)

・家族のことを馬鹿にされたり、「今すぐ屋上から飛び降りろ」などと脅された。(46歳男性)

 

3:パワハラをなくすために有効だと感じるのは、「第三者機関によるチェック」「厳罰化」「定義の明確化」。(図7、図8)

「パワハラをなくすためには、どんな方法が有効だと思いますか?」と伺うと、「第三者機関による社内風土のチェック体制をつくる」(50%)が最多でした。次いで同率で「厳罰化」(46%)、「パワハラの定義を明確にする」(46%)が続きます。個人ではなく、会社として対策を練ることを期待する声が多いです。

「ご自身がパワハラをする側になる可能性、または経験がありますか?」と伺うと、65%が「ない」(根拠はないが、気を付けて行動している:34%、パワハラの定義を把握しつつ、気を付けているので問題はない:31%)と回答しました。一方、29%が「ある」(実際にパワハラをしたことがある:2%、自分の行動がパワハラでは、と思ったことがある:27%)と回答しました。約3割が、自身もパワハラの加害者になっているのではないか、と不安を感じているようです。パワハラにならないように、気をつけていることもご紹介します。

 

【図7】パワハラをなくすためには、どんな方法が有効だと思いますか?(複数回答可)

【図8】ご自身がパワハラをする側になる可能性、または経験がありますか?

パワハラにならないように、気をつけていること

・なにか注意をする際は、他人の目に触れないところで行なう。また、いまなぜ注意をしたか、理由を説明するようにしている。(35歳男性)

・仕事の指示を強めにする際、「パワハラと感じるようならすぐに改めるので、教えてほしい」と伝えている。(35歳女性)

・自身が日常的なパワハラを受けているので、部下や後輩に対してはそうならないように心掛けている。(37歳男性)

・就業規則を改めて確認。規則に基づいた行動を徹底し、必要範囲だけの会話や行動に抑える。(38歳男性)

・指摘すべき内容をあらかじめ列挙し、それ以外のことは言わない。話している流れで、今回とは関係ない事項について注意してしまわないようにする。また、大前提として声を荒げない。(39歳男性)

・日頃からの信頼関係の構築が大切だと思います。特にコミュニケーションをとる際に、年上であれ年下であれ、同等と思い、相手の言葉をよく聞き、接することを大切にしています。(39歳女性)

・感情的にならない。感情的になりそうなときは、一旦冷静になって考える。仲のいい同僚などに、一度客観的に話を聞いてもらうと、感情の整理ができる。(44歳男性)

・教育のつもりが批判にならないよう、本人の成長に向けて改善点を提案し、最終的には本人の判断に委ねるという形を取っています。(45歳女性)

 

【調査概要】

■調査方法:インターネットによるアンケート
■調査対象:『ミドルの転職』を利用する35歳以上のユーザー
■有効回答数:2,911名
■調査期間:2018年12月28日 ~ 2019年1月31日

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委託先の女性自殺とパワハラの因果関係が主な争点に。遺族らがビ・ハイアを訴えた訴訟

記者会見する清水有高社長=東京地裁

ゲームやアニメ業界の求人広告を手がける会社の業務を請け負っていた女性(当時30)が自殺したのは、同社社長によるパワーハラスメント(パワハラ)が原因だったとして、女性の両親や元同僚の男性2人が会社と社長を相手取った損害賠償請求訴訟は1月11日、東京地裁で第1回口頭弁論があった。

被告側はパワハラで女性が自殺したとする原告の主張は「事実無根」と否定した。パワハラの有無と女性の自殺との因果関係が主な争点になる見通しだ。

訴えられているのは、「ビ・ハイア」(東京)と、同社社長の清水有高氏。訴状によると、女性は仲介会社を通じてビ・ハイアから営業業務を請け負っていたが、2018年2月下旬、ビ・ハイアの事務所が入っていた東京都内のマンションから飛び降り自殺した。

