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24時間押し寄せるニュース。メディア企業の働きかた改革

保育園送迎など、労働時間に制約があるメンバーが多数在籍

国内外のニュースを毎日届けるWebメディア「ハフポスト日本版(以下、ハフポスト)」には、様々なバックグラウンドの人たちがいる。中でも、ここ最近増えてきたのが、育児中のメンバーだ。

育児中は、どうしても時間や行動に制約が生じてしまうことが多い

企業も、働き方やライフスタイルの多様化を認めなければいけない時代がやってきた。しかし、ハフポストのようなオンラインメディア運営企業の場合、24時間押し寄せるニュースと向き合うことになるため、労働を時間と場所で明確に区切るのが難しいシーンも多い。育児以外にも、近い将来、働きながら介護をする人も増えてくる。企業として、制約があるメンバーにどう対処しているのか、今回は弊社の実例を紹介する。

Slackによって、働き方はどう変わった?

筆者自身も、0歳児を育てながら働いている。子どもが保育園を休まざるを得ない時はヒヤヒヤするのだが、社内ツールの便利さに助けられている。ハフポストでは、設立初期の段階から、コミュニケーションツール「Slack」を活用している。労働時間の削減・業務効率化を目的に導入したSlackだが、今や「ニュースはSlackで作られている」と言っても過言ではないくらい、メンバーにとってなくてはならないツールだ。

トピックごとにチャンネルを作れるチャットツールだ

Slack導入による最大のメリットは、オフィスに出社しなくても全員の業務量が可視化できるようになったことだ。編集部では、普段からリモートワークを柔軟に認めている。それぞれが取材に出かけたり、記者会見に参加したり、自宅で原稿に集中したりと流動的に働いているが「誰が今、どの企画に取り組んでいるのか」をSlackに宣言すれば、業務量は一目瞭然となる。

「保育園お迎えなので早退します」も、もちろんOK

急な体調不良や予定変更があった場合も、勤怠連絡はすべてSlack上で行う。「保育園お迎えなので17時に上がります」等のプライベートな理由も全員がカジュアルに共有する。それぞれの状況が可視化できるため、「Kさん、子どもが熱を出しているのか。業務負荷は大丈夫?」「Hさんは1週間バカンスだから、作業はこちらで巻き取ろう」等の気遣いも、自然発生する。

休み明けにはリマインドbotやおみやげの投稿がならぶ

さらには業務委託メンバーや取引先ともSlackでやりとりするため、編集部の電話が鳴ることはめったにない。メールでやりとりする際に必要な「お世話になっております」「ご確認のほどお願い申し上げます」などの定型文も、Slack上の会話であれば不要。心なしか距離感も縮まり、案件の進行もスムーズだ。社内の会話はオンライン上に集約されるから、進捗共有のための社内ミーティングもほとんど必要ない。現状、大きな会議は週1回の編集会議のみだ。

子どもが熱を出して保育園を休む場合も、自宅からやりとりができる。子育てをしながら働く30代の女性社員は「子どもが病気で保育園登園禁止になったとき、病児保育の枠がとれず、有給残数を気にしてビクビクしていました。今は家からもなんとか仕事ができるので、助かっています。その分アウトプットが必要なのでプレッシャーもありますが、今の働き方には満足しています」と話す。

「オフィスにいなくて情報を聞き逃した」も防止できる

ハフポストではSlackでのやりとりをメインとし、個人間のDMでのやりとりは推奨していない。もちろん、社員間でメールを使うこともほとんどない。基本的に、センシティブな内容以外はチャンネルにすべて共有するルールだ。

その結果、社内での情報共有が劇的に加速した。チャンネルを横断してワード検索ができるのも強みだ。普段は担当案件ごとに個々で動いているが、あとから他の事例を振り返りやすいし、中途採用入社のメンバーとの情報格差が起こりにくい。

通常、リモートワークで働いていると、「オフィスにいないことで聞き逃した情報」が発生しがちだ。しかし、社内情報がオンラインに集約されていれば、それも防止できる。

時にはリモートワークのメンバーと、ビデオチャットとslackを併用しながら企画会議をすることも。口頭で話すことを同時並行でslack上にも書き込んでいく。ビデオチャットが途切れがちになってもテキストでコミュニケーションは続き、最後には議事録として残る。

退勤後、深夜に重大ニュースが起きたらどうする?

