アート&カルチャー

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読書のレベルをワンランク上げる、ドラクエの“不思議な鍵”的1冊

本屋さんで働きたいなと思ったのは、本を読むことと同じくらい本を紹介することが好きだと気づいたからです。きっかけは、とある読書記録サイトの利用でした。

ちなみに、そのときのペンネームは「あさ・くら」。ちょうどハマっていたのがアーサー・C・クラーク。なんともひねりがなく、お恥ずかしい……。

今回ご紹介いたしますのは、ショーペンハウアー『読書について』です。

曰く、「ただ経験しただけ、本を読んだだけでは、ものを食べたところまでに過ぎず、じっくり考え、思索することで初めて消化吸収し、自分の血肉となる」のだそう。

当時の私は、その言葉を受け、袈裟切りにバッサリ斬り捨てられたのでした。そして、「消化せねば!」という勢いだけで、読書サイトに登録したのです。それが転じて、転じて、いまに繋がっているのかもしれませんね。

さて、突然ですが、私が幼い頃に熱中した1本のゲームソフトがあります。

『ドラゴンクエストモンスターズ2 マルタの不思議な鍵』

2000年代初頭、ゲームボーイに色がついた頃のRPGです。主人公の少年少女は、タイトルにある「不思議な鍵」を使って異世界への扉を開き、経験値やアイテムを稼いで戻っては、元の世界のストーリーを進めていきます。

鍵は無数。じっくり探索するもよし。手早く戻るもよし。得られるものも運や時間、当人のレベルによって様々です。

「これって読書に似てない?」と思うのは飛躍が過ぎるでしょうか。

私はこう思うのです。「ショーペンハウアーさんの言う、読書に似てない?」と。

星の数ほどある本。選書も読み方も人それぞれ。その中に赴き、冒険した後、みな元の人生に戻っていくのです。しっかり冒険すれば、それだけ本筋、つまり人生に活かすことができます。でも、冒険しているだけでは本筋が進みません。

なんだか本筋が停滞気味という方、おられませんでしょうか。あるいは、冒険してばかりの本の虫な方、おられませんでしょうか。

そんな方々には『読書について』をお勧めしたいと思います。

本は読むだけ、食べるだけで終わってしまっているなら、ぜひ本書を読んでみてください。栄養として吸収してこその「読書」です(もちろん感想・書評として排泄するのもまた一興です)。

読書のレベルを一段階上げる不思議な鍵の1本、『読書について』は本屋に売っています。

忙しく過ぎ去る毎日の合間、私は”不思議な鍵”を空想します。

「今日書棚に並べた1冊が、今日POPを書いた1冊が、きっと異世界への不思議な鍵で」

「そこで得た経験値やアイテムは、血肉となってストーリーを進めていく助けになる」

「本筋のストーリーに行き詰った人は、また別の鍵を探しにお店に足を運ぶ」

そんな鍵屋をやりたいなぁ、と思いながら、私はいま本屋をやっております。

連載コラム:本屋さんの「推し本」

本屋さんが好き。

便利なネット書店もいいけれど、本がズラリと並ぶ、あの空間が大好き。

そんな人のために、本好きによる、本好きのための、連載をはじめました。

誰よりも本を熟知している本屋さんが、こっそり胸の内に温めている「コレ!」という一冊を紹介してもらう連載です。

あなたも「#推し本」「#推し本を言いたい」でオススメの本を教えてください。

推し本を紹介するコラムもお待ちしています!宛先:book@huffingtonpost.jp

今週紹介した本

ショーペンハウアー『読書について』(光文社古典新訳文庫)

今週の「本屋さん」

萩原健太(はぎわら・けんた)さん

フタバ図書 ジ アウトレット広島店(広島県広島市)

どんな本屋さん?

「フタバ図書 ジ アウトレット広島店」は、広島市に昨年オープンしたアウトレット商業施設内にある書店。いつも多くの人で賑わっています。売れ筋の本が手に入るのはもちろん、華やかな広島カープグッズコーナーも見どころの1つです。入り口のフェアコーナーでは、おしゃれ、かつ、珍しい書籍のフェアを常時展開中。ある意味、フタバ図書”らしくない”お店です。 ツイッターのアカウント(@futaba_toh)も要チェックです。

(企画協力:ディスカヴァー・トゥエンティワン 編集:ハフポスト日本版)


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家の前にあった樹齢110年の巨木が腐ってきて…→図書館にしてみた【画像】

自宅前の木をくり抜いて作った図書館が話題だ。

It’s beginning to look a lot like Christmas!