原告は、女性は清水社長に対する多額の借金を返す名目で、報酬が天引きされていたと主張。家賃が払えないことからビ・ハイアの事務所で暮らすようになったが、ここでの生活はウェブカメラなどで監視されたり、食事制限を受けたり、清水社長から人格を否定されるような暴言を浴びたりするなどのパワハラ行為が続き、それが原因で自殺した、と訴えている。

一方、被告側は、女性は清水氏に対して借金を負っていたが、報酬は仲介会社から現金で渡されていたなどとして天引きを否定した。

ウェブカメラについても、来訪者を記録するために玄関に設置したことは認めたが、女性らを監視するためではないとした。

食事制限については、清水社長と頻繁に外食していたほか、事務所にもレトルトカレーや米、乾燥大豆など備え付けの食べ物があったと反論。暴言についても否定した。

この日の弁論では、女性の父親と元同僚男性2人が原告として意見を述べた。元同僚の一人は清水社長について「表と裏の顔を持っていた」と主張。対外的にはわからないようパワハラを繰り返していたと述べた。

これに対し、清水社長ら被告側は口頭弁論後に記者会見を開き、原告側の主張について「事実無根」と改めて主張。その上で、「記者会見で語られた内容も虚偽に満ちたつくり話であるということを訴え、質していく」ためとして、名誉毀損で原告を反訴したと説明した。


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委託先の女性自殺は「パワハラが原因」と訴えられた広告会社の社長、「事実無根」と反論。全面的に争う構え

ゲームやアニメ業界の求人広告を手がける会社の業務を請け負っていた女性(当時30)が自殺したのは、この会社の社長によるパワーハラスメント(パワハラ)が原因だったなどとして、女性の両親と元同僚らが会社と社長を訴えた訴訟の第1回口頭弁論が1月11日、東京地裁である。

それに先立ち、社長が1月10日、ハフポストのインタビューに応じ、パワハラで女性が自殺したとする原告側の主張は「事実無根」と反論、全面的に争う方針を示した。

一方、訴えの中で原告側から「奴隷的拘束」などと決めつけられたのは名誉棄損に当たるとして反訴したことも明かした。

インタビューに応じたのは「ビ・ハイア」(東京)の清水有高社長。訴訟をめぐって清水社長が本格的な取材に応じたのは初めて。

取材に応じたビ・ハイアの清水有高社長=東京

ビ・ハイアと清水社長が訴えられたのは2018年10月。一方、ビ・ハイア側も12月、原告の元同僚の男性1人に対し、不法行為によって営業収入が失われたとする別の損害賠償請求訴訟を東京地裁に起こしている。

清水社長とのやり取りは次の通り。

「民事で冤罪」

――原告側は、女性の自殺が清水社長のパワハラが原因だと主張しています。

まず、彼女が亡くなったことは悲しくてつらいことでした。その上で、原告の主張は事実無根であると言いたいです。裁判でも争っていきます。

みなさんも一番知りたい部分でしょうが、私自身、語るのもつらい。詳細については裁判で明らかになっていくでしょう。

私が「人殺し」だと決めつけられているようで憤りを感じます。提訴するのは自由であり、裁判の中で私について主張を展開するのは、たとえどんな内容であれ構いません。

しかし、原告が裁判だけではなく、その後もしつようにTwitterなどでハッシュタグ(#)を付けた私のフルネームや「奴隷」という言葉を入れた投稿をしていることは許せません。

事務所にも差出人不明の残酷な写真つきの年賀状が届いたり、古着や古新聞とといったごみが宅配便で送りつけられたりしました。嫌がらせのメールや電話、不審者の訪問などもあります。