ニュースチームは、普段から海外ニュースやSNS上での話題など、それぞれ関心ごとを共有している。自分が記事執筆を担当できない場合は「このトピック、誰か関心ある?」とチャンネル内で投げかけると「私がやります」と誰かから手があがる。本人の希望と業務状況を加味しながら、柔軟かつフランクに、仕事を割り振ることができるようになった。

シフト外の時間もそうだ。深夜に突然重大ニュースが入ってきたときは「今、PCの前にいるのですぐに記事書けます」と、動ける人が宣言し、助け合う。Slackがなかったら、きっと夜勤シフトを組まざるを得なかっただろう。家にいながらでも社内連絡ができるからこそ、無茶な働き方をメンバーに強いらずにいられている。

オンライン上の雑談文化も

Slack導入後、「この映画楽しかったよ! 鑑賞したメンバーで感想を交換しない?」など、社内の雑談も加速した。「オフィス近くのイタリアン美味しかったよ」など、ランチ情報もSlack上で共有されている。

一見静かなオフィスだが、Slack上では雑談が飛び交う

誰でも見られる場所で会話をしていると「僕も混ざりたいです」と、部署を飛び越えた交流もうまれる。これは企業としての取り組みではなく、自然に発生した文化だ。リモートワークを推奨していて顔を合わせたコミュニケーションが少ないからこそ、オンライン上での雑談が相互理解にも一役買っている。

簡単に外部サービスと連携できる! それぞれの活用法

開発拠点が海外にあり、開発エンジニアや情シス専任メンバーが不在のハフポスト日本版だが、個々のリテラシーに応じてSlackを活用している。botを仕込み、Googleカレンダーと連携して業務スケジュールを自動投稿したり、原稿の締め切り日をリマインドしたりと、使い方は自由だ。

Googleカレンダーなど外部サービスとも連携可能

案だしのため、個人チャンネルを作っている人もいれば、「進捗管理はスタンプ機能を活用し、TODOリスト化している」という人もいる。

botを仕込むほどでもない進捗管理にはスタンプが有効

広告チームのメンバーは、売り上げ状況を毎日botで通知している。別システムの管理画面を開くことなく、重要な数字を全員でチェックする習慣ができるのも大きなメリットだ。

ハフポストのニュースも、社内のラフなコミュニケーションも、Slackなしには成り立たなくなっている。「情報共有」「コミュニケーション」「進捗管理」を集約できる魅力的なツールは、私たちメディア企業では難しいと言われがちな「働き方改革」をも、Slackがぐっと後押ししてくれる。

ハフポストを支えるビジネスチャット「Slack」

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「ひとりじゃない」を感じてもらうために――アフラックが手がける「がん患者向けSNS」開発者たちの思い

国立がん研究センターによると、生涯でがんになる確率は、男性が62%、女性が46%(出典:国立がん研究センターがん情報サービス「最新がん統計」)。がんは、特別な病気ではなく、2人に1人がかかる身近な病だ。また、新たにがんと診断される人は、年間100万人を超えるとの予測結果も出ている(出典:国立がん研究センター「2018年のがん統計予測」)。

年齢階級別のがん罹患率(全部位2014年)

安心してがんと闘うために――経済的な備えである「がん保険」を提供しているアフラックが、この度、がん経験者支援コミュニティ「tomosnote(トモスノート)」を開始した。目的は、孤独感を感じている患者同士をつなげ、心の支えになる場を提供することだ。

がんを宣告されたとき感じるのは、「孤独」だという。治療のこと、仕事のこと、お金のこと。心配ごとは山ほどあるのに、誰にどう話したらいいかわからない。「自分はこのまま人生を終えるのだろうか」と不安を抱きながら日々を過ごす。「tomosnote」の開始に合わせて公開されたブランドムービー「『ひとりじゃない』と感じられる場所を。」では、孤独感の中で病と向き合う「不安」と、「ひとりではない」と気づいたがん患者の心の変化を、マラソンランナーに例えて表現している。ランナーが身につけるゼッケンは、年間で新たにがんと診断される人数と同じ規模の桁数になっている。

今回ハフポストは、アフラック生命保険株式会社で、「tomosnote」の開発を手がけたメンバーと、がん経験者として監修にあたったキャンサー・ソリューションズ株式会社、代表の桜井なおみさんに、サービスに込めた思いを聞いた。

アフラック生命保険株式会社で「tomosnote」を手がける皆さん。左から力石文世さん、天野友貴さん、友岡将さん、阿萬和弘さん、田中麻衣さん、冨田隆行さん。

「孤独じゃない」を感じてもらいたい。属性の近しい相手とつながる仕組み

がん患者向けSNSアプリ「tomosnote」は、属性の近しい人のアイコンが周りに配置される、独自のホーム画面とUI(ユーザーインターフェイス)が特徴だ。ユーザーがアプリに登録する際は、性別、年齢、居住地などの基本情報に加え、がん種や治療法といった、多くの登録項目を設けている。これにより、より近しい属性同士でつながり、交流しやすくしてあるそうだ。