Sharalee Armitage Howardさんの投稿 2018年12月13日木曜日

米アイダホ州に住む司書のシャーローリー・アーミテージ・ハワードさんの家の庭には、古い大きな木があった。樹齢110年を超えるポプラの巨木。しかし、この木が腐り始めたことに、ハワードさんは気づく。

そこでハワードさんは、この古木を図書館にして住民に役立ててもらうアイデアを思いついた。

Ok, this project isn’t quite finished… but I can’t wait to share it. We had to remove a huge tree that was over 110…

Sharalee Armitage Howardさんの投稿 2018年12月10日月曜日

動画では、木の内部の様子もわかる。

ハワードさんは2018年12月、作成途中の図書館の様子をFacebookに投稿。8万件以上のいいねを獲得した。

「リトル・フリー・ライブラリ」で自宅に図書館を作った

米メディアのKREMテレビによると、この木は中心部が腐り始めており、ハワードさんの家族は木を取り除こうと考えていたという。

しかし、ハワードさんは木を取り除かず、非営利団体の「リトル・フリー・ライブラリ(小さな無料図書館)」に加入した。本の交換を推奨する団体だ。

リトル・フリー・ライブラリのしくみはこうだ。

  1. まず郵便ポストのような箱を自宅などに設置する。
  2. 次にこの箱に、自分の好きな本や、地域の人たちに読んでもらいたい本を入れておく。
  3. 近隣住民は自由にこの箱の本を借りて良い。
  4. 読み終わったら、また箱に返しておく。

団体は、図書館を作るための「キット」を販売したり、自分で図書館を作りたい人にその方法を教えたりしている。全世界88カ国で、約7万5000の登録があるという。

Can you imagine if you’d grown up without books? For many kids, that’s a reality. But you can help, starting in your own front yard. Start a Little Free Library: LittleFreeLibrary.org/start

Little Free Libraryさんの投稿 2018年11月9日金曜日

KREMテレビによると、今回ハワードさんは団体の支援を受けて、巨木を図書館に作り変えた。木の上部を切り倒したあと屋根をつけ、木の中をくりぬいて本棚を設置。室内に照明もつけた。

ハワードさんは今回のプロジェクトのようなことで「世界をより住みたくなる場所に変えられる」と話している。


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指原莉乃さん、NGT48山口真帆さんの暴行被害「運営側のすべての対応がひどかった」

2018年10月9日撮影

NGT48の山口真帆さんに対する暴行容疑で男2人が逮捕(その後不起訴処分)された事件で、関連グループHKT48の指原莉乃さんが1月13日、「(所属事務所AKSの)すべての対応がひどかった」と話した。フジテレビ系で放送された「ワイドナショー」の一幕だ。

事件をめぐっては、山口さんが「被害者」なのに公表に追い込まれたことや、所属事務所のAKSの対応が後手に回っていることに批判が集まっていた。

「うやむやにしてはいけない」

指原さんはこの日の放送で、「すべての対応がひどかったように感じる。すべてが間違っていた。私もTwitterに書いたけど、どうにかしてあげることはできなかったかと思う」と語った。

また、指原さんが1月11日のTwitterで、運営側の対応に苦言を呈したことについても、「ガス抜きとして思われて、運営がそれでいいのかなと思うようなことはあってはいけない。このままうやむやにしては絶対いけない」と話した。

運営側のAKSは再発防止策として、「全グループメンバーへの防犯ベルの支給、各自宅への巡回等の対策を徹底する」ことを公表した。これについて指原さんは、次のように話した。

「それが自分の中で一番気になっていて。防犯ベルって、じゃあ、その瞬間引っ張って音がなって、誰がどうしてくれるのか。携帯はできるが、その場でどうしてくれるのっていう感じじゃないですか。なんで文書で『警備を強化して、必ず自宅の玄関まで送るようにします』(と事務所は言わないのか)。すべてが軽いように感じる」。

運営側の体制にも疑問の声

放送では、出演者の乙武洋匡さんや古市憲寿さんも加わって、芸能人やタレントが身を守る方法についても議論が広がった。

古市さんは「SNSがあってよかったという風にも思う。昔の時代に同じようなことが起きていたら、潰されていたかもしれない。ShowroomやTwitterで今回の事件が明らかになったのはせめてよかったこと。ライブで彼女は謝っていた。謝らせてしまう空気感はよくない。ただ、謝ったった後にファンが『そんなことないよ』と言ったことには救われた」。

乙武さんは「(芸能人やタレントは事務所側に)なかなか強くものが言えない。組合のようなものを作って、組合として各事務所と交渉する仕組みづくりが必要だと改めて感じた」と話した。

指原さんも「とにかく誰がトップなのか誰が仕切っているのかも私ですらわからない。(経緯や再発防止を説明する)運営側のコメントも誰が書いているかもわからない。(そういうコメントを)中途半端に出した」と話した。