ネットでもリアルでも一方的な主張が広がっています。これでは民事で冤罪を着せられたようなものです。

原告による一方的な主張の拡散と彼らの主張をそのまま伝える報道が、こうした被害を引き起こしたと思っています。社会として許されることではありません。

――女性が自殺する直前、彼女に対して建物から飛び降りるよう、うながすことを言ったと原告側は訴えています。

もちろん、そんなこと言うわけがありません。

――パワハラと自殺の因果関係を示す根拠として、原告側は女性の遺書を挙げています。

遺書を見たら、女性が親との関係で苦しんでいたことがたくさん書かれています。それは私が今まで彼女から相談受けていたことや、彼女がブログやYouTubeで発信していた内容と一致します。

彼女が私に負った借金についても書かれていますが、それはほんの少しです。当然、自殺との因果関係なんて書かれていません。

――女性や原告の男性らは、清水社長から多額の借金を背負わされたと述べています。

借金については複雑なので答弁書や裁判の中で詳細は明らかにしたいと思います。ただ、原告側の主張はまったく違うということは言っておきます。

「『監視』は事実無根」

――原告はパワハラ被害の一つとして、会社事務所での行動をウェブカメラで監視されたり、社外での行動をスマートフォンのGPS機能で追跡されりしたと言っています。

まったくの事実無根です。彼らが最後に働き、住み込んでいた事務所にはそもそもウェブカメラはありません。確かにその前の事務所にはウェブカメラがありました。それはセキュリティーのためであって、来訪者を記録するために玄関に置いていただけです。彼らを監視するものではありません。

GPSについては、私も含め会社名義のアイフォーンを持っているのですが、それについている標準機能です。つまり、私も含め全員が全員の場所を確認できるようにしていただけです。

例えば午後4時に打ち合わせがあってみんなで集まろうと。来ない人もいるので、この機能を使って場所の確認をすることがありました。

もっとも、チェックするのは私ではありませんでした。彼らがチェックしていたんです。それをあたかも私が24時間、彼らの行動を見張るように使っていたと主張しているのはどう考えても事実無根です。

――原告らに朝まで仕事をさせるため、LINEで数分ごとに「起きてます」というメッセージを送らせていた、ということについてはどうでしょう。

これについても事実に反します。詳細はいずれ法廷で明らかにしていきます。もちろん、深夜帯にLINEのやり取りをしたことはあります。ただ、それは彼らを眠らさないための嫌がらせではありません。

――食事制限を受けていたと原告側は指摘しています。例えば1日1食、乾燥大豆ばかり食べることを強いられたとも。

食事制限なんてありません。むしろみんなでよく外食していました。プロレス観戦後にレストランに行ったり、千葉までドライブに行ってその途中食事を取ったり。

フレンチのフルコースやしゃぶしゃぶ、築地の寿司店、焼き鳥、高級ブラジル料理店。正月にはロブスターを食べました。

乾燥大豆を事務所に置いていたのは事実です。でもそれは彼らが希望したことです。「お米か大豆かどっちがいい?」って聞いたら、彼らは「栄養価が高い大豆がいい」と言ったからです。

大豆だけではなく、レトルトのカレーや米などもありました。あたかも大豆だけをばりぼり食べていたという主張はまったく事実に反します。

――暴言についてはいかがでしょう。

いろんな言葉が文脈とは切り離されて、訴えの中で針小棒大に使われていると思います。

――原告らを強制的に事務所に住まわせていた、とされています。

なぜ彼らがオフィスに住んでいるかという疑問は当然あるでしょう。ですが、大前提として、私は彼らにオフィスに住んでほしくなかった。

だって当然でしょう。一つはセキュリティーの問題があります。サーバにデータがありますし。もう一つは警備システムの問題です。事務所内に人がいると、警備会社と契約して導入した人感センサーが使えません。

彼らに早く家を見つけてほしくて一緒に物件を探したぐらいです。

――原告の男性1人とは大学時代からの友人だったのに、なぜ訴訟に発展するほど関係が悪化したのでしょうか。

男性は昨年3月、突然失踪しました。その際、彼が置いていった預金通帳から不正行為の疑いが発覚したんです。

ビ・ハイアの業務として請け負ったはずの仕事の代金を個人的に得ていたという背任疑惑です。その後、こちらも弁護士を通じて調査を進めました。原告が提訴したのはその後です。時系列を考えると、原告が訴えた理由が見えてくるかもしれません。