一般的なSNSでは、つながりはゼロから始まり、自ら友達登録やフォローをすることでつながる仕組みが多い。しかし「tomosnote」は、そうしたアクションをしなくても、使い始めたら「ひとりじゃない」と感じられる世界観を目指したという。

「tomosnote」の機能は大きく「つながる」「みつける」「記録する」の3つを備える。投稿内容は「ずっと表示」・「24時間で消える」・「すぐ消す」から選べる。「すぐ消す」でやりきれない気持ちを吐き出したりすることもできる。

アプリ開発を担当した冨田隆行さんは、がん患者の方へのヒヤリングを重ねることでより使いやすいUIにこだわったと話す。

冨田さん:ホーム画面にはこだわりが詰まっています。自分と近い属性の人や、自分より半歩先を進んでいる人が周りにいて、「ひとりじゃない」ということが伝わるようにサークル状のUIになっています。

気分や投稿内容に合わせて、背景色やテーマが選べます。投稿者が「前向きである」や「今はちょっと落ち込んでいる」というようなことが色で表現できればと。がんと向き合う日々は、当然、気持ちに波がありますので、そこになるべく寄り添えるように意識しています。今後もユーザーの声を聞きながら、機能追加やUI改善をしていきます。

属性の近い人の”価値ある情報”が支えに

「tomosnote」の監修をつとめた桜井さんは、2004年に乳がんの診断を受けた。当時、働き盛りの37歳。設計事務所の都市計画プランナーとして、長期プロジェクトを手がけていたが、術後の後遺症や通院をしながらのハードワークに限界を感じ、退職。その後、「病気はお互いさまだから」と言ってもらえる新たな職場に出会ったことで、がん患者に対する周囲の理解や、働く環境の重要さに気づく。現在は、がん患者の就労支援をしている。

桜井さん:私は家族をがんで亡くしていたから、がん=死ぬ病気だと思っていたんです。だから自分ががんとわかったとき、一年後も生きて仕事をしているとか全く想像できなかった。治療をしなければいけないけど、そのためには仕事もしなくちゃいけない。同じ30代のがん患者が周りにいなくて、ご高齢の患者さんからは『まだ若いのにかわいそう』『若いから進行早くてかわいそう』と言われ、傷つくこともありました。

がん経験者の視点から「tomosnote」の監修をつとめたキャンサー・ソリューションズ株式会社、代表の桜井なおみさん。

でもその頃、流行っていたブログサービスで、同じがん種、年齢など属性が近い人たちに出会いました。コメント欄でやり取りして、お互いのブログはリンク集でつながって、仲間が増えていったんです。今でいうSNSのような使い方。がんの部位とか、年齢とか、社会的属性が近しい人がいると、その人たちが発信してくれる情報がすごく参考になりました。ああ、一人じゃないんだと実感できました。

ブログ仲間とのやり取りの中で、治療に関わることだけではなく、通院時の仕事の調整方法や、医療費や通院費の確定申告など、一般的な知識を含む”生活の知恵”を知ることができたんです。

例えば、電車に乗るとき、車両のどこらへんのポジションに立つと良いとか。乳がんって、激混みの山手線に乗ると、つり革に捕まるだけでも痛みがあるから。どのあたりがベストとか。先輩の患者さんに教えてもらえて本当に役立った。

声を上げられない3割の患者をどう助けるか

桜井さん: がん患者の中には、周りに相談して知識を得たり、人生の振り返りができたり、罹患が自己成長につながるタイプの人と、声を上げられないサイレントの人がいます。前者は、周囲に助けを求めるなど家族以外にも様々な支援者がいて、心の開示度が高いと考えています。でも、サイレントの人たちは家族にも本音を言えていない。再発したとか、転移したとかの病状ですら、「つらい、しんどい」って言えない人たちがいる。

以前行った調査では、約3割の人が、声を上げられないサイレントの人たちだったんです。気持ちがずっと右肩下がりになって、軽いうつ傾向にもある。情報にも巡り会えないし、ロールモデルにも出会えていない。患者支援活動をしていて、私たちはサイレントな人たちと本当に出会えているのかな、情報を届けられているのかな、本当に救わなきゃいけない人を救えているのかな、と思っていました。

私たちの団体で、がん患者向けの無料の電話相談サービスをやっているんですけど、そこにはサイレントの人たちが電話をくれるんです。顔が見えないのが良いときもあるんだなと思いました。「会話を録音してもいいですか?」と聞くと「いやです」と。「サロンにきてみませんか?」と聞くと「いや、いいです」と。そういう人たちのためのチャンネルが必要だと思ったのです。

がん経験者に調査をしてみたら、書き込みはしないけど「ロム専」といって、掲示板など他の人がどうしているかをずっと見ている人たちがいる。再発など、しんどいことが起こると呟く。投稿時間も夜だったり。それをみて、ああ、私はこの声をひろいたい。これは、もうネットしかないなって思いました。

