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「メッセージを発信したいとは思わない」 大ヒット映画『バーフバリ』のラージャマウリ監督が語った真意とは?

古代インドの王国を舞台にしたインド映画『バーフバリ 王の凱旋』が、小規模の公開ながら興行収入1億円を突破し、大きな反響を呼んでいる。

同作は、英雄・バーフバリの壮絶な人生と復讐劇を親子二世代にわたって描いた作品だ。クライマックス級の見応えあるシーンの多さや主人公・バーフバリの超人的な強さとカリスマ性などが、観客を惹き付けている。

ネット上では、作品やキャラクターについてさまざまな考察も広がる。女性の描き方なども注目を集めた。バーフバリに登場する女性はみな強く気高く、バーフバリの妻デーヴァセーナはセクハラした相手の指を斬り落とすほどの勇ましい姿を見せる。

監督と脚本を務めたS.S.ラージャマウリ氏は、「(作品に)ドラマ性を求めることによって、必然的に登場人物が強く、美しいキャラクターになる」と話す。4月末に初来日したラージャマウリ氏に、日本でのヒットの感想や、同作に込めた思いを聞いた。

「社会的なメッセージを発信したいとは思っていない」

——日本での『バーフバリ』人気をどう受け止めていますか?

驚いています。観ていただいた方のパワーに圧倒され、体力を消耗しています。映画のヒットはすごく嬉しいのですが、これだけの熱量が日本人の観客の方から返ってくるとはまったく想定していませんでした。そういう意味で、「消耗」していますね。

絶叫上映にも参加したのですが、インドとまったく違う文化圏、言語にも関わらず、あれほどの熱狂が生まれている。みなさんコスプレをしてインド国旗を持っていたり、テルグ語で書かれたメッセージボードも持っていたり...時間と情熱をかけて『バーフバリ』を楽しんでくれています。

ストーリーテラーとして、これ以上望むことはありません。

——ネット上では、作品やキャラクター考察なども盛んに行われています。『バーフバリ』では女性の登場人物が非常に「強く」描かれていたのが印象的でした。インドはレイプ問題などが社会現象となっていますが、女性の尊厳を描く、というのは監督が意識されたことなのでしょうか?

今の社会における女性の地位や女性が置かれている状況を見ると、非常に悲しいことが世界中で起きていると思います。インドだけではなく、多くの宗教や国で女性が搾取され、本来女性が持っている尊厳が守られていない。これは嘆かわしいことです。

ただ、私は自分の作品を通して、社会的なメッセージを発信したいとは思っていません。社会に対する務めを果たすというよりは、観客に対して、自分がするべき務めを果たしたい。そして、私が映画を通して果たすべきこととは、観た人たちを現実から逃避させ、別の世界へ連れて行くことです。これを自分に課しています。

私はあくまでドラマを作りたい。そして、私が描きたいドラマは芯のある強いキャラクターの生き様から生まれます。力強いキャラクターだからこそドラマが生まれる、と言った方が的確かもしれません。ドラマ性を求めることによって、必然的に登場人物が強く、美しいキャラクターになっていくんです。

社会に向けてメッセージを発信したかったわけではありません。自分が信じるストーリーを具現化して作品に昇華させた結果、社会的な貢献と責任を果たすことに繋がった、ということだと思います。

デーヴァセーナ

マヘンドラ・バーフバリ

——監督が描きたい「強さ」とは?

人生を生き抜くため、困難に耐え忍ぶ強さ。そして、世の中を見通す明晰な考えを持つことが、肉体的な側面だけではなく精神的な強さに繋がると思っています。

アマレンドラ・バーフバリはこの映画のヒーローですが、デーヴァセーナを捕虜として自分の国に連れて帰ろうとします。これは、母であるシヴァガミの意見が正しいと思っているからです。

ところがデーヴァセーナは、「あなたのために死ぬことはできるが、あなたのために生きることを私はしない」と答える。バーフバリのために自分を犠牲にできるほど愛しているけれど、自己や主体性を失い、自分を殺してまでバーフバリに尽くすことはしないと断言するわけです。

これを聞いて、バーフバリはひれ伏します。ここは非常にドラマティックな場面で、このようなドラマを作り上げることが私の仕事だと思っています。

アマレンドラ・バーフバリとデーヴァセーナ

——魅力的なキャラクターが多いですが、監督が思い入れがあるのは?

脚本を書いている時は、シヴァガミに強い思い入れがありました。ただ、映画が完成した後は、ビッジャラデーヴァに非常に魅力を感じていますね。

『バーフバリ』に登場するキャラクターは、誰もが何らかの欠陥や欠点を抱えています。ヒーローであるアマレンドラは、人を信用しすぎるし、悪を見抜けない。王としては欠落している部分があると思います。

そういう意味では、デーヴァセーナが唯一欠点がない人かもしれません。迷いがなく、賢く、単刀直入に物事を見極められる。

バラーラデーヴァ(左)、国母のシヴァガミ(右)

デーヴァセーナ

——確かに、アマレンドラは人を疑うことを知りません。誰もが崇めるような王としての貫禄がありながら、優しさが仇になるというシビアなストーリーを描いていました。監督にとって、人を束ねる「王」の素質とは何でしょうか。

王になるべく人は、人を慈しむ心(compassionate)があり、判断力がある人だと思います。

バラーラデーヴァには慈しむ心が欠けているので、王としては的確ではありません。最終的に王になったのはシヴドゥですね。彼は慈悲深く、最初は後先を考えない無防備さがありましたが、徐々に賢さを身につけていきました。頭脳を鍛えた結果、シヴドゥがなるべくして王になったのだと思います。

——ネット上では、バラーラデーヴァは誰とも結婚せず、息子のパドラ王子は養子ではないかとする説もありますが...。

私はバラーラデーヴァの実の息子と想定していたのですが、日本では「養子であってほしい」と望む声が多いと聞いて、パドラは養子ということにした方がいいかもしれないと思いました。そこにドラマ性があると思いますから。

バラーラデーヴァはデーヴァセーナを愛しているため誰とも結ばれなかったとの憶測もあるようですが、私にとって、バラーラデーヴァは「自分しか愛さない」キャラクターなんです。

——スピンオフも期待されています。

バーフバリの物語が始まる前のストーリー、『THE RISE OF SIVAGAMI』の企画を今年中にスタートする予定です。私はプロデューサーとして参加する予定ですが、シヴァガミとビッジャラデーヴァ、カッタッパが登場します。楽しみにしていてください。

【作品情報】

『バーフバリ 王の凱旋<完全版>』
6月1日(金)より新宿ピカデリーほか全国順次ロードショー
©ARKA MEDIAWORKS PROPERTY, ALL RIGHTS RESERVED.


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