――女性はなぜ自殺したのだと思いますか。

色んな要因が複雑にからんでいるかもしれませんし、簡単にわからないと思いますが、いずれにしろ、私の責任だと決めつけるのは憤りを感じます。

むしろ私は原告側に対し、疑問があります。自殺直前の12時間、彼女のそばにいたのは原告の元同僚たちです。彼女に異変はなかったのか。何も気づかなかったのか。それについて彼らは何も語っていません。


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制作者も当事者だ。マスコミのハラスメントを特集、自ら出演したTVプロデューサーの思いは

津田環さん(44歳)は、制作会社「テレビマンユニオン」のプロデューサーで、AbemaTV「Wの悲喜劇」を担当している。

テレビ業界に入って15年、職場でセクシャルハラスメントやパワーハラスメントの被害を受けてきた。母親に電話して辞めたいと泣いて訴える一方で、マスコミで起きているハラスメントを特集した番組を制作し、自ら出演したほか、所属先の会社にもハラスメント対策を講じるよう粘り強く求めてきた。

その結果、2018年秋になって、会社はセクハラの研修を開くなど、対策を講じ始めた。セクハラ対策が特に遅れているテレビ制作業界での一歩になると見られている。

#MeToo、財務省事務次官によるセクハラ、東京医科大での入試差別。この1年、日本では深刻な女性差別が相次いで明らかになった。一方、個人や団体が声を上げ、企業や国がセクハラ/パワハラ、差別対策に取り組み始めた年でもあった。

津田さんの語りから、この国で働く女性が置かれた状況の一端が見えてくる。


津田さんは日本の大学を卒業後、フランスやスペインに留学して映像を学び、2003年、派遣社員としてテレビマンユニオンの制作番組で働き始めた。番組の海外ロケの補助担当だった。その後、同社との契約社員を経て、2010年から「メンバー」と呼ばれる同社の正社員になった。

津田環さん

■「ハラスメントは、あらゆる方面から、それこそ腐るほど受けてきました」

仕事はやりがいを感じる一方、職場でのセクハラやパワハラが渾然一体となって存在する日常があったという。津田さんの証言からは、めまいのするような、その量と内容がみて取れる。

津田)セクハラを受け始めたのは、テレビマンユニオンの直接雇用の契約社員として働くようになった2004年ごろから。ハラスメントは、あらゆる方面から、それこそ腐るほど受けてきました。

飲み会で隣に座る男性ディレクターからお尻をもまれ続けました。他の人に気づかれないよう、後ろから手を伸ばしてくるのです。ショックでしたが無言で手を振り払うくらいしかできなかった。このディレクターは常習犯で、関わった女性スタッフが何人も同じ目に遭っていた。「いつものことだから」と、みんな泣き寝入りです。

大手コンテンツ制作の会社役員と、コンテンツ売買の打ち合わせで食事した際、「いま◯◯語を勉強しているのだが、○○語の歌を聴いてほしい」と誘われ、カラオケボックスに行きました。リモコンで曲を探している間に背後で服を脱いで上半身裸になった会社役員が「乳首触ってよ」「不倫したいんだよねー」などと迫ってきました。早々に退散しましたが、その後も「また飲みましょう」と何度か誘われました。

テレビ局の男性スタッフから、ブレスレットが食い込むほど手首を強く握られ「不倫したいんだよね」などと言って抱きついてきました。翌日、「楽しかったね、これからも会おうね」というメールが来て無視したら「ちょっと酔っちゃったけど、楽しい会だったよね?」などと電話してきました。会社へ報告されるかもと恐れていたみたいです。