事件の経緯は

事件は2018年12月8日の夜に起きた。男性2人が、山口さんの家に押しかけるなどしたとして、新潟県警に暴行容疑で逮捕された。2人は12月28日、不起訴処分となり、釈放されている。

山口さんが1月9日、「男2人に襲われました」とネットで投稿したことから事件が明らかになった。その後、所属事務所のAKSが1月10日、「メンバーの1人が男から道で声をかけられ、推測出来るような(山口さんの)帰宅時間を伝えてしまった」と、NGT48メンバーの関与があったことを認めた。

山口さんは1月10日、グループの活動拠点の新潟の「NGT48劇場」に姿を見せて、「お騒がせして申し訳ありません」と頭を下げた。山口さんが「被害者」なのに、謝罪に追い込まれたことは海外メディアでも報じられた。


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指原莉乃さん、NGT48山口真帆さんの暴行被害「運営側のすべての対応がひどかった」

2018年10月9日撮影

NGT48の山口真帆さんに対する暴行容疑で男2人が逮捕(その後不起訴処分)された事件で、関連グループHKT48の指原莉乃さんが1月13日、「(所属事務所AKSの)すべての対応がひどかった」と話した。フジテレビ系で放送された「ワイドナショー」の一幕だ。

事件をめぐっては、山口さんが「被害者」なのに公表に追い込まれたことや、所属事務所のAKSの対応が後手に回っていることに批判が集まっていた。

「うやむやにしてはいけない」

指原さんはこの日の放送で、「すべての対応がひどかったように感じる。すべてが間違っていた。私もTwitterに書いたけど、どうにかしてあげることはできなかったかと思う」と語った。

また、指原さんが1月11日のTwitterで、運営側の対応に苦言を呈したことについても、「ガス抜きとして思われて、運営がそれでいいのかなと思うようなことはあってはいけない。このままうやむやにしては絶対いけない」と話した。

運営側のAKSは再発防止策として、「全グループメンバーへの防犯ベルの支給、各自宅への巡回等の対策を徹底する」ことを公表した。これについて指原さんは、次のように話した。

「それが自分の中で一番気になっていて。防犯ベルって、じゃあ、その瞬間引っ張って音がなって、誰がどうしてくれるのか。携帯はできるが、その場でどうしてくれるのっていう感じじゃないですか。なんで文書で『警備を強化して、必ず自宅の玄関まで送るようにします』(と事務所は言わないのか)。すべてが軽いように感じる」。

運営側の体制にも疑問の声

放送では、出演者の乙武洋匡さんや古市憲寿さんも加わって、芸能人やタレントが身を守る方法についても議論が広がった。

古市さんは「SNSがあってよかったという風にも思う。昔の時代に同じようなことが起きていたら、潰されていたかもしれない。ShowroomやTwitterで今回の事件が明らかになったのはせめてよかったこと。ライブで彼女は謝っていた。謝らせてしまう空気感はよくない。ただ、謝ったった後にファンが『そんなことないよ』と言ったことには救われた」。

乙武さんは「(芸能人やタレントは事務所側に)なかなか強くものが言えない。組合のようなものを作って、組合として各事務所と交渉する仕組みづくりが必要だと改めて感じた」と話した。

指原さんも「とにかく誰がトップなのか誰が仕切っているのかも私ですらわからない。(経緯や再発防止を説明する)運営側のコメントも誰が書いているかもわからない。(そういうコメントを)中途半端に出した」と話した。

事件の経緯は

事件は2018年12月8日の夜に起きた。男性2人が、山口さんの家に押しかけるなどしたとして、新潟県警に暴行容疑で逮捕された。2人は12月28日、不起訴処分となり、釈放されている。

山口さんが1月9日、「男2人に襲われました」とネットで投稿したことから事件が明らかになった。その後、所属事務所のAKSが1月10日、「メンバーの1人が男から道で声をかけられ、推測出来るような(山口さんの)帰宅時間を伝えてしまった」と、NGT48メンバーの関与があったことを認めた。

山口さんは1月10日、グループの活動拠点の新潟の「NGT48劇場」に姿を見せて、「お騒がせして申し訳ありません」と頭を下げた。山口さんが「被害者」なのに、謝罪に追い込まれたことは海外メディアでも報じられた。


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指原莉乃さん、NGT48山口真帆さんの暴行被害「運営側のすべての対応がひどかった」

2018年10月9日撮影

NGT48の山口真帆さんに対する暴行容疑で男2人が逮捕(その後不起訴処分)された事件で、関連グループHKT48の指原莉乃さんが1月13日、「(所属事務所AKSの)すべての対応がひどかった」と話した。フジテレビ系で放送された「ワイドナショー」の一幕だ。