周囲も「がんばれがんばれ」だと、どんどん一人で抱え込んでしまう。がんばらなくてもいい、前向きにならなくてもいい。周りに頼ったり、吐き出したりできれば少し気持ちが楽になれる。そんな場を作りたかったんです。

桜井なおみさん

桜井さん: がんは不確定要素が多い病気なので将来への不安を漠然と感じます。でも、普通に日常生活を過ごして、仕事をしている人もいるってわかるだけで、すごく励みになるんですよね。ああ、一人でがんばってきたと思っていたけど仲間がいるじゃん。そういうことがわかると「諦めることないじゃん」「今のままでいいじゃん」って思える。

そんな世界を作りたくて「tomosnote」のようなSNSはずっとやりたかった。そこで得られる情報や、人のつながりによって、自分らしさを取り戻すきっかけにして欲しい。これでやっと実現できると思っています。

がん保険を提供する会社が手がける意義

アフラックは、1974年に日本で初めてがん保険を発売し、がんの啓発活動やがん対策に取り組んできた。2015年に、新しい事業を考える社内プロジェクトが発足。「がん患者さんが必要としている情報が手に入るプラットフォームをつくろう」というアイデアが生まれた。「tomosnote」はその第一弾として、がん経験者の一人一人の声を集めながら開発したサービスだ。

田中麻衣さん

プロジェクト発足時から、サービス開発に関わってきた田中麻衣さんに、アフラックとして取り組む意義についてたずねた。

田中さん:医療の進歩により治療法、治療薬の選択肢が広がったことで、近年では「がん」としっかりと向き合い、付き合っていくものとなっています。どんな選択をしたらいいのか悩む人たちも増えてきているのではないでしょうか。

そんな中で、経済的な困難を救うだけではない、別のサポートが必要だと考えるようになりました。患者さんを”救う”というのはおこがましいのですが、そうした多様な悩みに寄り添うことは、がんと向き合う弊社だからこそできるのではないかという思いがあります。

手のひらで手軽に情報収集ができる時代ですが、逆に情報が溢れており、裏付けがあって信頼できる情報がどれか、判断が難しい状況になっています。しかも、それを普段と異なる精神状態の中で判断していかなければならない…。

これを解決するために、専門性のある企業等にご協力いただき、本プラットフォームを通じ「信頼できる情報」を配信する機能、サービスを追加していく予定です。

自分のがん経験を誰かのために役立てたい

プロジェクトメンバーの一人である阿萬和弘さんは、昨年、27歳のときに甲状腺がんと診断された。治療と向き合いながらサービス開発に関わる中で、気持ちに変化があったと話す。

阿萬和弘さん

阿萬さん:昨年、甲状腺がんが分かったとき「なぜ自分なんだろう。まだ27歳なのに」とものすごく落ち込みました。この先の人生どうなるのだろうと不安な毎日でした。

「All Ribbons(オールリボンズ)」というがん経験者のための社内コミュニティがあるのですが、セミナーに参加したとき、自分のつらい経験を、また同じように経験する誰かのために役立てたいと思っている人がとても多いことに気づきました。そういう人たちを目にしたことで、「今はつらいけれど、この経験がほかの人にも役立てられるんじゃないか」という思いに至りました。

今、がんと向き合っている方々のために役立てるサービス開発に携われたというのは、自分の気持ちを昇華させられるという意味で、とてもよかったなと実感しています。「tomosnote」は、今つらい思いをしている人、自分のつらかった経験を誰かのために役立てたいと思っている人にとって、意義深い場所になれるのではないかと思っています。

「いつか自分も……」永く続けられるプラットフォームにするために

田中:「tomosnote」は社会全体でがん経験者を支えていくことを目指しているからこそ、永く続けていきたい。本プラットホームの考え方に賛同していただける企業や団体からの支援をいただくことで、続けていこうと考えていますし、続けなければならないと思っています。

冨田:自分や自分の家族も、いつか使うかもしれない。そういう思いで、取り組んでいるプロジェクト。がんと長く付き合っていくうえで、精神的負担を減らしたり、みんなが支え合って安心できる場所となれるよう、本プラットフォームを育てていきたいと考えています。

 ***

医療が進歩して、保険のサービスが充実してもなお、足りないものはなにか。そのスキマを埋め、がんに接する人々が、充実した人生を歩むことができる世界を創る――プロジェクトに取り組む人々の熱い眼差しに、その覚悟が見えた。

「tomosnote(トモスノート)」アプリのダウンロードはこちら

(スマートフォンのみGoogle Play/App Storeに遷移します)


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