1年半ほどほぼ毎日、上司の飲み会につきあわされました。断ると本人の態度がよそよそしくなり、無視されることも。おかげで7kg太りました。飲めば飲んだで「お前は太ってみっともない」「お前にはテレビがわかってない」「お前なんかに才能はない」と説教が続く。その一方で「みんな触らせてる。おっぱいを触らせろ」と何度も要求されました。抗議すると「こんなのセクハラじゃない」と怒り出すのです。新入社員の女子が入ってきてお役御免となりました。

部署の社員旅行で混浴を強要されました。男性スタッフがゲームし、勝った人が、私と2人きりで混浴するというルール。「全員やっているから」と周囲は誰も助けてくれません。一応タオルは巻くものの風呂に入らされ、その後結局全員が入ってきました。

男性スタッフが、飲み会などで独身の女性プロデューサーを引き合いに「お前も気をつけないとあんな風に独身でかわいそうな女になるぞ」と説教する。ほかにも彼氏の有無、独身かどうかが常に話題になり、「あの女とはつきあえない」などとからかいの対象になる。

「女性からプロポーズしたら絶対に断れない南の島」という番組の企画を話し合う会議で「津田、お前も結婚できるからこの島に行けよ」と言われました。そこに女性ディレクターが「津田さんの容姿レベルならその方がいいですね」とかぶせてきました。

■制作者として番組で被害を告白

津田さんが、実際に行動を起こし始めたのは2017年4月。AbemaTVの「Wの悲喜劇」で「マスコミ女子のセクハラ・パワハラ」の特集を組んだ。この特集で津田さんは、「番組スタッフ」として出演、自ら受けてきたハラスメントの経験を語った。制作者自身がハラスメントの当事者として出演すること自体、過去に例のないことだった。

津田)Wの悲喜劇は、インタビュアーが、当事者の体験や本音を引き出すという構成です。この回に関しては、マスコミで働く当事者として、私も出演することで、スタッフの間で合意していました。

当時、電通で働いていた高橋まつりさんが自殺した件をめぐり、広告代理店での働き方や社員へのセクハラ・パワハラが問題視されていたことも背景にありました。

マスコミ内部で起きていることにもっと目を向けて自ら話さないといけない。番組でこのテーマを取り上げるのなら、中の人はどんな思いで番組を作り、セクハラやパワハラを報じているのか、制作者が自ら話すことこそが意味がある、と思ったのです。

だから、会社名も番組名もプロデューサーとしてのポジションも公表した上で、出るつもりでした。

なぜ、このテーマを放送するのか。番組のプロデューサー、津田環さん自身に、ある問題意識があったからだと言います。「メディアは、自分たちのことは棚にあげ、他の業界のことを偉そうに語ったり、批判したりしがちです。でも、実際のところ、自分たちの業界はどうなのか? 他人ごとではなく、自分たちに起こっていることを検証する必要がある。そんな問題提起をしてみたかった」と制作意図を語ります。(2017年4月22日付弁護士ドットコム記事「最近いつやった?」は挨拶がわり…メディア業界のセクハラを問うより抜粋)

だが、津田さんが出演の予定を会社に伝えると、反対された。

津田)テレビマンユニオンの代表と女性の上司から「会社の名誉を傷つける」「会社が不利益を被る」「プロデューサーである人間が自ら出演すると番組内容の公平性が保てない」などと反対されました。「わたしはそうは思いません」と反論しました。

自分たちの経験を振り返り、反省し、証言することは、公平性を阻害するものではない、と考えたのです。メディアで起きている問題をメディアが検証するのなら、むしろ制作者自身が顔を出したほうが視聴者に誠実だろう、と。公平公正さの判断をむしろ受け手にも問うて、より対等な立場で議論しよう、という思いがありました。

ですが結局、仮面をつけて、仮名で出演せざるをえませんでした。

このときの特集が注目され、2018年になってから欧州のテレビ局から、日本のメディアでのセクハラに関する取材が相次ぐようになる。

津田)1月にはスウェーデンの放送局(Sweden TV4)から伊藤詩織さんのレイプ事件を受け「なぜ日本では#MeToo運動が盛んにならないのか」などとインタビューされました。6月には、イギリスのBBCからも取材を受けました。顔と名前を出し、過去に受けたセクハラ/パワハラの被害を話しました。