事件をめぐっては、山口さんが「被害者」なのに公表に追い込まれたことや、所属事務所のAKSの対応が後手に回っていることに批判が集まっていた。

「うやむやにしてはいけない」

指原さんはこの日の放送で、「すべての対応がひどかったように感じる。すべてが間違っていた。私もTwitterに書いたけど、どうにかしてあげることはできなかったかと思う」と語った。

また、指原さんが1月11日のTwitterで、運営側の対応に苦言を呈したことについても、「ガス抜きとして思われて、運営がそれでいいのかなと思うようなことはあってはいけない。このままうやむやにしては絶対いけない」と話した。

運営側のAKSは再発防止策として、「全グループメンバーへの防犯ベルの支給、各自宅への巡回等の対策を徹底する」ことを公表した。これについて指原さんは、次のように話した。

「それが自分の中で一番気になっていて。防犯ベルって、じゃあ、その瞬間引っ張って音がなって、誰がどうしてくれるのか。携帯はできるが、その場でどうしてくれるのっていう感じじゃないですか。なんで文書で『警備を強化して、必ず自宅の玄関まで送るようにします』(と事務所は言わないのか)。すべてが軽いように感じる」。

運営側の体制にも疑問の声

放送では、出演者の乙武洋匡さんや古市憲寿さんも加わって、芸能人やタレントが身を守る方法についても議論が広がった。

古市さんは「SNSがあってよかったという風にも思う。昔の時代に同じようなことが起きていたら、潰されていたかもしれない。ShowroomやTwitterで今回の事件が明らかになったのはせめてよかったこと。ライブで彼女は謝っていた。謝らせてしまう空気感はよくない。ただ、謝ったった後にファンが『そんなことないよ』と言ったことには救われた」。

乙武さんは「(芸能人やタレントは事務所側に)なかなか強くものが言えない。組合のようなものを作って、組合として各事務所と交渉する仕組みづくりが必要だと改めて感じた」と話した。

指原さんも「とにかく誰がトップなのか誰が仕切っているのかも私ですらわからない。(経緯や再発防止を説明する)運営側のコメントも誰が書いているかもわからない。(そういうコメントを)中途半端に出した」と話した。

事件の経緯は

事件は2018年12月8日の夜に起きた。男性2人が、山口さんの家に押しかけるなどしたとして、新潟県警に暴行容疑で逮捕された。2人は12月28日、不起訴処分となり、釈放されている。

山口さんが1月9日、「男2人に襲われました」とネットで投稿したことから事件が明らかになった。その後、所属事務所のAKSが1月10日、「メンバーの1人が男から道で声をかけられ、推測出来るような(山口さんの)帰宅時間を伝えてしまった」と、NGT48メンバーの関与があったことを認めた。

山口さんは1月10日、グループの活動拠点の新潟の「NGT48劇場」に姿を見せて、「お騒がせして申し訳ありません」と頭を下げた。山口さんが「被害者」なのに、謝罪に追い込まれたことは海外メディアでも報じられた。


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宝塚・花組トップ娘役が決定 明日海りおさんの4代目相手役に

宝塚大劇場前=2014年2月24日、兵庫県宝塚市 

宝塚歌劇団は1月11日、花組の次期トップ娘役に華優希(はなゆうき)さんが就任すると発表した。4月28日にサヨナラ公演「CASANOVA」で退団する仙名彩世(せんなあやせ)さんと交代で、トップスター明日海(あすみ)りおさんとコンビを組む。

華さんは京都市出身の100期生。2014年に「宝塚をどり」で初舞台を踏み、15年に花組に配属された。2017年に行われた人気漫画をミュージカル化した「はいからさんが通る」でヒロインを華やかに演じた。トップ娘役としてのお披露目は、6月25、26日に横浜アリーナで行われるコンサート「恋スルARENA」(斎藤吉正氏作・演出)。

また、人気スター鳳月杏(ほうづきあん)さんは、「CASANOVA」千秋楽後の4月29日付で月組に組み替えする。

さらに、人気少女漫画「花より男子」(原作・神尾葉子)のミュージカル化も合わせて発表された。主演は2番手スターの柚香光(ゆずかれい)さんで、脚本と演出は野口幸作氏が手がける。

【訂正】当初、タイトルで「明日海りおさんの3代目相手役」と記載していましたが、正確には「4代目相手役」でした。訂正いたします。(2018/01/11 18:53)


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昭和四十年男の必需品、最後発FM誌『FMステーション』開局【創刊号ブログ#7 前編】

最盛期には50万部を記録したFM誌

「FM誌」という雑誌カテゴリーがかつて存在したことを知る世代は、現在40代以上の方々だろう。ここでは私が会社員として「編集者」だった最後の雑誌、『FMステーション』を取り上げる。

ラジオのAMとFMという変調方式の差異によりかつて、AMはトーク、FMは音楽という暗黙の棲み分けがなされていた。

よって「深夜ラジオ」という冠は、かの「オールナイトニッポン」のようにAMのトーク番組にこそふさわしく、FMには無縁の形容詞だったとして過言ではなかろう。

FMではいつも音楽が流れ、懐のさみしい中高生は自身の好きな音楽を、このFMを介して探し、時として手に入れていた。

「手に入れる」際に必要だったのが「FM誌」。

FM誌にはFMラジオの番組表が掲載され、自身の好きなミュージシャン、好きな曲が「何月何日の何時から」オンエアされるかが、可能な限り記されていた。

よってラジカセだろうがコンポだろうが、お目当ての時間に設定し、好みの音源を録音したものだ。

当時の録音「媒体」と言えば、当然「カセットテープ」。「オープン・リールテープ」から格段に進化したとは言え、脆弱な「磁気テープ」に書き込むシステムだ。

フロッピー・ディスクもMDもない、ましてやDVD-ROMやハードディスクなど、少なくとも一般家庭には存在しなかった。「クラウドに保存」など、間違いなく近未来的なソリューションだ。

そんな録音の船頭であるFM誌の最後発『FMステーション』が、ダイヤモンド社から創刊されたのは1981年7月6日。発行人は坪内嘉雄、編集人は高橋直宏。

同誌は同社の自動車誌『CAR&DRIVER(カードラ)』姉妹版として同年3月にプレ創刊号をリリース、この6月に本格創刊となった。

FM誌はすでに共同通信社から『FMfan』、小学館から『FMレコパル』、音楽之友社から『週刊FM』が先行発売されていた。

正式誌名が長いのでそれぞれ「エフステ」、「ファン」、「エフレコ」、「シュウエフ」と略称されていた。なぜか「ファン」だけFMの呼称がつかない。

『エフステ』は創刊から一年ほど赤字続きで「いよいよ休刊か」という憂き目もあったらしい。

しかしその後、神風が吹いたごとく売上を伸ばし、雑誌業界では珍しいことに、最後発の同誌が最盛期には50万部を記録。もっとも名を売ったFM誌となった。

これにはいくつかの理由があろう。

最大の理由は判型。それまですべてB4サイズだったFM誌においてA4サイズでリリース。最大の売りだった「番組表」が他誌と比べ圧倒的に見やすかった。

さらに米音楽チャート誌『キャッシュ・ボックス』と提携したことにより、洋楽全盛だった当時の風を呼び込んだ。加えて表紙には鈴木英人のイラストを起用、「垢抜けた」デザインは物珍しかった。

実際、当時高校1年生だった私はそれまでのダサいFM誌に比べ、「自分たち若い世代に向けた雑誌だ」と感じた。発売日と同時に本屋に足を運び、同誌をゲット。

帰宅後、蛍光ペンで気になる番組をマーカーし、カセットテープに録音した。時代の流れとともに大部分を破棄したが、今でも100本ほどのカセットが残されている。

鈴木英人の手による創刊号の表紙は、シーナ・イーストン。スコットランド出身の彼女は1980年にデビュー。81年6月、アルバム『モダン・ガール』がオリコン洋楽チャートで1位となった、まさに旬のシンガーだった。

英人のイラストを切り抜き用カセットレーベルとして付録に挿入、これが人気を博し、英人のイラストは同誌の顔となる。このカセットレーベル入りのテープが自宅に残されているという40代以上はけっこうな人数に登るに違いない。

創刊前、英人はまだ無名に近かったらしく、「カードラ」の表紙イラストを担当していた小森誠の推薦だった。

誌名も物議を醸し出したという。

昭和な当時は「ステーション=駅」という固定概念があり「FMステーションって、鉄道雑誌?」と揶揄されたらしい。私の入社当時、編集長を務めていた恩藏茂によると「ステーションという言葉をメジャーにしたのは『FMステーション』」とのこと。

「FM局」という意の誌名にそれほどの創意工夫が見られるとも思わないが、時代の流れとはそんなものなのだろう。

TV番組「ニュース・ステーション」、「ミュージック・ステーション」などのネーミングも「エフステ」ありきだったとか。同誌がなかったなら現在の「報道ステーション」も存在しなかったのだろうか…うーん、はて、いかに。