BBC記者の取材を受ける津田環さん(右)

津田)BBCに話した内容はその後、私の名前や肩書とともに、ニュースメディアで記事として紹介されました。記事を読んだ会社の役員に呼ばれ、「社内外から問い合わせが来ている。なぜこういう記事が出たのか」などと経緯を聞かれました。私は経緯を説明するとともに、「私個人としては(取材を受けたことや実名で記事になったことで)何ら不都合があるとは思わない」と答えました。

この場では、「同じ社員として、(過去に受けたセクハラ/パワハラを)いまどう思っているのか話を聞きたい」と、次のような内容も尋ねられました。

「何年も前のセクハラの経験で受けた不快さは、今も変わず感じているのか」

「ハラスメントを受けながら、会社を辞めようとは思わなかったのか」

「セクハラを受けた当時、その都度抗議はしたのか」

「ハラスメントをした社内の人間に(正式な場での抗議など)どういう形をとりたいという思いがあるのか」

私は過去に受けたハラスメントの経験を話すとともに、こう答えました。

「セクハラをたくさん受けてきたことはいつまでも忘れないし、変わらない」

「Wの悲喜劇の特集で、ほかの出演者は全員顔出しだったのに、なぜ制作者であるわたしが仮名・仮面で出演しなければならなかったのか、今でも腑に落ちない」

「セクハラした相手に抗議したこともあったが、こんなのセクハラじゃないと言われた。周囲もそういうものだと。だから止める人もいない。『あれはひどいよね』といってくれるスタッフもいたが、うちの会社にセクハラなどない、と信じないスタッフもいた」

「実名で経験を伝えたのは、加害者を告発したいのではなく、こういうハラスメントがなくなればいいと思いがあった。発言することで、加害者への抑止力にもなる」

「男女関係なく、ハラスメントを受けている実態はいまも見聞きするし、土壌としてあると今も思っている。会社として(セクハラ対策で)できることはやってほしい」

抗議したかどうかについては繰り返し問われたので、違和感を覚えました。「その場で抗議しなかったらセクハラOK」という理屈で聞いているのか?と。

された人なら分かると思いますが、すぐにリアクションなどとれません。そんなことは常識だと思っていましたが、知らない人は多いのだ、と改めて気づかされました。

また、前年のWの悲喜劇でのセクハラ特集の収録を巡る会社とのやりとりでも、セクハラの対策をとるよう会社に求めていたのですが、その後、具体的に何か行われているようにはみえない、と指摘すると「具体的な例があれば(ハラスメントの加害者/被害者の)当事者と話し合うなどしている」と言われました。

これにも、驚きました。もし、加害者と被害者の話し合いで解決させようとしたこともあるのだとすれば、被害者にとってハラスメントの相手に会うのは恐怖以外の何物でもないのに、よくないやり方だと思いました。だからこの場でも「当事者である相手と直接会うのは厳しいものがある」と指摘しました。

どんなセクハラ対策が有効か、具体策を聞かれた津田さんは、次のような内容を役員に求めた。

・啓発ポスターを社内に貼るなどの初歩的なことから始め、研修を開き、どういう行為がセクハラ/パワハラになるのか、現場のケースに即して解説する機会を設けること

・通報・相談がもみ消されることのないよう、窓口を社内外に設け、第三者委員会で検討するなどの仕組みを作ること

・就業規則などに、ハラスメントへの罰則規定も盛り込むこと

津田)レベルの高い要望とは思っていません。一般企業並みの対策を立ててほしいと思っただけです。テレビマンユニオンは、テレビ業界の制作会社では老舗です。制作会社の模範となる対策を早急にとってほしい。会社のイメージにもつながる、と伝えました。