創刊当時は「オーディオ」の全盛期。表2にはTORIOKT900とKT1000というラジオ・チューナーの広告がドーンと見開きになっている。「チューナー」なんて言葉を、今の若者は知らんのではないだろうか。そして女性誌でもないのにこうした広告が8ページまで続く。広告局の大盤振る舞い…だろうか。

目次は右半ページに無意味に小森誠のイラストが掲載されている。ここに着目した読者は皆無だったに違いない。

巻頭は「本誌独占●海外取材喜多郎のエジプト・イメージ紀行」でスタート。独占取材のわりには、書き手が朝日新聞記者であったりする点はご愛嬌。それにしてもエジプト取材からスタートとは、創刊当時のエフステは豪奢だったのだ。

「栄光のオールディーズ大特集」は残念ながら高校生にとってはどうでもよかった。1955年からのポップスの年表が掲載されているが、今の若者が過去の音楽に興味を持たないよう、当時の高校生にとってはそんな古びた音楽に意味はなかった。

私は、これを勝手にビートルズ世代の恩藏の企画だと思いこんでいる。当初、売れ行きが悪かったというのも頷ける。

私が入社した当時も続いていた「WHO’SWHO」では、ノーランズ、ドゥービー・ブラザーズ、アバ、三原順子、クリスタルキングなどを取り上げている。確かにジャンルにこだわる様子はない。

オーディオ・コーナーは「森本哲郎のサウンド教室」として連載エッセイとなっていた。朝日新聞の編集委員まで務めた評論家の森本が、オーディオ解説にまで手をつけていたとは、すっかり忘れていた。私の『週刊宝石』丁稚時代、氏を取材する機会に恵まれた過去も、もはや思い出だ。

中綴じのセンターにはFM誌の「肝」=「2週間FM番組表」が割り当てられている。創刊号では、まだ雑誌を傷物にしたくなかったらしく、私の所持品に蛍光ペンの痕はない。

番組表は本誌のページ数にはカウントされておらず、別冊扱い。その最後には『キャッシュボックス』誌のアルバム・トップ100が転載されている。

1981年6月13日付のランキングは、1位「禁じられた夜(HIINFIDELITY)」REOスピードワゴン、2位「パラダイス・シアター(ParadiseTheater)」スティックス、3位「悪事と地獄(DirtyDeedsDoneDirtCheap)」AC/DC。

以下、キム・カーンズ、スティーブ・ウインウッド、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ、ヴァン・ヘイレン、ケニー・ロジャース、グローバー・ワシントン・ジュニア、ラッシュ…がベスト10。

11位には、前年射殺されたジョン・レノンが顔を見せている。

さらにオリコンのアルバムチャートも掲載。

1位から「リフレクションズ」寺尾聰、「時代をこえて」松山千春、「グレイテスト・ヒッツ」アラベスク、「シルエット」松田聖子、「ロング・バケイション」大滝詠一…時代を感じない者はないだろう。

69ページの編集後記には、キャッシュ・ボックス社長のジョージ・アルバートが祝辞を寄せている。

おっと、そもそも現在の若い層には、キャッシュ・ボックスの解説が必要だ。同誌は、1942年7月にアメリカで創刊されたチャート・マガジン。毎週、すべてのジャンルを総合的にランク付けし、発表していた。

エフステ創刊時、日本では同誌の扱いがなく、そこに着目したエフステは素晴らしかった。しかし、CB誌も時代の波により1996年11月16日号をもって休刊。当時ニューヨークに住んでいた私もその時の衝撃を記憶している。

現在のWEB情報社会となって以来、2006年にはオンラインマガジンとして再生。21世紀の現在も、楽曲をランク付けし続けている。

エフステの編集後記は「ミキシング・ルーム」と命名されており、創刊から9年後には、毎号私のコメントも掲載されることになる。この影響ではないと思いたいが、編集後記がない雑誌は「半人前」という意識が私には植え付けられ、今日でもそう刷り込まれたままだ。

表4は「ハーマン・カードン・ジャパン株式会社」のパワーアンプの広告。「パワーアンプ」なんて言葉を知る10代が現在、どれほど存在するだろうか。

表3には「AUREX(オーレックス)」のミニコンポの広告が見開きで。東芝の別ブランドだったオーレックスなんて「消滅して久しいなぁ…」と考えていたところ、なんと2016年に復活を遂げたのだという。

創刊号だけではなく、こうして過去の雑誌に目を通すだけで、時代の変遷が理解できるだけに、なかなか止められない。創刊号マニアとは、かっぱえびせんみたいなものである。

自身が勤めていただけに、思いの外、長いブログになってしまった。

続きは【後編】で


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目が見えない、耳が聞こえない。どうやって「笑い」を届ける? 吉本芸人が考えた

目が見えない、耳が聞こえない、日本語が使えない。そんな状況でプロの芸人は「笑い」をとれるのか。

平成最後の年の暮れ、吉本興業の芸人が、あえて普段とは違う状況で大喜利などに挑戦した。視覚障がいや聴覚障がいなどの「障がい」をテーマにコミュニケーションの難しさを考えるためのイベントだ。

当日の様子をレポートする。

「聞こえない」「見えない」人を、どうやって笑わせる?

イベントに参加したのは、お笑い芸人・次長課長の河本準一さんや麒麟の田村裕さん、吉本興業が主導するアジア版「あなたの街に住みますプロジェクト」のメンバーで、アジア各国でお笑いに挑戦している芸人ら総勢20人以上。

一般参加者は老若男女幅広く、障がいを持つ人もいた。

イベントでは、少人数のグループに分かれ、「みえない」「きこえない」「はなせない」状態でコミュニケーションを取るゲーム形式のワークショップを実施。

「みえない」と書かれたカードを引くとマスクで目を塞ぎ、「きこえない」カードでは耳にイヤホンをつける。そして、「はなせない」というカードを引くと、喋ることができなくなる。

このような状態で自己紹介やしりとり、大喜利などのお題に沿ってチームのメンバーと意思伝達を図る、という内容だ。

お笑い芸人にとって、「喋り」は欠かせない存在といっても過言ではない。

その商売道具を封印した状態で、人を笑わせることはできるのか?

20人以上の芸人たちが、ジェスチャーを使ったり、時には伝えたい相手と直接触れ合ったりしながら、「伝えたいことを伝える」ために試行錯誤していた。

ワークショップの最後には、視界と耳が塞がれ、話すこともできない状態の芸人が、「こんなテーマパークは嫌だ」というお題の大喜利を伝えるゲームに挑戦した。伝える相手も、まったく同じ状態。

河本さんは、パートナーと二人羽織りのようになり、身振り手振りで家の形をかたどるジェスチャーをとり、「家がテーマパーク」という回答をパートナーに伝えた。

視界と耳が塞がれ、話すことができない状態で、芸人が「こんなテーマパークは嫌だ」という大喜利の答えを相手に伝える。

「はなせない」カードを引くと、喋ることができない。会話をするために工夫が必要だ。

次長課長の河本さんは手話を勉強中

吉本興業は、地方活性化や海外展開を目的とした新規事業のほか、「SDGs(持続可能な開発目標)」など社会貢献に繋がる取り組みにも積極的だ。

今回のイベントは、障がいの有無に関わらず、誰もが「会話」をできる未来を目指す「未来言語」と吉本興業のコラボで開催された。

参加者の一人、次長課長の河本さんは、手話を勉強中だという。

ワークショップ後に開かれたトークセッションでは、「言葉では自分の発言を撤回できるが、ジェスチャーでは一度伝えたことを『訂正』しづらい」と、障壁がある中で意思疎通を図る難しさを語っていた。

「相手のことを思って伝えることが大事で、雑なコミュニケーションをとると相手が不快になることもある」と振り返った。

日本語が通じない海外では、「リズムネタ」がウケる?

イベントに参加した「住みます芸人」のメンバーは、普段は言語も日本のお笑い界の常識も通じない海外で活動をしている。

「インドネシア芸人」のザ・スリーは、「ボケがいつも怒られていることに疑問を持たれた」と話した。日本ではボケた芸人に対して、頭を叩く「つっこみ」で笑いをとることも多いが、海外ではそれが「怒られている」とみられることもある。そんな文化や価値観の違いを感じたエピソードを明かした。

工夫の末に辿り着いたのが、リズムネタ。ボケもツッコミもない「あるある話」をリズムに合わせて披露するネタをYouTubeで公開したところ、再生回数が1600万回を超えるヒットを飛ばしたという。

(一方で、ろうの人にとっては、リズムネタのおもしろさは理解しづらい、という当事者からの率直な意見もあった。)

吉本

▼ザ・スリーが公開したリズムネタ「Tidak apa apa」

健常者と障がい者の垣根なくす 「芸人からも発信したい」

今回のワークショップでは、初対面の参加者同士がお互いの体に触れ合いながらコミュニケーションを取ることで、一気に距離感が縮まっていく様子が印象的だった。

最近では、視覚障がいを持つ漫談家の濱田祐太郎さんがピン芸人ナンバーワンを決める「R-1グランプリ2018」で優勝したことも、記憶に新しい。NHKでは、障がい者がでるバラエティ番組「バリバラ」が評判だ。