9月1日、同社の正社員全員が対象の「メンバー総会」が開かれた。津田さんは、この総会で発言し、会社全体としてセクハラ/パワハラ対策をとるよう、改めて会社に求めた。10月、同社はセクハラを受けた経験の有無や具体例を尋ねるアンケートを実施。11月までに、管理職や社員が対象のセクハラ/パワハラの研修が開かれた。

ハフポスト日本版は10月25日、メールでテレビマンユニオンの担当役員に、セクシャルハラスメントの対策をとるに至った経緯や今後の取り組みの具体的な内容について取材を申し込んだが、「現在 検討中ですのでお答えすることはできません」とした上で「取材の対応は、控えさせていただきたく存じます」という返答だった。

■「わたしを大事にしない組織を、どうしてかばわないといけないの?」

メンバー総会の翌日、津田さんは、自身のFacebookで、これまでの思いを綴った。

おかんは、わたしがわけのわからんセクハラやパワハラにあってたときからずっと深夜に泣きながら電話をかけるわたしにつきあってくれた。これは長年にわたる話だ。

(中略)

でも親はわたしが海外帰りで、この子ちゃんと日本社会で働けるんか?と相当心配だっただろうから、会社はやめたらだめだよ、ていうてた。しかもわたしは、もちろん就職氷河期世代で、かつ海外から帰ってきてなんかニート感満載だったし。

「もう辞めたい」ていうても「もうちょい頑張れ」の繰り返しで、くそーと思って(なぜか)親と喧嘩。

だから、ここまできた。

だって悔しかったから、わたしはお前らに言われ放題、されるがままに、アホで海外かぶれの、テレビの才能がない女で、太って結婚もできないかわいそうな女で、AP(アシスタント・プロデューサー)はできてもプロデューサーができない女ではありません、と堂々と言えるまで、ここまでかかったんだよ。絶対負けないよ。

でもこれはいま辛い思いをしているひとに推薦できる戦いではない。たまたまわたしは、そういう喧嘩上等メンタルだっただけだから。

(中略)

わたしのことを嘲笑する人もいれば、なぜこういうことを外に公表するのかわからないという人もいる。

ただ、人の働く意味っていうのは、組織の(誰かの)いうことをきくことじゃないんだと、わたしは微微たる力を持って言います。

わたしを大事にしてくれない組織のことを、どうしてわたしがかばわないといけないの?
(後略)

(2018年9月2日付Facebookページ投稿から抜粋)

■ハラスメントの継承、もう耐えられない

津田)テレビ業界で働いて15年、1人で仕事ができる立場にならないと、被害を訴えても誰も絶対に耳を傾けてくれない。そういう業界だと思って今まで黙ってきました。

いまセクハラ/パワハラの経験を公言し、会社にも対策を強く求めているのは、私がプロデューサーという立場になれたからです。プロデューサーは、自分の番組の予算を掌握するなど、様々な権限を持つ立場です。仕事を依頼されるだけの人脈もあります。だからセクハラ/パワハラを訴えたくらいで、干される心配はありません。

10月にテレビマンユニオンで開かれたセクハラ/パワハラの研修で、弁護士が話していたのですが、マスコミの中でも特にテレビ業界が、対策が遅れているそうです。

思い当たる節は多いです。セクハラ/パワハラが起きやすい土壌として、テレビ業界の明確な身分・待遇の「格差」も一因ではないかと思っています。

テレビ番組は、大手代理店やテレビ局が制作会社に発注し、制作会社だけでなく、その下請け、孫請けの小規模の制作会社のスタッフも参加して作られています。正社員は少なく、スタッフの多くは、かつての私がそうだったように、番組ごとに契約を結んだフリーランス、派遣社員です。女性が極めて少ない業界に加え、いまだに補助業務についているのは大半が女性です。

さらに、クリエイティブ要素の強い仕事なので、アイデアやセンス、才能という俗人的なもの、感覚的なもので評価されます。先輩ディレクターの命令は絶対ですし、ミスの指摘も、能力や人格に言及しがちです。「このままじゃディレクターになれないよ」「お前、つまんない」「女と仕事してよかった番組など一度もない」などですね。

制度や啓蒙といった介入がないままハラスメントの文化が受け継がれ、かつて上司や先輩からのハラスメントに耐えてきた「被害者」の同僚・後輩たちが、今度は「加害者」となって、自分の後輩に「指導」という名の執拗な説教や罵倒をするのです。

セクハラのメカニズムや差別意識、人権侵害への理解も不十分なままで、被害者や加害者の直接の話し合いの場を持つなど、会社も誤った知識で対処してきたと思います。「セクハラに遭うなんて、まともな女性と認められている証拠」と悪気なく言う人も職場にはいます。こうした状況で、会社を居づらくなって辞めるのはいつも被害者側で、加害者は反省もせず開き直って仕事している状況は理不尽だし、悔しかった。

こんな環境で働いてきた私自身にも、きっとハラスメントの文化は受け継がれています。実際のやりとりにも、パワハラ的なコミュニケーションが染み付いているでしょう。そう思うと耐えられない。トラウマも、一生抱えるでしょう。それに、ハラスメントを受けなければ、もっと違うキャリアの道もあったかもしれないという思いも抱いています。失われた時間への代償は、誰も払ってくれません。

正直、加害者の考えは一朝一夕で変わるものではないと思います。彼/彼女たちは、悪いと思っていませんから。でも制度があれば、少なくとも言動の抑止力にはなると思います。


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パワハラで訴えられた広告会社のビ・ハイア、業務委託先の男性を提訴。「不法行為で損害生じた」

業務委託先の不法行為によって営業収入が失われたとして、ゲームやアニメ業界などの求人広告を手がける会社「ビ・ハイア」(東京、清水有高社長)が、委託先の男性に約630万円の損賠賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。

12月21日、この裁判の第1回口頭弁論があったが、男性側は代理人も含めて出廷せず、訴えの内容について補足説明を求める書面が提出された。

ビ・ハイアをめぐっては男性らが10月、清水社長からパワーハラスメント(パワハラ)を受けて賃金が支払われなかったなどとして別の訴訟を起こしている。

訴状によると、ビ・ハイアは仲介会社を通じ、この男性に営業の代行業務を委託。男性はゲーム会社など数社に対して営業をしたが、ビ・ハイアに内緒で個人的に仕事を受注、2015年から2018年にかけて計約570万円の報酬を得たという。

男性は仲介会社との間で、ビ・ハイアの業務と競合する別の仕事はしないとする契約を交わしていたと、原告側は主張。男性が個人的に受注したことは契約違反にあたり、そうした不法行為によってビ・ハイアが得るはずだった利益が失われたとしている。

男性の代理人を務める深井剛志弁護士はハフポスト日本版の取材に対し、「請求内容に不明な点が多く、現段階ではコメントできない」とし、原告側の回答を受けて反論する考えを示した。

仲介会社も12月19日、男性らに損害賠償の支払いを求める同様の訴えを東京地裁に起こした。

「パワハラ」主張、社長は否定

男性は10月、清水社長からパワハラを受けたなどとして、ビ・ハイアと清水社長に未払い賃金や損害賠償の支払いを求めて提訴した。

原告メンバーとして、同じような業務委託契約を結び、2月に自殺した女性の両親らも加わっている。原告は訴えの中で、女性の自殺もパワハラが原因だったと主張している。

清水社長はハフポストの取材に対し、今回の訴訟は「被告(男性)から提訴されたこととは全く関係なく半年ほど前から準備していた」と明かし、男性らに対する報復ではないことを強調した。

一方、パワハラがあったとする男性らの主張については「男性側は奴隷的拘束を受けていたなどの主張をしていますが、事実と異なります。今後、証拠を提出して裁判所にきちんと判断していただきたいと思います」と争う方針を明かした。


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