バラエティ番組などに出演するお笑い芸人は、若い世代にとっても親しみやすい存在だ。こうした取り組みから、障がい者と健常者の垣根をなくすための議論が広がっていくかもしれない。

トークショーの最後に河本さんは、「特に女性や若い世代の人が参加してくれたことが嬉しい。芸人からも発信していきたい」と語った。

イベントに参加した吉本芸人ら

イベント参加芸人:

次長課長・河本準一、麒麟・田村裕

「住みますアジア芸人」アーキー、緑川まり、ダブルウィッシュ、KLきんじょー、ザ・スリー、黄金時代、タイガース、アキラ・コンチネンタル・フィーバー、そこらへん元気

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「いだてん」大河ドラマ、どんな話? “あまちゃんチーム”が再集結

「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」

1月6日(日)夜8時から、2019年のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の放送がスタートする。

日本人が初めて五輪に参加した明治の終わりから、1964年の東京五輪までの激動の半世紀を、中村勘九郎と阿部サダヲのダブル主演で描く。脚本は宮藤官九郎。

「いだてん」のあらすじ。日本人初の五輪出場から東京五輪までを描く

「いだてん」の主人公は、「日本で初めてオリンピックに参加した男」金栗四三(かなくり しそう、中村勘九郎)と、「日本にオリンピックを呼んだ男」田畑政治(たばた まさじ、阿部サダヲ)。

熊本県和水町出身の金栗四三氏は、日本人初の五輪マラソン選手として、1912年にスウェーデン・ストックホルムで開催された第5回オリンピック大会に出場した。箱根駅伝の創設など、日本のマラソン界の発展に尽力し、「日本マラソンの父」として知られている。

もう一人の主人公、田畑政治氏は、静岡県浜松市出身の新聞記者。東京帝国大学(現・東京大学)卒業後に朝日新聞社に入社し、政治部記者として働いた。1964年の東京五輪招致のため奮闘し、同大会では組織委員会事務総長を務めた。日本水泳連盟会長を務め、日本水泳界の礎を築いた人物としても知られている。

ドラマでは、2人の主人公の物語を「リレー形式」で繋ぐという。

中村勘九郎、阿部サダヲがダブル主演

「いだてん」で主演を務めるのは、中村勘九郎、阿部サダヲの2人。

主役を支えるキャストには、25年ぶりの大河ドラマ出演となる役所広司、綾瀬はるか、金栗氏とともに日本人初の五輪選手に選ばれた短距離ランナーの三島弥彦役に生田斗真、豪華な顔ぶれが並ぶ。

また、ビートたけしが希代の落語家・古今亭志ん生を演じるという。

▼「いだてん」出演者

中村勘九郎 阿部サダヲ/綾瀬はるか 生田斗真 杉咲 花/森山未來

神木隆之介 橋本 愛/杉本哲太 竹野内豊 大竹しのぶ 役所広司 ほか

「あまちゃん」ファミリーが再集結…

「いだてん」のオリジナル脚本を執筆するのは、2013年に大ヒットした連続テレビ小説「あまちゃん」を手がけた宮藤官九郎。

スタッフ勢には、音楽担当に大友良英、制作統括に訓覇圭、演出に井上剛などが名を連ね、「あまちゃん」を生んだチームが再集結したことでも大きな注目を集めている。

2019年は、平成から新たな時代へと元号が変わり、オリンピック・イヤーを控える「節目の年」でもある。

豪華キャスト、スタッフのもと、明治・大正・昭和と移り変わる激動の時代が、どう描かれるか。期待が高まる。


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Perfumeがアメリカの野外フェス「コーチェラ」に出演、実は”予告”されていた。

Perfume、2015年撮影

アメリカ・カリフォルニア州のインディオで4月に開催される、大規模な野外音楽フェスティバル「コーチェラ(Coachella Valley Music and Arts Festival)」の出演者が発表され、日本からPerfume(パフューム)が出演することが明らかになった。

今年のコーチェラは4月12〜14日、19〜21日に開催され、同じアーティストがそれぞれ2度出演する。フェスの公式サイトによると、Perfumeは14日と21日の回に出演することが発表された。

アジア勢としては他に、韓国のBLACKPINK、HYUKOHも出演が発表されている。

ヘッドライナーとしては、チャイルディッシュ・ガンビーノ、チーム・インパラ、アリアナ・グランデが予告されている。2018年には日本からX JAPANや京都の4人組女性バンド、おとぼけビ〜バ〜が出演していた。

Perfumeは12月31日に公開されたForbes米国版のインタビューで、2019年は3月と4月に北米での7つのショーの出演と1つか2つの「サプライズがある」と”予告”していた。コーチェラのことを指すかどうかはわからないが、ファンにとってはうれしいサプライズとなった。


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